東北の山遊び

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zoom RSS 2009.2.22 高梨山から大黒森(宮城・南三陸)

<<   作成日時 : 2009/02/23 00:38   >>

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高梨山と大黒森は女川町と石巻市雄勝町の市町境にある山で、管理された登山道が無く、一般登山者にはまったく顧みられていない山である。
しかし指ヶ浜から高梨山〜大黒森〜435m峰〜303m峰〜314m三角点峰〜御前浜に至る全長11kmのコースは里山とは思えない長大なルート取りが可能である。

【 2/22 高梨山(305m)から大黒森(383m) 宮城・南三陸:硯石エリア 】
指ヶ浜〜かっぱ農場〜高梨山〜358m峰〜大黒森〜435m峰〜303m峰〜314m三角点峰〜キレット手前〜御前浜

本日はebiyanさんお手製の「きりたんぽ鍋」パーティが一番の目的である。そこで今回初登場のスズ7さんも誘って、ポカポカ陽気が期待できる山として、SONE以外は歩いたことの無いこのマニアックな山をチョイスした。

SONE車を御前浜のドライブイン一休前にデポして、スズ7さんの車で取り付きとなる2km離れた指ヶ浜に向かう。
浜の住民は突然現れた登山装備の面々に驚いた様子。

指ヶ浜からは1/24に登った護天山と御殿峠が御前湾越しに眺められる。海抜0mからの登山である。
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歴史を感じさせるスレート瓦屋根の家が多い指ヶ浜の集落内を歩くと、正面に目指す高梨山が見える。
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以前は大きなりんご園であった”かっぱ農園”であるが、りんごの木の大半は伐採されていた。採算が合わなかったのであろうか? 
その傍には紅梅と白梅が咲き始めている。宮城県では今年初めて見る梅の花であった。
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農園の住宅の横を、声がけして通していただき杉林の登りとなるが、高差50mほどで雑木林の中の踏み跡を辿るようになる。藪は薄くとても歩き易い。
左側に桧の植林地を見る緩登を過ぎると、尾根筋がハッキリした急斜面の登りである。
林床に低木が少ないスッキリした雑木林の登りが続く。梢越しに出島や金華山や、光る海原が見えていた。
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高梨山の頂稜には簡単にたどり着いた。雄勝側には石峰山や小富士山の姿が樹間から見えてくる。
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作業道が北西側から登っている高梨山の山頂は、冬枯れの雑木林に囲まれ明るい雰囲気の場所である。
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この山頂から368m独標手前にあるNHK中継局アンテナまでは、登山道と見紛う程の手入れされた道となる。
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368m独標からの下りはヤマツツジの薮が少し濃いが、ちゃんと踏み跡は確認できる。
大黒森の手前でウスタビガの繭を見つけた。枯れた風景に中で、この緑色は鮮やかな色彩であった。
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赤松の倒木が多い大黒森の山頂には、三等三角点と文字が判別し難い石碑があった。
昔は神聖な場所だったのかもしれないが、現在は薮に埋もれた寂しい場所である。
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そこから穏やかに下って、再び登り始める直前で、突然右手から走り去る雄鹿の姿が確認できた。
その先にある尾根のT字路までは、南側斜面が尾根付近まで伐採されていて薮っぽい。
北側斜面の獣道を歩いてT字路まで歩くが、以前は顕著にあった作業道は廃道同然となっていた。
T字路から薮漕ぎで南西方面に歩くと、土塁が現れて作業道が再び出現する。

昼近くになり、お腹が空いたので広い尾根の、風が当らない陽だまりの場所で待望の鍋パーティが始る。
ebiyanさんに料理していただいた比内地鶏の「きりたんぽ鍋&うどん」と、スズ7さん持参の「鯨缶詰&タンカン」はとても美味しく最高のアウトドア料理であった。(お二人にはこの場で感謝申し上げます。)
何時もタッシーと食べているパック鍋&おにぎりとは次元が違い、お代わりしてお腹が一杯となってしまった。
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気の合った山仲間と美味しい料理に囲まれ、ゆったりとした時間を共有できた温もりを感じる雑木林。
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お裾分けをもらって大満足。ポカポカ陽気に少し眠くなってきたアウトドア犬:サクラ。
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そしてこの行程で最大の謎:土塁沿いに続く桧並木。市町境に1km以上の長さで延々と続いている。
一体誰が、どんな目的で植えたものであろうか?
「伊達家が植えたものだ!」とか各自の意見がバラバラであったが、とっても不思議な風景である。
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この桧並木の右:北東斜面はコナラの美しい雑木林が広がる。
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435m独標から南に400mほど歩いた石投山分岐のピークは薮に覆われていて、南尾根に下りるルート判断が難しくなっていた。ルートを間違えた事にすぐ気が付いて修正する。

そして皆んなが一様に驚いた3km弱続く、広い防火帯の歩きが始る。
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以前歩いた時は下草が全く無い”高速道路みたいな登山道”の表現が一番似合う防火帯であったが、’06/9月に三陸沿岸を掠めるように通過して、各地に甚大な被害をもたらした爆弾低気圧の影響からか?至る所に倒木が出現し、かつモミジイチゴの棘薮が生え始めてきて、無意識に足を進めることは不可能であった。
(この爆弾低気圧、近隣にある出島の東海岸で漁船が座礁し、多くの尊い人面が失われたのでも有名である。)

倒木は根が浅い針葉樹である赤松と杉に集中し、防火帯を橋渡しにして歩く邪魔をする。左右の林に巻きルートを求めざるを得なかった。これでは防火帯の役目は果たしていないであろう。

やがて女川の町が見下ろせる314m三角点峰手前まで来ると、背後に石投山と右奥に硯石山が見えた。
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そして本ルートの最大の難所:キレットに出る。今まで尾根が広く、穏やかな防火帯の歩きが一気に途切れる場所で、キレットと言うよりもヤセ尾根部分の両斜面が山抜け崩落したと思われる。
東側の斜面は脆い岩場が露出し、手前は土壁となって正面突破は無理な状況である。
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でもこの場所は本日で唯一展望が開ける場所でもある。南側には金華山や寄磯半島など牡鹿の風景が見える。
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眼下には登山口であった指ヶ浜(左)と、これから下る御前浜(中央)が俯瞰できる。
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最初に登ったピークである高梨山が遥か遠くに見えて、長い行程であったことが実感できる。
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さて、キレットをどの様に通過するか?以前歩いた時は12月の沈む太陽と追いかけっこして、仕方なくキレット手前の左斜面の密薮を遮二無二下ったが、本日は実に簡単に問題を解決できた。
林業作業用と思われるが、キレットの左に下る尾根に赤ペンキと赤テープでルート表示され、しかも笹薮が完璧に刈り払われていたのである。これは助かった。

その作業道を沢まで下ると、先頭を歩いていたSONEは思わず飛び上がってしまった。
なななな・・・なんと白骨化した雄鹿が横たわっているでないの!
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いままでカモシカの骨や遺骸は何度も見ているが、ニホンジカのそれは初めて見た。
でも前足や肋骨が紛失しているのも不思議??? しかも人間が頻繁に歩く作業道で死んでいるのは謎である。

本日もいろいろあったが、女川の石浜〜御前浜間を結ぶ峠越えの車道に出て、山歩きは終了。
そこから車道を10分足らず歩くとデポしたSONE車に戻った。

高々標高300m台の里山で全工程11km、休憩時間を含んだ行動時間6時間もの本格的?登山コースを歩けるのは非常に珍しい。久しぶりに長い距離を歩け、しかもグルメを満喫できた充実した一日であった。
しかし、このコースを歩く場合は最低でも地図読み&薮に慣れている、と言う点が前提となるであろう。

GPSログじゃないけど、MAPにルートの概要を書き込みしてみた。
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コメント(11件)

内 容 ニックネーム/日時
里山で藪のない気持ちのよい道を探そうとすると結構たいへんなものですが
今回のコースは雑木林が多いところにヒノキが混じる気持ちのよいコースが
11キロも続く周回コースとなっていて本当にびっくりしました。
紛らわしいところもあるので地図読みの苦手な私が一人で歩くには無理な
コースだったと思います。案内していただいて感謝感謝です。
走り去るシカや雄シカの骸骨が見れたのはうれしいサプライズでした。
ebiyan
2009/02/23 10:46
最近気になる謎ナゾ:土塁沿いに続く桧並木
木立に身を潜め、槍を構える武者の姿を想像したのは俺だけ?
でも植樹した当時は小さい並木だろうからね…参道でしょうか?
おしゃべりネタが豊富なのは、楽しいね!
タッシー
2009/02/23 11:27
我が家には想像も付かないような山も巡られていますね。
でも、このような日だまりハイク・・・ちょっと気持ちよさそう。ただし、最後の白骨死体は衝撃が強過ぎかも。

この土日は、まったく予定が立たずでしたので、二人きりで神龍ケ岳と家向山・巽沢山散策でした。土日で正反対の天気でしたが、どっちも楽しめましたよ。
Mt.Racco
2009/02/23 12:19
ebiyanさんこんにちは。
今回のコースは数ある里山の中でも、特にお勧めできる隠し玉でした。
緩やかなアップダウンが続き体力的にも楽ですし、雑木林が秀逸なところも評価が高いですね。あの雄鹿の遺骸は先頭を歩いていて思わず飛びのいてしまいました。(苦笑)
ところで「きりたんぽ鍋」とても美味しかったです。下ごしらえから調理までして頂き有難うございました。今度は焼肉でもやりましょう。準備は私とタッシーでやりますから・・・
SONE
2009/02/23 12:30
タッシーこんにちは。
土塁沿いに続く桧並木に「槍が刺さった跡でもあるんじゃない!」 なんてタッシーは言っていたけど、まさか200年以上前のそんな痕跡が残る訳ないと、内心笑いながら聞いていたのは俺だけ・・・
確かに参道のような気もするけど、登りついた435m峰には社殿跡も無いし?
ところであの雄鹿の遺骸、どうも密漁されたような気がするんですが???
里に近い山だと本当に面白ネタが尽きないね。
SONE
2009/02/23 12:53
Mt.Raccoさんこんにちは。
しばらく雪山はお休みと思っていたら、意表を付いてイイ山に行かれてましたね。
やはりスイスネタより、Raccoさんには会津の薮山がお似合いです。(笑)
宮城の山は、リアス式海岸の大海原を見下ろしながら陽だまりハイクできる所が多いのです。
最後の白骨死体は本当にビックリしました。衝撃が強過ぎてスイマセンです。(苦笑)
SONE
2009/02/23 13:03
高梨山は表示されているけれど…あとはどう行くのだろうって???
行程を説明いただき周回なるほど、これは登りがいあるでぇ〜。
スレート瓦、梅、雑木林、石標、雄鹿、鍋パーティ、桧林、土塁、防火帯、キレット、鹿骨…いい思い出の初登山でした。皆さんに感謝です。(^O^)
スズ7
2009/02/23 20:21
スズ7さん今晩は。とても楽しいグルメ登山でした。
こう言うマニアックな山でまったり過ごすのも中々面白いものでしょう?
管理された登山道以外の薮山低山を一緒に歩くと、お互いの連帯感が違ってきますね。
これからも渋山で宜しければ、喜んでご一緒いたしますね。(混雑する山は苦手なので..)
SONE
2009/02/23 21:08
初めまして女川在住の山好きです。
このブログに誘発され、先日石投山とキレットの現状を確認に行ってきました。3年前には快適な山行でしたが、今回の予想を超える荒れように驚いています。この火防線は毎年刈り払いが行われ、倒木などもきれいに処理されておりましたが、2年前からは放置されたままのようです。かつてはこの火防線の手入れが御殿山で続いておりました。
キレットの通過についてですが、東面は写真の左側に踏み跡があり問題なく上に出られます、この先も火防線で例の林道の展望台近くに出ます、さらに林道を進み下りにかかるところからクマザサの尾根に登れば御殿山へと通じます。キレット西面は崩落が激しく、下降はかなり危険が伴います、ロープやザイルがあれば大丈夫でしょう。ちなみにこのキレットは昔のスレート原板の採掘場で、40年前まで操業していました、今もトロッコのレール跡や、作業小屋の石組み土台など残っています。(石投山は続きで)
nobu
2009/03/28 16:13
石投山へのコースについては、十分に歩行可能ですが、今の時期だけでしょう。かなりやぶっぽい道の連続ですが、尾根筋を忠実にたどれば古いテープなどもあり問題ありません。かつてはここも火防線もきれいな芝生の快適なコースでしたが、もう40年も昔の話です。往時は山頂で初日の出を拝したもので、山頂からの360度の眺めは壮観でした。街の明かりを肴に初日の出を待った懐かしい場所です。今は尾根筋も山頂もまったく眺望は得られす、ただ只管藪をこぐのみです、山頂からは南に下山ルートを取るのが無難でしょう、ここも尾根筋を忠実に、やがて伐採現場に出て、広いアスファルトの林道を15分ぐらいで部落の外れに出ます。以上偵察報告まで。
nobu
2009/03/28 16:22
nobuさん始めまして。拙ブログにご訪問&コメント有難うございます。
私も火防線歩きの快適さをメンバーの皆さんに味わってもらおう、と今回の山行を企画したのですが、倒木が延々と続いて悲惨な状況にびっくりしました。
穏やかな尾根で突然出現するキレットがスレート原板の採掘場だったとは初めて知りました。
これでやっと普通の里山では考えられない地形の成因が分かりました。
以前歩いた時はキレットの巻き道が定かではなかったですが、今回は赤テープのマーキングが付いていて道の判別ができました。
石投山へのルートは私も薮漕ぎで歩いた経験がありますが、あの薮薮の山頂から昔は360度の眺めが得られたとはとても想像が出来ないです。
いろいろ偵察されたご報告と、貴重な女川の山情報を頂き本当に有難うございました。
今後とも宜しくお願い申し上げます。
SONE
2009/03/28 19:35

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2009.2.22 高梨山から大黒森(宮城・南三陸) 東北の山遊び/BIGLOBEウェブリブログ
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