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zoom RSS 2009.1.28 雁戸山前衛峰:西茶畑(宮城・蔵王連峰)

<<   作成日時 : 2009/01/28 22:54   >>

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北蔵王の鋭峰:雁戸山は、なだらかな印象がある蔵王の異端児的存在である。
夏場は笹谷峠から、多くの登山者が訪れているが、積雪期は山頂直下にある”蟻の戸渡り”の岩稜と雪壁の存在から、冬山のエキスパート以外は近づき難い山となっている。
しかしセントメリースキー場のゲレンデトップから西茶畑と言うピークに登り、鞍部に急降して、さらに高差180mの急登で登る、積雪期ならではのルートは比較的安全度が高い。


【 1/28 雁戸山前衛峰:西茶畑(1410m) 宮城・蔵王連峰 】
セントメリースキー場のゲレンデトップ〜岩の下沢〜岩の下沢左岸尾根経由:笹雁新道合流地点〜西茶畑〜笹雁新道1300m地点〜水無沢滑降〜砂防ダム〜林道経由:笹雁新道R286入口

今までは薮っぽい尾根でありスキーに向かないと言う理由から、セントメリースキー場からのルートは使った事がなかったが、毎年閉鎖か存続か?の話題がでている当スキー場が存在する内に一度は登ってみようか、と出かけた。朝方は快晴であった。

セントメリースキー場には午前9時前に着いた。エプロンからリフト3基を乗り継いでゲレンデトップに至るが、最上部のリフトは9時30分からしか可動しないらしい。そこでコーヒーを飲んで待つことにする。
(注)インフォメーションで聞いた話だが、今年からスキー場の管理会社が変ったそうで、ゲレンデ内への進入やリフトの乗降は、スキー&スノボの板を付けた者以外禁止との事。カンジキやスノーシューを使った雁戸山への登山は出来ないらしい。

リフト上で考えてみると、セントメリースキー場でスキーをした事は、たった一回しか無い事実に気が付いた。その時はえぼしスキー場のリフトが強風で可動せずに、こちらのスキー場に逃げてきたのである。
そして今回初めて上部のリフトに乗ったが、このスキー場の展望の良さに驚いた。二口山塊が一望であった。
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ゲレンデトップでシールを貼り、思わず景色に見とれる。目指す尾根の上部ピークが手招きしている。
R286からも見える、スッキリ伸びた雪稜が魅力的だ。
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オボコンベの岩塔峰も山並みの間にピョコンと飛び出して見えた。
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実はかなり前の岳人誌に、セントメリースキー場から、岩の下沢右岸尾根を経て雁戸山に登るガイドが掲載された。岩の下沢の沢床に降りず、忠実に尾根を辿るルートであるが、地形図を見ても1150mコンタまでの高差200mの急登は半端でない。そして実際に対岸のその尾根を眺めて、黒木交じりのヤセ尾根とアップダウンの連続はスキーのみならず、歩きで登っても苦労するであろう。

という事で、まず岩の下沢の沢床に降りる。数箇所で沢が出ているので、少し上部の完全に沢が埋まっている地点で沢を越える。対岸の急斜面は階段登りで何とか登った。一段登るとブナの森が広がるが林間は狭い。
最初から急登が始る。左側の斜面はカラマツの植林地で薮っぽいため、右に斜登してゆく。
ここから高差100mが苦労した。クラストした斜面に20cmのパウダーが載っている状態で、ジグを切って斜登するその谷足が何回もズレ下がる。谷足側を強く踏みしめてエッジを立てながら登るという、非効率的な作業を余儀なくされた。
でも950mコンタ付近から尾根も広く、かつ傾斜が緩くなり、直線で登れるので問題解決。ガンガン登っていく。
登りながら感じたが、この尾根はスキー滑降向きではない。ブナが矮小化して林間が狭すぎるのである。
しかし時々雪原状のところも現れる。樹林越しに仙台神室が頭を出している。
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そこから上部を見上げる。さっきまで快晴だった空に、嫌らしい雲が湧いてきた。
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1150mコンタを過ぎると、右側から尾根が合流する。その尾根に乗り上げると西側の展望が開けた。
前山からカケスガ峰と、中間の雪稜が笹雁新道がある茶畑尾根である。
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そして山形神室〜仙台神室の大観。最近この山々を眺める山行が続いている。(苦笑)
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登ってきた尾根を振り返る。広く優しい感じの雪稜だ。セントメリースキー場も大分下になった。
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これから辿る尾根を見上げる。雪庇は発達しておらず、雪山初心者にも快適な登りが約束される尾根である。
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これは笹谷峠とハマグリ山を眺めたショット。村山葉山も遠望できる。山形県は晴天域にあるみたいだ。
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登りの途中で一回ガスが上がってきたが、その後は一気に晴れた。気分も体調も万全なので、この魅惑的な雪稜東側に広がるオープンバーンを見逃すことはできなかった。早速シールを剥がし、ザックをデポして一滑りする。
パックされた雪面にドライパウダーが20cm積もった状態。少し片斜面だが至福の滑降を楽しむ。
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シールを貼り、ザックデポ地点まで登って再び雪稜を登る。しかし笹雁新道の合流点手前からガスで一気に視界が無くなった。およそ30〜50mの視界の中、シュカブラと潅木でガタガタの広い尾根を西茶畑に向かう。そう言えば、最近は西茶畑ピークのことを「ニセ雁戸」と呼ぶ登山者が多いらしい。
広い尾根の所どころで夏道の鉈目を見つける。クラストした場所では古いスキー跡が盛り上って見えた。
そして西茶畑ピークに到着。何にも見えない。厳冬期に迫真の姿を見せる雁戸山の双耳峰はただ想像するのみである。あるのは風の音と、エビノシッポが付着したハイマツだけ・・・
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風を避けて、山頂から少し下ったところで昼食とする。
20分待ったがガスが飛ぶ気配は微塵もないので、本日は展望を諦めて下る事にする。

笹雁新道合流点までは緩いアップダウンがある潅木薮尾根なので、シールは付けたままである。
そして分岐と思われる1370m峰を確認。左下に下る正規の登山道の切り開きに入ったつもりであった。
が、高差40m程度下ると、その切り開きは潅木の薮薮斜面に消えていた。アレ〜登山道は何処???
右〜左と薮を苦労して潜り抜けて探すが見つからない。未だにシールを装着したままだったので、1370m峰まで戻って、この時になって初めて地形図を出して確認する。
何〜んて事は無い。自分の思い違いであった。笹雁新道の下りのポイントは1370m峰からだと思い込んでいたのである。そこで地形図も出さずに飛び込んだ失敗であった。本当の分岐点は約100m先の尾根突端と判る。
約20分のタイムロス。そのポイントにはスノーシューで登ってきたトレースが付いていた。

だが、下り始めは潅木薮の中に細い登山道が認められるだけで、滑降など無理な話。
仕方なく苦手なシール滑降で、その薮地帯を抜ける。少し潅木薮が開けた場所でシールを剥がして休憩していると、僅かな時間だけ陽が差してきて、周囲の霧氷地帯を明るく照らし出した。
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視界が少し開けたので滑降を開始する。茶畑尾根の東斜面には潅木交じりの雪原が開けて滑り易い。
でもパックされた上に粉雪が載っているので、ターンの度にガリガリ音がする点がイマイチ。
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チョット滑ると再びガスに包まれる。斜面の凹凸が見えず快適ではないし、滑りながらでないと先の状態が見えないので、急に現れた薮の手前でストップせざるを得なくなる。
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気持ちよいオープンバーンから密林に変り、右往左往して抜け出すと、雲底の下に出て視界が広がった。ここからは水無沢の滑降が始る。どうやら潤沢に雪が繋がっている様で安心する。
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沢の上部:カラマツの植林が迫った箇所は、薮っぽくて快適ではない。そこを抜け出してホットする。
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普段の単独スキー行で沢筋を下ることは稀であるが、水無沢での滑りは樋状で、まるでハーフパイプを滑っている感触があり非常に面白かった。でもイイのは中間部まで。下部はスノーボールや小規模なデブリが沢床を埋めて、それに新雪が乗っているため、凸凹が激しく、かつラインを規制されるため疲れる滑りとなる。

そして砂防ダムのところで沢滑りは終了し夏道と合流した。ここから後は林道を滑ることになる。
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笹雁新道の上部にあったスノーシューのトレースは、どうも茶畑尾根を忠実に登ってきたらしい。
林道上部にはトレースは一切なかった。滑りに一段落ついて里も近くなったので、岩の下沢の岩壁を見ながらカップ麺を食べ、コーヒーを飲んで寛ぐ。冬山で沢音のBGMを聴くのもいいものである。
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休憩が終わり、砂防ダム建設時に使用され、その後は放置されている荒れた林道を滑る。
クラストの上に薄い新雪が載っているものだから、滑る滑る。薮や落石、倒木や崩落箇所があり、右側は崖なのでスピードが出ては困るのである。かえって制動を効かせるのに苦労してしまった。
特に夏場でも危険を感じる、この法面崩落地点。慎重に足場を固めて通過した。
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林道滑りの最終章でスノーシューのトレースと合流する。その先で整備された林道に出る。後は広い林道を大きなターンで滑って、R286の登山道看板がある地点に降り立った。そこからスキー場までの500mは国道を歩いた。

今回は厳冬期における雁戸山の雄姿を見ることが、一番の目的であったけれど、その点は満たされないものがあった。でも小粒なルートながら、高差940mを滑れたことには満足できた。
次は雁戸山の山頂を踏み、坂元沢を滑ってみたいと夢が広がるのである。でも西茶畑ピークで出くわしたカリカリの雪質を考えると、雁戸山への急登はアイゼン必携になると思う。


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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
なんだあー、ドライパウダーが20cm!
至福の滑降を楽しんだあーだとおう! イイことイイこと…
まさかどこか行ってるんじゃあ、と思いのぞいてみたら、やっぱり。
週末の天気はどうだろうね。
タッシー
2009/01/29 15:47
セントメリースキー場はかんじきやスノーシューでは利用できなくなったんですね。
行ってみようかなと思った時に思いとどまって正解でした。
あきらめがついて反っていいかな。
茶畑尾根にスノーシューのトレースがあったようですが、こちらも結構たいへんでしょうね。
雁戸山は午前中にはきれいに見えていて何度もカメラを向けましたよ。


ebiyan
2009/01/29 16:04
またタッシーを出し抜いて行ってしまった
寒さと曇ってきた点で、新雪が腐れずにパウダー三昧だったよ。
週末は荒れ模様の天気になりそうだねぇ〜。でも土曜日は予定が空いてるよ。
SONE
2009/01/29 17:30
ebiyanさん今晩は。セントメリースキー場で「登山に来た!」と言った途端に、「スキーとスノボ以外は駄目!」と念を押されてしまいました。その事を知らないで、現地に行ってから登れないとなるとショックが大きいですよね。
茶畑尾根は標高差はありますが、急登やアップダウンが少ない尾根なので、スキー場ルートより意外と登り易いかもしれません。但し体力勝負のところはありますが・・
最初はebiyanさんと同じに、刈田方面に登るルートも考えたのですが、そっちの方が展望の点では良かったと思います。でも存分に滑れたから、まあいいか!
SONE
2009/01/29 17:43

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