東北の山遊び

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zoom RSS 2009.3.29 霞露ヶ岳と鯨山(岩手・中部陸中海岸)

<<   作成日時 : 2009/03/31 00:58   >>

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登りたいと願っていても機会を得られず登れない山がある。片道280kmを越える距離にある今回の山々は、一人で高速代とガソリン代を支払って登るには、費用対効果が余りにもなさ過ぎる山と思っていた。
そして低山&マイナー山の故に仲間を誘っても、誰も行きたがらない山だったのである。
しかし今回の高速乗り放題1000円の景気対策は、我々登山者にとっては正に朗報であった。
早速それをフル活用して、長い間暖めてきた二山のダブルヘッダーを敢行した。

【 3/29 霞露ヶ岳(514m) 岩手・中部陸中海岸 】
漉磯海岸〜赤平:421m峰〜霞露ヶ岳〜三角点峰〜鳥居〜漉磯〜漉磯海岸

霞露ヶ岳(カロガタケ)は海のアルプスと異名をとる陸中海岸の中部、船越半島の北端に位置する山である。
風流な名前の由来は、夏場のヤマセの季節、三陸特有の濃霧に包まれる日々が多い山である事から付いたと思わせるものがあるが差にあらず。
実際はアイヌ語の乳房状の山容を示す言葉から付いた山名であるらしい。同様の例として家老山、神籠ヶ岳、鹿狼山、佳老山、加労山などがある。

道の駅「やまだ」を過ぎて右折すると船越半島に入る。ここから登山口に向かうが、大浦集落から北進する林道に入る。途中の分岐を右折すると急傾斜の酷い悪路となってしまった。四輪駆動のRV車以外は通行不可能である。
しかし峠を越えると舗装道路になる。(後で分かった事だが、大浦集落からカーナビに入っていない整備された峰越しの舗装道路があったのである。帰路は当然その道を走行した。)
途中で表参道の登山口を確認するが、そのまま下って漉磯海岸まで降りる。広い駐車場には誰もいない。

漉磯海岸は玉砂利の小さな浜辺で、太平洋の荒波が打ち寄せ、コバルトブルーの海原が広がる隠れ観光スポットと言える。まずは押し寄せる波打ち際まで出てみる。浜に流れ下る小川が玉砂利の中に伏流となって消えている。
ここは正に海抜0m。これから山に登るとは自分でも想像できないプロローグであった。
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北側の山際に登山口がある。霞露ヶ岳まで3.0kmの表示。海をバックの浜辺の指導標は珍しい。
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山に入ると下薮がない赤松林の急登が始る。途中で涸沢を渡るが、付近は花崗岩が露出してちょっと金華山を思わせる場所である。その後は九十九折れで傾斜が均一な登りとなり、余り疲れを感じさせない。

ドンドン登って行くと南側の海岸線が見下ろせる場所に出る。リアス式海岸特有の陰影のある素晴らしい風景だ。
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更に松林の登りが続く。右側は一気に切れ落ちていて、遥か眼下に岩礁に打ち寄せる怒涛が垣間見える。
確かこの直下に赤平金剛と呼ばれる落差350m(陸中海岸最大)に及ぶ赤褐色の大岩壁があるはずなのだが、登山道から眺めることはできなかった。でも凄い高度感がその存在を物語っている。

やがて道の傾斜が失われていくと赤平と呼ばれる421m峰に出る。北東からの海風が寒い。
でも山田湾を挟んだ北側にある魹ガ崎の灯台が確認できた。この地が本州最東端となっている。
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赤平からは小さなアップダウンを繰り返す穏やかな稜線歩きとなる。周囲の植生はブナやミズナラで深山の趣きが濃厚であるが、樹間から海原が見える点が普通の山と違う。そして遠い海鳴りがBGMである。
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山頂近くに見つけたブナの巨木。樹齢200年以上であろう。熊の爪あとも確認できた。
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そして山頂直下にある霞露嶽神社。石鳥居に文化十三年と刻まれている。木色咲耶姫を祀っていて漁師の信仰が厚く、8月15日が祭礼の日とか。背後の大岩が御神体としての岩座なのであろう。
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神社の上にある山頂のは馬鹿でかい山名坂が設置されていて、木立に囲まれた静かな山頂の雰囲気をぶち壊しにしている。展望が無く梢を透かして山田湾や対岸の十二神山が望まれる。
風が吹きぬける山頂は寒いので、南に少し下った地点にある三角点峰まで足を運ぶ。
ここからは南側の展望が少しだけ開けていた。陽だまりのこの場所で昼食とする。
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帰路は参道コースを下る。最初はミズナラ主体の雑木林でこれといった見所もないが、途中から赤松の巨木群が現れて驚く。これ程見事な赤松を見られる山は滅多に無い。

急降が終わりを告げると参道入口を現す鳥居を潜る。
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ここから車道まで500mの距離らしいが、舗装道路を延々歩くのを敬遠して漉磯集落までショートカットする林道に左折する。その先にある分岐は山勘で右折。やがて道は倒木で荒れてくるが、構わずに下っていくとドンピシャ!
シイタケの原木栽培で生計を立てている漉磯集落に出た。
そこからは更に廃道を適当に探し当てて下ると橋の北側に出る。最後はほんの僅かな距離だけ舗装道路を歩いて漉磯海岸に戻ったのである。

胸のすく様な大展望は得られない山であったが、植生の自然度が高く、しかも海と山の狭間で遊べたこの山は、長躯訪れた価値が充分ある山であった。

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さてお次の山は鯨山。大槌町と山田町の町境に位置する鯨山は富士山型をした秀峰である。
山田町は以前は捕鯨業の盛んな町であったらしいが、鯨が口を海面から突き出した様な山容から、鯨供養の神社が出来、鯨山と呼ばれたのではないだろうか?(登った感想から言うと・・・)

でも本当の山名由来は違っているので少し詳しく述べたい。
昔々この地に流行り病があった時、大槌の浜に大鯨が打ち上げられた。村人がこぞってその肉を食べると流行り病は快方に向かった。その時、通りかかった旅人がその肉を分けてもらって旅を続けると、別の村でも流行り病で苦しんでしたので、その鯨肉を与えると病は同じように快方に向かったらしい。
どこでその肉をもらったのが旅人に聞くと、「高くて目立つ山があるところで肉を分けてもらった、まだその山の近くの浜に鯨が打ち上げられているはずだ。」と言う。村人は高い山と鯨をキーワードに探すと件の鯨は直ぐに見つかった。その時より目立つ高い山は鯨山と呼ばれるようになった。との事である。

国道沿いの四十八坂を過ぎてまもなく青少年の家の看板を見つけて右折。僅かな距離でその駐車場に入る。
海岸線からから標高100mも登っていない。標高610mの鯨山山頂までは高さ500m以上はある。
この時点で時刻は午後1時50分。登りだす時間としては遅い。
同行のebiyanさんと登るか否かを協議する。結論は早かった。「折角遠くまで来たのだから登りましょう!」

【 3/29 鯨山(610m) 岩手・中部陸中海岸 】
青少年の家〜リアスの丘〜十文字分岐〜鯨山〜十文字分岐〜大沢川コース経由:青少年の家

青少年の家の広い駐車場には若い男女の登山者が下山していた。彼らは登り2時間かかったと言う。
キャンプ場の左隅に登山口を見つける。そこには分かり難いイラスト看板があった。
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最初は二次林と思う雑木林の登り。時間が押しているため少しオーバーペース気味で登ってしまい、ebiyanさんに苦労をかけてしまう。スローダウン・スローダウン・・・

雑木林はやがて赤松の植林地となり、緩やかな味けない登りが続く。そして冷たい風が吹く稜線に出た。
ここは北西側が伐採され展望が良い。十二神山には雪雲がかかっている。
稜線は防火帯であるが、登山道の範囲のみ刈り払いされて、道の横はイバラ薮である。
何回も小さなアップダウンを繰り返して歩いていくと、いきなり急な下りとなった。
下りきったところが十文字分岐。ここで防火帯は終わり高差260mの登りを残す。

一段登ったところからは鋭峰に姿を変えた鯨山が仰ぎ見られる。高さ&植生は全く異なるが、古寺山からみた小朝日岳に似た山容をしている。
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左斜面がカラマツの植林地に変ると、そこからはロープが張られた露岩交じりの急斜面のヤセ尾根が始る。
所どころに雪があり滑り易い。でも単調だった今までの行程から比べると、俄然面白い登りであった。
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最後の岩場を乗り越すと突然に鯨山神社の横に出る。ここが山頂であった。
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神社の北側の岩場は眺めが良く、最初に登った霞露ヶ岳と船越半島が近い。
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山田湾の向こうには山頂にレーダードームや無線塔が林立する十二神山が望める。この山は一等三角点が鎮座するが、航空自衛隊の許可なくしては三角点にタッチできない。
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鳥居を潜って頂稜の南端にある三角点を目指す。
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三角点横には山頂にそぐわないブロック小屋があり、その東側で休憩する。
南東側の展望が開けて、眼下に波板海岸と打ち寄せる波が見下ろせる。そう言えば朝方にはサーフィンをやっていた若者達がいたっけ・・・
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午後から曇ってきて、西側に連なる1000〜1300m級の北上山地の山並みは見えなくなっていた。
それでも赤松の梢を透かして五葉山のみ、やっと確認できた。近くの山々は馴染みがないので見当が付かない。

帰路は十文字分岐まで戻って、登りのない大沢川コースを下る。最初は大伐採現場の惨状に驚くが、次第に沢の左岸を歩く穏やかな道となった。下部の雑木林に入ると、これまた驚く大規模な原木シイタケの栽培地が出現する。沢水を引いてスプリンクラーにて原木に散水する光景を始めて見た。シイタケも生え始めである。
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大沢川沿いの林道出口から、青少年の家まで少し登り返して長い一日の登山はお終い。
帰りに釜石で海の幸のお土産を購入した。懸念した東北自動車道も普段と変らぬ通行量で一安心。
長い間ebiyanさんも同様に、懸案だった二山に登れて非常に満足できた事は言うまでも無い。
今年は北上山地の山々を訪れる機会が増えそうな予感がする(笑)

今回ご一緒したebiyanさんのブログは → コチラ



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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
どこか遠い所に行ったべなと思ってたら三陸、それも釜石の二山。
頑張りましたねぇ。鯨山は名前だけ知ってましたが霞露ヶ岳は??
それにしても良いところだ。(^o^)
スズ7
2009/03/31 06:31
おつかれ〜、やっぱり釜石方面は遠いね。
海がキレイでシーカヤックで遊ぶには最高の場所でもあります。
無人島渡って海の幸モリモリのキャンプもおもしろいよ!!
タッシー
2009/03/31 10:30
霞露ヶ岳、初めて知りました。もしかしたらヤマセでガスがかかる山なのかなと読み進めたら、なんと私の為に説明して下さったような気がしました(爆。 山の名前はシンプルに山容で名付けられることが多いですよね。鯨山もそのような由来なのかしらんと読んでいたら、またまた記載されてありました。ありがとうございます。
海鳴りがBGMの山登りって素敵ですね。
みいら
2009/03/31 11:54
スズ7さん今日は。
予想を覆す方向の山に行っていました(笑)
釜石まで峠越えの新道が開通したので、運転は楽になりましたよ。
兎に角、海が綺麗!の一言です。今度訪れる時には民宿で海の幸を食べたいものです。
SONE
2009/03/31 17:25
タッシー今日は。
急に行けなくなって残念でした。タッシーやサクラが喜ぶポイント満載の山でしたよ。
でもサクラが重病でなくホットしました。やっぱり歳なんですかねぇ?
海と山の両面で遊ぶキャンプには、これ以上ない絶好の地だったね。釣りもヨサゲです。
SONE
2009/03/31 17:31
みいらさん今日は。
山歩きの楽しみの一つが山名考ですね。その点はみいらさんと指向が一緒です。
>山の名前はシンプルに山容で名付けられることが多いですよね。
本当にそう思います。今回の二山の山名由来も後付された伝説かもしれません?
この日は海が時化ていたので、潮騒と言うよりも海鳴りの表現がピッタリでした。
ブナの森+海鳴り。これはなかなか得がたい体験でした(笑)
SONE
2009/03/31 17:40
SONEさんお世話様でした。
改めてSONEさんのタフさを思い知りましたよ。
自分ひとりで行って2山歩いたら絶対その日のうちに運転して帰って
くるのは無理だった、としみじみ感じました。
海近くの店で買う海産物はおいしいですね。
メカブは細く切ってあって食べやすかったです。
海のものを買うのが楽しみに加わりました。
ebiyan
2009/03/31 18:05
ebiyanさん、お疲れ様でした。
猫を飼っていた関係上どうしても日帰り山行しか出来なかったので、今回の様な日帰り遠征は
得意分野になってしまいました(苦笑)
海とセットの山は海の幸のお土産付きで、家に帰ってからも楽しめますね。
帰宅後にメカブと塩ウニを肴に飲んだビールは最高でした(爆笑)
SONE
2009/03/31 19:59
こんにちは。初めまして。鯨山で検索してここに来ました。
あの〜、たぶん駐車場で会った登山者です、私(笑
あのあと「すごいね〜、今から登るんだ。うちらなら日暮れちゃうね〜」
とか話していたんですが、無事に登頂されたようでなによりです。
あの日は海が綺麗に見えて良かったですよね♪
ちゃってぃ
2009/04/12 20:37
ちゃってぃさん初めまして。ご訪問&コメント有難うございます。
登り始めの時間が遅く、何時もより早いペースで歩きましたが、結構早い時間で下山できました。少し心配をかけてしまったみたいですね(苦笑)
ちゃってぃさんが山頂におられた時間は西側の展望があった様ですが、我々が山頂に着いた時には雪雲に覆われて北上の山々は姿を隠していました。
しかしながら岩手:陸中海岸の海の青さは格別です。宮城の南三陸の青さとは深みが違っていると感じました。遠路訪れて本当に良かった山でした。
SONE
2009/04/12 22:52

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2009.3.29 霞露ヶ岳と鯨山(岩手・中部陸中海岸) 東北の山遊び/BIGLOBEウェブリブログ
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