東北の山遊び

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zoom RSS 2009.2.11 清水倉森から鈴倉森(宮城・虎毛山塊)

<<   作成日時 : 2009/02/11 20:50   >>

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何か、最近眠っていた低山薮山熱に再び火が付いてしまった。「ネット検索や山岳雑誌に全く紹介されないマニアックな薮山に登って何が面白いの?」と言う疑問を山仲間に投げかけられるが、地形図を眺めて自分なりのルートを決め、そして一日歩いても誰にも会わない静寂の山歩きが堪らなく面白いのである。
今回は宮城県北西部:秋田県境に近い鬼首地区の山に登ってきた。深いブナの森を堪能できる山であった。

【 2/11 清水倉森(950m)から鈴倉森(925m) 宮城・虎毛山塊 】
鬼首:芦沢地区〜556m三角点峰〜630m独標〜清水倉森〜鈴倉森(往復)

火山のカルデラ地形と言われている鬼首環状盆地。中央火口丘の荒雄岳を江合川が半時計回りに取り巻いているが、清水倉森はその外輪山の北側に位置する山である。
今回はネット検索で登山実績を調べてみたが、仙台YMCA山岳会が過去に”県境の竹ノ子森から清水倉森に下った”と言う記述しか見つからなかった。現在の第二次登山ブームの中でも全く見向きもされない存在なのである。

本当は相棒のタッシーと登る予定であったが、朝、彼から「一昨日切開して取った背中のイボに、装備を入れたザックが当ると痛いんだよねぇ・・・」とお断りの電話があり急遽単独で登る事になる。

芦沢地区にある車道左の路側帯に駐車し、午前9時15分登山開始である。
車道の西側には須金岳猪の倉沢の雪崩地と、左には宮城県唯一の天然杉の自生地である自生山が見える。
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最初はブル道を辿る。積雪は50cm程度。予想通りのモナカ雪。スノーシュー履いても10cmは潜る。
杉の造林地を緩登するが、途中から左側にある尾根に乗り上げる。尾根の左は雑木林。明らかに道が存在している。556m三角点峰の手前から右側に雪庇の張り出した尾根の登りに変る。
この付近で谷の奥に目指す清水倉森と鈴倉森の姿が梢越しに眺められる。
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標高570m付近は平坦な杉の造林地が400mほど続く。慣れない方には不安になるほど視界が利かないが、あくまで北の方向を目指せばよい。

ところで清水倉森は”すずくらもり”と呼ぶ。東北地方では訛りで”し”を”す”と発言することが多い。
また蔵王坊平高原にある”お清水”は”おしず”と呼ばれているので、”すずくらもり”の山名も東北訛りから来たものであろう。そうすると南側に位置する鈴倉森は??? おそらく三角点の点の記の名称を付けるときに、地元の方に確認したら”すずくらもり”と言っていたので、”鈴”の漢字を当てたものと推論される。
そう言えば、花山の大荒沢ダム(地震で大規模な地滑り被害があった)の西側に”鈴ヶ森”がある。この山の山際にコンコンと清水が湧く池があった。池から溢れた水が小さな急流となって流れ出していて驚いた経験がある。
この山名も”清水=すず”が”鈴”に置き換えられたものと思う。

そして待望のブナは600mコンタ付近から現れ、山頂までずっとブナの巨木林が続いていた。
この斜面は低木薮も少なく、山スキーには持って来いの場所であった。でもモナカ雪なので今回はスキーじゃなくて正解正解。
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680m付近では北西側に片倉森の鋭峰を眺めることができた。東側のヤセ尾根は通過が難しいであろう。
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東側の雪庇の上から南東方面を見ると、大平山や平岳などの低山が見渡せる。
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830m付近は右に雪庇の張り出しが大きい。一部雪割れも出ていた。雪庇越しに鈴倉森を見る。
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南側には左:ツクシ森、右:山王森の中央火口丘を形成する山々が見える。入り組んで複雑な山々である。
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南西方面にはカルデラ外輪山の主峰:禿岳(左)と中の沢の頭(右)がアルペン的風貌で遠望できる。
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850mコンタで尾根が右に曲がると、雪庇越しに清水倉森の全貌が見えた。ブナに覆われた優しい表情の山だ。
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山稜は東西に長く、ブナの森の逍遥といった雰囲気で心が落ち着く。
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しかしなかなか西側や北側の展望が得られない。そこで左側の急斜面の縁を歩いて展望が利く場所を探す。
先ず秋田県側の臼ヶ岳の鋭鋒を眺められるポイントを発見。
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おおっとっ・・・その先で虎毛山塊の主峰:虎毛山が真っ白いドーム状の山容で顔を出した。
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そしてブナの木以外何にもない清水倉森山頂である。正に森の名称に相応しい。
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でも山頂は南東方面だけ僅かに展望が開けていた。文字三山が遠望できる。
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ここから南側に位置する鈴倉森までは約800m。多少のアップダウンはあるが、明るいブナの疎林の森を歩く楽しさに満ちていた。
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鈴倉森山頂は南東側のみ展望がある広場といった雰囲気。この山頂から根松集落まで下る尾根もあるが、一部で複雑な尾根筋なので今回は下るのをやめ往路を帰ることにする。

もうお昼を過ぎたので、清水倉森までは尾根の左側を歩いて須金岳が見えるポイントを探す。
そして一箇所だけポッカリと展望が開けた場所を発見。須金岳の東面が抜けぬけと見える。
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標高900m足らずの低山なので寒さは全く感じないランチであった。カップ麺とおにぎり&コーヒーの簡単な食事を食べて落ち着く。主要国道から離れているので車の騒音は聞こえない。木々を渡る風の音が返って静寂感を強くしていた。

清水倉森の直下で右斜面に少し下ると、山頂だけ雲がかかった栗駒山が見渡せた。雪をかぶっているので地震の全体の被害状況は把握できないが、秣岳右斜面の崖崩れ箇所のみ確認できた。
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再び清水倉森山頂に戻る。この周辺にはスキー向きの斜面がゴロゴロしている。粉雪なら最高であろう。
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今回、清水倉森に登ったもう一つの理由は、尾根続きの竹ノ子森までのルートを偵察することもあった。
山頂から北西に伸びる尾根は250m下って、鞍部から420mの登りがある。距離は片道約3km。往復に3時間以上はかかるであろう。鞍部から高差100m登った急登の手前に雪壁も確認できた。
何れ歩いてみたいルートであるが、夜明けとともに入山し、装備面でもカンジキ&アイゼン&ピッケルが必要と思われる。須金岳からはキレットの通過が怖くて躊躇していた竹ノ子森と山猫森へのルートが把握できたのは大きな収穫であった。それにしても須金岳の前衛峰とは思えないソリッドな山容の竹ノ子森である。
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雪質がクサレ&モナカの悪雪にも係わらず、山頂から高差350mのブナの疎林を、スキーではなく歩いて下ったのは誠に残念であった。斜度が25度以上ある、ネジレの少ない最高の斜面が多いのである。
しかし下部になるとモナカ雪の踏み抜きが深くなり、スノーシューを引き抜くのに非常に力がいる下りとなった。車に帰り着く頃には股の内側の筋肉が悲鳴を上げ始めてしまった。

しかし振り返ってみると、清水倉森山頂は大展望に喝采を上げる山ではないが、ところどころで垣間見る付近の山々の姿が逆に印象に残る山であった。赤布のマーキングが一切ないのも渋山度が非常に高い。(笑)

GPSログじゃないけど、地図に軌跡を記入しました。休憩時間を入れた往復行動時間は4時間5分です。
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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
soneさん、お疲れさまでした。
藪山徘徊の楽しいレポート…
ブラボーです

それにしても、
ブナ林って、冬なのにどうしてこんなにも心を暖かく癒してくれるんでしょうかね?


lison
2009/02/11 21:36
いい天気の鬼首でしたね。
それにしても、未知なき道をね…。
今日、山形の帰りに松沢山入り口を確認してきました。
最後の民家の所に車を置いて登り、左に巻くですね。
スズ7
2009/02/11 22:11
lisonさんご無沙汰でした。
最近凝っている雪の薮山徘徊ですが、実は新規のツアーコース偵察の意味も兼ねているんです。BCブームなので有名コースでノントラックの斜面を探すのは難しいですから。
でもこんな無名の山レポを楽しんで頂いて恐縮です。
でもlisonさんが言われる通り、ブナ林は季節に関係なく心を癒してくれますね。
SONE
2009/02/11 22:49
スズ7さん今晩は。
天気予報では午後から曇りのはずだったんですが、鬼首は穏やかな天候でした。
未知なき道とはうまい表現ですね。この路線しばらく続けて行くかも・・・
松沢山は放射冷却で堅雪踏める時が、楽に登れるチャンスですよ。
3月中旬までが適期と思います。
SONE
2009/02/11 22:58
イボリンです。ぶ厚いガーゼ等の処置を交換したら、スッキリ。
もうザックが当たらなくなりましたよ(苦笑)
週末は大丈夫だと思われますー
タッシー
2009/02/12 14:39
とっても気持ちのよさそうなブナ林のすばらしいコースですね。
さっそく行ってみたくなりました。
地図で探せるかな〜と下まできたらうれしい地図付き。
宮城県の山でガイドブックに載っている所は残り少なくなってきましたが
SONEさんがどんどん教えてくれるので、一生心配しないでよさそうですね。
ebiyan
2009/02/12 17:12
イボリン・タッシーさん今晩は(爆笑)
やっぱり医者の言う事は正しかったねぇ。
無理して行って患部が化膿したらヤバかったと思うよ。
でも良くなったみたいなので何より何より・・・
SONE
2009/02/12 19:45
ebiyanさん今晩は。
須金岳を東側から眺めるのが主目的で登った山でしたが、
行程の半分以上でブナ原生林を楽しめるとは思ってもみなかったです。
地図はGPSログじゃないけど、少しは参考になったみたいですね。
宮城県は決して山岳県とは言えませんが、未登の山は無限大にありますね。
地形図眺めながら、新規開拓の山やルートを探すのがとても楽しい一時です。
SONE
2009/02/12 19:59

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