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zoom RSS 2009.2.28 フスベ山(宮城・蔵王連峰)

<<   作成日時 : 2009/02/28 21:25   >>

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フスベ山は宮城県南の七ヶ宿町にある寂峰である。夏道は存在せず、取り付きの林道からの標高差は760m。
宮城・山形県境から約3km南側に位置しているため、登ったと言う記録も少ない。
一般的には蛤山から(小深沢を取り巻くように)伸びる林道からアプローチする場合が多いと思われるが、今回は南尾根を辿るルートでチャレンジしてみた。

【 2/28 フスベ山(1221m) 宮城・蔵王連峰 】
古河林業作業小屋〜619m独標尾根〜南尾根〜973m独標〜1076m独標〜フスベ山〜南西尾根経由:986m独標〜800m林道出合〜林道を下って:古河林業作業小屋

この山は以前から気になっていた山である。四周を取り囲む、蛤山、番城山、二ッ森山、毛倉森などの山に登った折に、そのドッシリした山容を見て何時かは登ってみたいと思っていた。
そして宮城県内において標高が1200mを越えると言う点も充分に登る価値がある。

しかしながらフスベ山とは変った山名である。ネット検索してみると下記の説明を見つけた。↓
【名前のフスベは「いぶす」「くすべる」「熱湯処理」の意味がある言葉なので沢に山腹を深くえぐられた形状が「かまど」に似ているところが由来なのではと想像しています】

七ヶ宿町の中心部:関地区からR113を少しの距離を西進すると、白石川を渡って大深沢に沿った道に入る。
途中から林道になるが、古河林業作業小屋までは除雪されて簡単に入ることができた。地形図で462mポイントがそこである。

駐車地点は杉の造林地に囲まれ、現在位置の確認が難しい。フスベ山南尾根に乗り上げるコースは、619m独標尾根南の小沢を登る予定であり地形図を慎重に読んで登山を開始する。積雪が少なく(無い箇所もあり)登り難い。
適当に歩き易い所を登っていると、やがてブル道にドッキングする。付近は杉の伐採斜面に変り展望が開ける。
背後には峠田岳が一望できる。ここで間違いないルートを登っていることが判明する。
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小沢を忠実に辿るが、何度も雪を踏み抜いてしまい嫌気が差してくる。そこで左側の雪がない急斜面を強引に登って619m独標の上部に出る。赤松交じりの雑木林が続くこの尾根には踏み跡があった。
尾根が緩登になると再び暗い雰囲気の杉林になってしまう。
しかし850mコンタ付近で南尾根に出ると雑木林の疎林になりパッと明るい風景に変った。
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小深沢側に雪庇が張り出す尾根を忠実に登っていく。雪堤上からは東側に蛤山を眺めながらの登りだ。
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973m独標まで来るとフスベ山の姿が初めて見えてくる。
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しかしここから高差50m下降しなければならないが、シロヤシオや低木の薮が比較的濃いため、踏み跡も途絶えがちとなる。帰りには通過したくない場所である。
鞍部に降り立つとビックリ。鞍部直下の西側に地形図にない林道が登ってきている。それに西側一帯はカラマツの植林地となり、尾根上のブナが枯れ初めていた。
1076m独標への登りは結構急で、キックステップでジワジワと登って行く。振り返ると973mが低く見える。
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誰も登る人などいないコースと思っていたら、登山者のものと思われる赤テープのマーキングが鞍部から続いている。尾根筋が顕著なので、何もここまでマーキングしなくても・・・と思う位に付いていて一寸興ざめ。
1076m独標から高差20m下って行くと、周辺はブナの原生林になり心が落ち着く。
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ブナの原生林を気分良く登っていると、山頂が近づいてきた。しかし東斜面のブナは山頂近くまで皆伐されていた。でもそれ故に今までの行程で梢を透かしてしか見えなかった蔵王連峰の巨峰群が一望できる。
まず中央蔵王の熊野岳と刈田岳。
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そして至近距離に見えるのはアルペン的風貌の南屏風岳から不忘山。
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10倍程度の双眼鏡を持っていったら、登っている登山者も確認できたかもしれない、そのアップ。
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モナカ雪を踏んで山頂に到着する。そこには山頂標識はない。ただ赤テープと境界見出標があるだけ。
登りだしから2時間30分。累積標高差830mの登山であった。
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山頂には冷たい風が吹きぬけていたが、北東側に25m程度下ると中央〜南蔵王が一望に出来るビューポイントを発見。少し寒いけれど、この場所でランチタイムとする。この素晴らしい景色を眺めながら飲むビールの美味いこと。
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大観に酔いしれていると時を忘れてしまう。今日は単独行なのに30分以上も休憩してしまった。
帰りは少し寄り道して 2年前の3月に登った二ッ森山 の姿を見たくて県境尾根方面に少し下ってみる。
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再び山頂に戻り、地形図を取り出して帰りのルートを検討してみる。どうも南西尾根を下った方が面白いと判断。
気温が高くなってきて雪がぬかりそうなので、迷わずにカンジキを履く。

南西尾根の下り始め部分から、峠田岳と吾妻連峰が一望に眺められた。
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本日は梢を透かしてしか見えていなかったが、大深沢対岸に位置する番城山もやっと頭だけ見えた。
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この南西尾根下りは大正解。雪堤が広く山スキーに最適な斜面が続く。大雪が降った年なら充分滑れるであろう。
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986m独標まで降りると、登りのときに通過した973m峰と尾根直下を貫いている林道が見える。
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調子よく下っていると850mコンタ付近で雪が消えてしまった。カンジキを外したついでにコーヒータイムとする。
風が当らない斜面では身体がポカポカするほど日差しが温かい。

雪消えの尾根であるが薮は薄く下りやすい。地形図見ると尾根に最下部に急斜面が待っている。
気を引き締めなおして歩を進めていると・・・・・アレレ・・・・・800mコンタ付近で林道が出てきちゃった。
そうなると人間、安易な道を辿るもので、幾重にも枝別れする林道(ブル道)の低い方を選んでドンドン下った。
途中で小さな沢を渡る箇所もある。汗で塩辛くなった顔を洗ってスッキリする。
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林道の積雪量は10〜20cmと非常に少ない。日の当りが良い場所では消えていた。その為に夏道と変らぬ速度で歩ける。大深沢林道にブル道が合流すると、古河林業小屋近くに駐車した愛車は近かった。
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全工程5時間弱であった。そんな早いペースで歩けた理由は薮が薄く、しかも堅雪を踏んで歩けたからに他ならない。大雪でラッセルがキツイ場合には、この1.5倍以上の時間がかかったであろう。

しかしながらフスベ山を顧みると、東と西の両面からブナが山頂近くまで伐採された満身創痍の山であった。
伐採の恩恵とも言える山頂での大観を喜ぶとは、自分の内での自己矛盾を感じざるを得ない。
七ヶ宿町は林業で成り立っている町なので否定はできないが、大深沢源流の県境尾根に至るまでブナが一網打尽に皆伐されている現状を見ると、とても悲しい気持ちになってしまうのである。

GPSログじゃないけど、地図に軌跡を記入しました。
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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
soneさん、ご苦労様。
良い山ですね。

世の中いろいろありますが、めげないで頑張りませうf(^^;)
雪のある季節に登るブナの森って
実に日本的美に溢れていると思います。
でも、現実は厳しいのです。

なんのこっちゃ(オロオロ)


lison(酔)
2009/02/28 21:53
lison(酔)さん今晩は。
お互いにブナの美しさに共感を覚えるみたいですね。
ブナの原生林に入るとほっとするのは、縄文時代からの血が受け継がれているからかな?
>でも、現実は厳しいのです。
本当にそう思います。蔵王国定公園以外の地域で、かつ民有地なので見事にバッサリやられていました。熊棚も一箇所しかなく、他の動物の足跡も少ない。山頂付近に現存しているブナ林だけでも残してほしいと願うばかりです。
SONE
2009/02/28 22:42
soneさん
お早うございます。と、言ってももうどこかの山へ入ってましかな。
昨日は最高の天気で、羨ましく空を眺めていました。
フスベ山からの蔵王の展望は素晴らしいですね。(^O^)
良い山ですね。

スズ7
2009/03/01 08:00
スズ7さんこんにちは。この週末はお仕事ご苦労様でした。
昨日は天候が良かったので残念でしたね。
フスベ山は自然度という点ではイマイチでしたが、西側から至近距離で蔵王を眺められる点では、一番の山という印象を持ちました。危険箇所も少ないのでお勧めですよ。
SONE
2009/03/01 17:34
フスベ山行記録拝見致しましたのでご連絡致します。
・山林入り口に掲示されている通り、社有林内への無断立ち入りはお断りしています。(通年)
但し、往路で通った尾根は国有林(東側)との境界ですので通行は可能です。
・尾根部に残されているマーキングテープは、一昨年に発生した遭難者捜索時に山に不慣れな消防団員達の為に印されたもので、登山者用のものではありません。
・前述の通りフスベ山東側は国有林です。当社でブナをバッサリやったのは半世紀以上前の事で、現在は人工林のみを収穫対象とし群状択伐・間伐で伐採事業を行っています。山頂付近にあるトチ・ブナの原生林は環境保全・事業採算性等の観点から伐採計画は有りません。
又、歩きやすい尾根部は元々生物多様性の乏しい場所です。山腹・沢部で仕事をしている私達は熊・カモシカ・兔・栗鼠等と結構な頻度で遭遇しています。

登山目的であっても当社山林に立ち入る場合はご連絡宜しくお願い致します。

古河林業且オヶ宿林業所
2009/05/15 08:39
古河林業且オヶ宿林業所様、コメント有難うございます。
ネットでの事前情報をまったく取らず、地形図だけでルート選定したので現地に行ってから社有地と分かりました。連絡もせずに社有地内に立ち入った事申し訳ございません。
確かに人口林の択伐・間伐作業を行っている時に登山者が付近をウロウロと歩き廻っていたら危険この上ないと感じます。万一遭難した場合も地元と御社に多大な迷惑がかかりますね。
あの赤テープは以前発生したキノコ狩り目的の遭難者の捜索用だったのですか。道理で一般登山者が付ける頻度よりも多くのマーキングがされていた訳ですね。
でも山頂一帯に残るブナ原生林が伐採されない事を伺い安心しました。県内でも貴重な野生動物のサンクチュアリとして大切にしたいものです。

SONE
2009/05/15 12:53

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