東北の山遊び

アクセスカウンタ

zoom RSS 2008.11.6 磐司尾根から糸岳(宮城・二口山塊)

<<   作成日時 : 2008/11/06 23:13   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 2

二口山塊の県境に位置する糸岳は東面に比較的長い尾根を伸ばしている。その尾根を磐司尾根と言い、南側には高さ約100m・延長3kmにわたる有名な磐司岩の大岩壁、北側には大行沢道から眺められる裏磐司の大岩壁を有している。しかし残念なことに糸岳〜1093m峰間を除いてこの尾根上に登山道は存在しない。かつてはマタギが跋渉し、現在は薮漕ぎでなければ登れない魅惑の尾根を薄い踏み跡を拾いながら歩いてきた。

【 11/6 糸岳(1228m) 宮城・二口山塊 】
大東岳登山口〜(車道)二口キャンプ場〜559m独標〜806m独標〜1093m独標西(薮抜け)〜糸岳〜山王岳〜小東峠〜小東岳〜小東峠〜樋ノ沢避難小屋〜雨滝〜大東岳登山口

磐司尾根から糸岳へのガイドは、だいぶ前の岳人誌で(余り古くて記憶にない)紹介されたことがある。当時、登山経験が少ないSONEとしては薮尾根に対する憧憬と畏怖を持ってそのガイド記事を見た憶えがある。
そして体力&技術的に今を逃すと登れなくなると思い、意を決して磐司尾根に挑んだ! ・・・が結論を言うと実に簡単な薮尾根であった。(これだったら先週キノコ狩りで歩いた高畠の薮尾根の方が余程難しかった。)

本小屋手前の車道から見た糸岳と磐司岩。一番手前の紅葉している峰から尾根を忠実に登った。
画像


朝8時20分、車を駐車した大東岳登山口から二口林道を歩き出す。
大行沢沿いは紅葉が見頃である。         そして尾根取り付き場所となる二口キャンプ場と三方倉山。
画像画像


キャンプ場の右端から赤ペンキ印に導かれて作業道に入る。いきなりの急登である。
尾根の左右交互に杉やカラマツの植林地が続き、手入れの良い作業道が570mコンタ付近まで続いた。
画像


尾根の下部は紅葉の盛りで、明るい色彩に満ちていた。
画像画像


600mコンタからは薄い踏み跡を辿る登りとなる。尾根の正面に岩塊が出てくるが右側から簡単に巻いた。
但し694mコンタ手前で帯状の高さ5〜7mの岩場が立ちふさがる。正面突破を試みるが、右側が絶壁となっており断念。左の踏み跡を行くと、木の生えた凹角が上部へと抜けられそうで手前まで這い登ると、やっぱり!!
その1本だけ生えた木に古いトラロープが巻きついていて、この場所しか上部への道はなさそうである。
結局、高さ5m程度の簡単な岩登りで帯状岩場を抜け出した。この場所が尾根完登への鍵を握る。

この地点から850mコンタまでの約2kmが薮漕ぎの核心部となる。尾根はヤセてヒメコマツとヒノキアスナロが林立して、林床のはイヌツゲやシャクナゲが繁茂している。倒木も多く時折踏み跡を隠し、跨いだり潜ったり忙しい。
だがヤセ尾根だけに梢を透かして大東岳を常に眺めながら登ることができた。
画像


900mコンタから尾根は急激に広くなり、ブナの原生林の登りとなる。熊棚も数箇所あった。
林床は腰丈のササが中心で、小木薮を避けながら快適に登ると簡単に1093m独標西の登山道に薮抜けした。
そこから僅かの距離で展望地:望洋平に到着。目指す糸岳が優しげな山容で見える。
画像


南側は仙台神室と山形神室が対照的な山容で眺めることができる。
画像


1150m付近から登ってきた尾根を振り返る。右奥の山は三方倉山、更に奥には鷹ノ巣山が望める。
画像


北側には大行沢の奥に面白山が遠望できた。(右は大東岳、左は猿鼻山)
画像


糸岳山頂には駐車地点から2時間45分で達する。まだお昼には早いので、北石橋に下る予定を変更して小東岳まで足を伸ばすことにする。(9月に奥山寺から小東峠まで登って、天候が悪く撤退した山のため。)

糸岳北峰(秋取峰)の下りから山王岳・小東岳・猿鼻山・南面白山を眺める。(手前から)
画像


石橋峠まで下って山王岳(1132m)へ登り返し小東峠まで再び下る。峠手前のヤセた岩稜は絶好の展望台である。
カブト沢から一気に立ち上がる甲岩が異様な雰囲気で見下ろせる。
画像


ここまでの行動中ずっと右手に見えていた二口山塊の雄:大東岳。どこから見ても判る山容である。
画像


小東峠から急坂と5分登るとT字分岐となる。右は県境縦走コース。小東岳へは左だが薮が濃い。
さらに5分登ると潅木で展望がない小東岳山頂(1130m)に着く。糸岳から1時間の行程であった。
少し下った展望の良い露岩のところでランチとする。北側には南面白山がドッシリと構えている。
画像


ビールを飲みながら今日歩いてきた尾根や山々を眺める。まさに至福の時、登山者冥利に尽きる。
右端の糸岳から左下方面に長く伸びている尾根が登った磐司尾根である。
画像


再び小東峠まで戻りハダカゾウキ沢に沿って樋ノ沢まで下る。その途中でマユミの木が群生している場所を見つけた。落葉したモノトーンの森に紅梅が咲いているみたいであった。
画像


穏やかな沢沿いの道をのんびり下ると避難小屋がある樋ノ沢である。樋の様に流れる沢から名前がついたのであろう。沢を跨いで写真を撮った。
画像


避難小屋前の美味しい湧水を賞味して、キノコを探しながら登山道に関係なく大行沢左岸の段丘を歩くとムキタケをゲット。ササ薮が濃くなった地点で登山道に復帰し、大好きな大行沢道を紅葉を眺めながら下る。
画像


京渕沢を渉った地点からは迫力ある裏磐司の岩壁が眼前に展開した。あの岩壁の上をひたすら歩いたと思うと感慨深い。
画像


そして雨滝のベンチでお約束のコーヒータイム。しかしよく考えてみると何十年もこの場所でコーヒー飲んでるな!と毎度ワンパターンの行動に我ながら苦笑する。
下界に下るにつれて盛りとなる紅葉を愛でながら駐車地点に帰り着くと、森林管理者の方々が仲間の下山を待っていた。彼らも今年のキノコ不作に驚いていた様子。やはり宮城県全域でキノコは駄目だったらしい。

結果的に7時間の行動で周回してきた。両磐司岩に挟まれた尾根で、迫力ある展望を期待していたが、実際はブナと黒木の森をひたすら歩く穏やかな尾根であった。(一部はヤセ尾根だったが・・・)
しかも顕著な踏み跡から察すると歩く人も決して少なくないと思われる。
完全薮漕ぎを考慮した作業着ルックで挑んだのに、見事に肩透かしを食った格好となった次第である。
でも歩くことを永く切望していたコースを、穏やかな秋晴れの日に歩けてとても満足している。

磐司尾根は一般登山道ではないので、薮や岩場をこなせる技術を持ったリーダーの先達なくしては危険である。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
本領発揮の山歩きでしたね。(ちょっと物足りなかった?)
SONEさんが歩かれた2日前に大行沢を裏磐司を眺めながら歩きましたので、殊更興味を持って読ませていただきました。斜面には常緑樹が結構見えましたが、それらもヒメコマツやヒノキアスナロだったのでしょうね。
大行沢は今回で3回目ではじめての登りでしたが、改めてこの沢の素晴らしさを感じました。どこぞの観光地の渓流よりよっぽど感動できる沢ですね。
ebiyan
URL
2008/11/07 18:40
ebiyanさん今晩は。
ハードな薮漕ぎを期待?して挑みましたが、思ったより短時間で薮抜けできました。
但し薮漕ぎに慣れていない方ですと、望洋平まで3時間はみた方が良いと思います。
この日は結構体調が良く、体力的には南面白山経由で大東岳まで縦走も可能でしたが、流石に今の時期では暗くなるのが早いので思いとどまりました。
大行沢道は宮城県で最も素晴らしい登山コースと個人的には思っています。
あれだけの流域面積を持つ渓谷が全く人口的に破壊されていないのは奇跡ですね。
SONE
2008/11/07 23:39

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
2008.11.6 磐司尾根から糸岳(宮城・二口山塊) 東北の山遊び/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる