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zoom RSS 2009.3.15 石ポッケから大滝根山(福島・阿武隈山地)

<<   作成日時 : 2009/03/16 11:20   >>

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言わずと知れた阿武隈山地の最高峰:大滝根山。花の百名山にも選定されていて、多くの登山記録がネット上で紹介されている。しかしこの山、山頂に航空自衛隊のレーダー基地があり登った方の評価は余り高くない。
でも今回歩いた夏井川源流部を周回するコースは、至るところに石灰岩の奇岩があり、大滝根山の新たなる一面を見つけた楽しいコースであった。

【 3/15 大滝根山(1193m) 福島・阿武隈山地 】
入新田〜じめじ平〜ヤレヤレ石〜黒石〜石ポッケ〜玉石〜三叉路〜高塚山分岐〜電線下〜大滝根山〜電線下〜高塚山分岐〜三叉路〜水芭蕉の湿地〜びょうぶ石〜天狗のツボ山〜入新田

冬型の気圧配置が強いため脊梁山脈の雪山歩きは取りやめて阿武隈山地を目指す。
今回は相棒のタッシー&サクラとebiyanさんが一緒である。
最初は東山と日影山あたりに登ろうと出かけたが、磐越道を走っていると大滝根山が霧氷を纏って魅惑的に眺められた為、そっちの方が楽しそうなので急遽予定を変更する。

実は二年前にSONEが一人で大滝根山に登った折、夏井川源流の左岸尾根に累々と積み重なった奇岩群が眺められた。そしてその奇岩群の最上部にある玉石まで踏み跡をたどって下ってみたことがある。
すると高塚山まで行く正規の登山道の少し南側に、全く別の登山道が存在する事が判明したのである。
それ以来その道がどこに続いているのか?常に気にかかっていたが、今回はいい機会なので、その登山口を探し出して登ってしまおう!と地図無し&事前情報無しのいい加減な登山が始った。

唯一の手掛りは大滝根山の南山麓に下って行く登山道をこの目で見た事と、尾根上に積み重なる奇岩群のどれかが石ポッケと呼ばれている、その拙い記憶だけである。
三春PAでカーナビの目的地を滝根町の東、大滝根山と羽山の鞍部付近に設定して現地に車を走らせる。

JR磐越東線の踏み切りを渡って暫く東進してゆくと、車道左側に「石ポッケ」と書かれた看板を発見。
左折して少し登ると今度は右側に鋭角に切れる道の入口にも看板があった。
その狭い道(舗装道路)を約2km登ると一軒の民家に突き当たる。そこには8台は駐車可能なスペースがある。
そんな訳で呆気なく登山口が見つかってしまった。

民家の小さな資材置き場の横には「石ポッケ入口」の手作りの看板がある。
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そして正面には、これも手書きの案内図があった。この時点で周回コースである事が判明する。
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最初は枝打ちした枝が散在する歩き難い杉林の登りである。沢状のジメジメしたところを過ぎると右折して急な斜面となる。やがて伐採後の若い雑木林を登るが雪が残っているため道型は探し難い。
今回のコース全般に言えることであるが、登山道の幅が通常のそれより狭く、しかも横枝や笹薮がかかり道を見失い易い。ただし赤テープや古い白テープなどが随所に付いているので、常にそのマーキングを見落とさないのが肝要である。

急登が終わると顕著な尾根に出る。この付近は林床がすっきりしていて好ましい雰囲気である。
案内図に「しめじ平」と表記された場所であろうか?
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その後は昨日降った雪が笹の上に乗っていて、かつ笹刈りが不十分なため、濡れずに登るのが大変な道となる。
清水の看板から右に入ると、ただの小沢の水であった。

緩急取り混ぜて登ってゆくと、最初の岩である「ヤレヤレ石」が出てくる。
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「ヤレヤレ石」を過ぎると、次から次へと見所が出現してとても面白くなってくる。
奥羽山脈では余り見た事ない、複雑に枝分れしたブナが多くなる。その代表格がこの「タコブナ」だ。
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その先にあるのが「黒石」。登山道を左に30m入ると黒い岩の上に出る。
西側から冷たい強風が一気に襲ってきて酷く寒い。直ぐ上の「石ポッケ」などの奇岩群が眺められる。
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南側の展望は手前が羽山。奥に矢大臣山が見える。
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南西方向には蓬田岳(左奥)と日影山(右中間)の展望。
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登山道に戻り、直ぐ上部にある「石ポッケ」を見上げる。写真ではその大きさを表現できないが、4階建てのビル位の大きさと言えば分かり易いかも。
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SONE一人先行して「石ポッケ」の岩場に登ってみる。下ではカメラマン二人が待機している。
一番尖った岩塔の上に立とうと思ったが、折からの強風で危険なため手前の岩場で断念。
でも下を見下ろすと件の二人が蟻んこみたいに小さく見えた。
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ここからはレーダードームがある大滝根山頂がぐっと近づいて見える。
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ところで何で「石ポッケ」と言う名前が付いたのか、登り始めの時点で各自色々な推論をぶつけ合ったのであるが、現地で実際この奇岩を見ると、何とな〜くその由来が分かってきた。
累々と積み重なった花崗岩塊の右側に大きなポケット状の窪み(穴)が空いているのである。
他の名前の付いた奇岩も、その形から単純にイメージした名称が付いている事実からほぼ間違いないと思う。
・・・と断定的な意見を書いてしまいましたが、気になっていろいろ調べてみると、上記の推論が全くとんちんかんな事が判明しました。ここで訂正いたします。
石ポッケ(pokke)の語源は石仏から来ているそうです。石ほとけ→石ボトケ→石ポッケと名称が変化したものなのでしょう。現地でこの奇岩を見た経験から、そう言われると確かに縦に突き出た岩は石仏に見えなくもありません。
しかしながら大滝根山・東中腹にある高塚山(高塚ボッケ・bokke)のボッケの意味は、上記の由来とは異なると思います。現地に石仏風の岩はなく、こんもり盛り上っている山の意味に解した方が正解ではないでしょうか?
いずれにしてもpokkeとbokkeの名称が同じ山中にあるとは・・・誰でも混乱してしまいますね。
あとコメント部分で平成17年の整備としましたが、その点も一寸違っていました。
平成13年に自然ふれあいという民間団体が昔からの作業道を刈り払い&道標整備したみたいで、行政とは関わり無い手作りの道だそうです。シロヤシオの大木が多い尾根ですので、現在の細い道切りは好ましく思いました。


さらに花崗岩の露岩が立ち並ぶ尾根を登っていくと、二年前に訪れた懐かしい「玉石」に出る。
「石ポッケ」を中心とした奇岩周辺はシロヤシオとトウゴクミツバツツジが多く、その開花期に訪れたならば素晴らしい景観が楽しめたであろう。背後には万太郎山の牧草地が白くなって見える。
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霧氷の木々の先には、更に近づいた山頂が見える。
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玉石からは平坦な雑木林の歩きとなる。阿武隈特有の土塁も出てくる。
赤テープのマーキングに導かれて三叉路に到着。以前は踏み跡程度であった大滝根山への道も整備されたみたいである。新たに看板が設置されていた。
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今日の山は積雪量が少ないと思っていたが、それは間違いであったことに気付く。そこから山頂手前の電柱下までの行程は時々膝まで雪を踏み抜く程、積雪は多かった。
高塚山分岐から高塚山を往復しようと考えていた当初の予定は取り止めにして山頂を目指す。
電線ルートは遠回りになるので、レーダー基地の網フェンス沿いの近道を歩いて大滝根山山頂に到着。
そこには峯霊神社が祀られているが、物々しい人口物に囲まれているために雰囲気は良くない。
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神社の直ぐ左手のフェンスまで登ると、フェンスの内側に一等三角点が確認できる。
この一等三角点は年2回ほど一般登山者に開放され、SONEが最初に登ったとき、たまたま開放日に当っていたため、三角点にタッチできたのはラッキー。それは今も懐かしい思い出となっている。
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お昼は当に過ぎているので、電線ルートの陽だまりで休憩する。晴れたり雪が降ったりの、変化の激しい天候であったが、いわき方面の太平洋を遠望しながらゆっくり寛げた。
東の空には低気圧の前線面を縁取る厚い雲の境界線がくっきり見えた。タッシーが「天空の城ラピュタ」みたいだ!と叫んだ。
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お腹が一杯になったので、往路を三叉路まで戻る。三叉路を右折して沢の源頭を通過。源頭の平坦な広場には水芭蕉の看板があった。清水平と呼ばれるこの付近の森は独特の雰囲気がありイイ感じ。
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登山道は先ほど休憩した電線の直下まで続いている。電線から薮漕ぎで下れば僅かの距離だったろう。
やがて夏井川源流の中間尾根を下るようになる。でもこの道は2〜3年刈り払いが入っていないため、一部は踏み跡程度の薮道と化していた。笹の葉に乗っかった新雪で雨具を着ていない下半身がだら濡れになってしまう。

でも「びょうぶ石」などの面白い奇岩が数箇所あり、単調な薮っぽい道の下りにアクセントとなってくれる。
そしてかなり下った地点にある「天狗のツボ山」と表示された岩場は印象的であった。
長さ20m、幅8m程度の白く平らな一枚岩が、一定の傾斜を保って続いているのである。
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その少し先で道は尾根を外れて右の急斜面を下る。小沢に出たところで休憩。
後は杉林を抜け、荒れたどろどろのブル道を下ると入新田の集落に飛び出す。
そこから東に伸びる林道を少し歩くと駐車地点に戻れた。
写真は林道の途中で汚れた長靴を洗っているところ。寒かった山頂と比べて、春らしい光景であった。
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帰路は大滝根山の南にある羽山(970m)の登山口を捜してみた。過去に東尾根から登った記録を見ているが、その地点には踏み跡程度の道しか存在していない。
仕方なく地元の方に伺ってみると「西側から羽山神社への参拝道がある。しかし薮刈りしていないので、薮に覆われてしまった。」との事。でも山頂に通じる道型がある点を確認できただけ収穫はあったと思う。

GPSログ付き ebiyanさんのブログは → コチラ
レーダー基地に関心を示していたタッシーのブログは → コチラ




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コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
よいコースでしたね。
ブナとシロヤシオなどの林も良かったし各岩場からの展望もそれぞれ楽しめて
ひか一のコースでした。
なぜ今までほとんど知られていなかったのか不思議です。
しかし本当にSONEさんはよいコースを探しあてる名人ですね。
私のとんちんかん「石ポッケ」の謎もすっかり晴れてすっきりです。
世話が焼けますね。
ebiyan
2009/03/16 12:37
ebiyanさんお疲れ様でした。
後で調べて分かったのですが、この周回コースは平成17年の開削だったのですね。
滝根町でも大っぴらに宣伝していないらしく、地元の方以外は全く知られていない隠れコースだった様です。でも開削以降は刈り払いが入っていない為、一部で薮薮の状態でしたね。
でも歩いた感想は福島県の阿武隈山地で、最も変化に富む楽しいコースと思いました。
以前この登山道を見つけたのは本当に偶然の賜物ですので、名人への道は未だ途上ですよ。
今度はシロヤシオ&トウゴクミツバツツジ満開の時に行ってみたいなぁ〜。
SONE
2009/03/16 12:58
お早い記事アップですねえ、距離のある運転だったのにオツカレさんです。
山頂手前の背丈の低いブナ林あたり、新緑時にはどうなってるんだろうね?
本当に緑の中に立っている感覚かもなあ…宮崎ハヤオワールドにトリップか!?
タッシー
2009/03/16 15:18
タッシー今晩は。
サーバーの乗り換え作業うまくいったのかな?
記事のアップの早さでは何時ものタッシーの早業にはかなわないよ。
>山頂手前の背丈の低いブナ林あたり、新緑時にはどうなってるんだろうね?
一度その季節に行った事あるけど、奥羽山脈のパステル調の春紅葉よりも、もっと淡い色彩の新緑だったよ。でも花や紅葉の季節に岩塔の上に立ったら気持ち良さそうだね。
SONE
2009/03/16 18:25
見晴らしも良くてとても楽しそうな山ですね。まぁ、soneさん、タッシーさん、サクラちゃんが一緒の山行報告はいつもですが(爆。石ポッケ、初めて知りました。4階建ビル位というとかなりでかい岩なんですね。
ポッケというと三ツドッケとか芋ノ木ドッケのドッケ(突起)も連想しますね。ドッケ→ボッケ→ポッケみたいな感じで。

みいら
2009/03/17 07:59
みいらさん今晩は。
大滝根山はイイ山ですよ。今回の様な見所が多い山では、相棒とともにハイテンションになってしまいますね(笑)
石ポッケは真下から見上げると本当にデカイ岩です。これは見た方全員が驚くと思います。
ところで、みいらさんのポッケの推論は、直ぐ近くにある高塚ボッケには当てはまる語源だと思います。石ポッケの由来を調べた結果、意外と単純な由来でしたので記事面に訂正文を追加しました。
SONE
2009/03/17 17:50
「石ポッケ」の謎ねぇ…なるほど(^o^)
浜には魚のボッケが存在します。
秋口に深みから浅瀬に来て産卵します。
学術名称は「ケムシカジカ」、顔は私みたいにグロテスクでも味は繊細で美味ですよ。
政宗公が食べて美味しいので顔を見たいとびっくりしたそうな。
いい山でしたね。
スズ7
2009/03/17 21:07
スズ7さん今晩は。
あははっ・・・スズ7さんも魚のボッケを思い浮かべたんですね。
訂正文の中に魚のボッケの説明を追加しようか悩んだんですが、一般的に誰も知らない魚名を入れるとさらに混乱しそうなので止めました(爆笑)
母親が牡鹿出身なので魚のボッケは何度も食べていますよ。アンコウみたいにグロな顔と姿の割りに、味は絶品ですよね。以前私が余りにも旨い旨いと吹聴するので、山仲間二人にボッケの刺身と鍋を、居酒屋にお願いして食べさせてもらった事がありました。
西日本出身の二人の評価は・・・フグより旨い!・・・  同感です。 
SONE
2009/03/17 21:27
いつも楽しく覗き見しております。“ボッケ”が気になり、「日本民俗文化資料集成・民俗地名語彙事典」を見ますと“崖”の意味と・・・・・。 まあ、土地々で色々な方言いい方があるでしょうが・・・。参考までに。
とくさん
2010/12/29 09:24
とくさん今晩は。コメントありがとうございます。
いろいろお調べ頂き恐縮です。
この場所はボッケ(濁点)じゃなく○のポッケなんですが、崖の意味から言うと同じかもしれませんね。訛りがそうなった可能性もありますね。
SONE
2010/12/29 19:40
ポッケでしたか・・・。早とちりいたしました。そういえば諏訪、塩尻近くにも似たような「高ポッチ」なる見晴らしの好いお山がありますね。
SONさんのブログは「あかねずみ嬢」つながりでたどり着きました。
とくさん
2010/12/29 23:59
とくさん今晩は。
拙ブログの文字が小さすぎて濁点の判別が難しいのでしょうがないですよ(笑)
塩尻近くの似たような「高ポッチ」の名前は聞いたことがあります。
石pokkeだと読みからポケットを想像しますが、古くからの言葉に英語はないので、やはり崖などの意味かもしれませんね。
今後も拙ブログをご愛顧よろしくお願いいたします。
SONE
2010/12/30 20:02
「石ポッケ山」のブログを発見して、うれしくなりました。10年程前に地元の観光案内の渡辺さんに、連れて行って貰いました。二回目にはミズバショウの苗を20株ほど用意してくれたのを、数人で担ぎ上げて、タコブナの上にある地塘に移植しました。その後確かめに行ったらちゃんと根付いていました。地塘には看板を立ててきましたが、荒らされないように登山道からは目印がありません。登山道路がちょっと広くなっている所の左のブッシュを30メートルくらい入ったところです。
ケンちゃん
2013/10/20 11:54
ケンちゃんさん初めまして。コメントありがとうございます。
今から4年前の記事ですが、石ポッケの道は10年前から存在したのですね。
あまりこのコースから登る人は少ない印象を持ちました。
タコブナ付近に咲くミズバショウを私も見たくなりました。
早春の芽吹き前に行けば見られそうですね。
SONE
2013/10/21 16:02

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2009.3.15 石ポッケから大滝根山(福島・阿武隈山地) 東北の山遊び/BIGLOBEウェブリブログ
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