東北の山遊び

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zoom RSS 2009.9.17 紅葉が始まった月山 (山形・月山)

<<   作成日時 : 2009/09/18 22:36   >>

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私自身、月山で唯一歩いていないコースが本道寺口である。ネット上での踏査記録も少ない。
登山口の口之宮・湯殿山神社からは往復28km、累積標高差2100m、月山では肘折コースに次ぐロングルートだ。
今回は以前から気になっていたこのコースの日帰り往復にチャレンジしてみた。

【 9/17 月山:本道寺コース(1984m) 山形・月山 】
林道ゲート5:45〜登山口6:10〜風吹反射板分岐6:35〜姥像7:00〜郡界分岐7:55〜横道分岐9:35-40〜東沢10:10-20〜本道寺コース分岐11:15〜月山11:50-12:15〜横道分岐13:30〜1340m峰で10分休憩〜郡界分岐14:55-15:10〜姥像15:50〜登山口16:30〜林道ゲート16:55
*休憩を入れない同コースでの一般コースタイムでは登り7時間30分、下り5時間40分です。

近年は姥沢や8合目からお気軽に登る登山者が増えて盛況を博している月山であるが、昔からの参拝道であったその他のコースは静かな山旅が楽しめる。
今回の本道寺コースは見所の少ない地味なコースゆえに、春のスキーツアー以外に登る方はほとんどいない。

本道寺の開基は大同4年(809年)に空海が湯殿山を開基し、同年に保土内(本道寺の地)に草庵を結び月光山光明院と名付け、大日如来を本尊に祀り、従僧弘山を残して旅立ったとなっている。
寛文6年(1666年)に羽黒・湯殿両法流について勝訴した本道寺は真言宗当山派、湯殿山法流40ヶ寺の筆頭正別当、慈恩寺宝蔵院末として多数の僧侶、山伏をようし、一大門前集落を形成した。
本道寺から直接月山に登り、その後湯殿山を参詣し、本道寺に帰る場合と庄内に下るものとがあったとされる本道寺コースは月山山頂までは約14kmあり、途中の休所は夫婦清水―石船―高清水―元高清水―柴明場―御立石―頂上である。
柴明場まで馬をあげ、この他の休所はすべて清水のある場所であった。これらのコースを多くの行者が参詣に向かったので本道寺は行者によって支えられた集落であったといえる。
しかし本道寺は本坊を明治維新の兵火に焼かれ、又部落も明治35年の大火で中心部を焼失してしまったので旧観をほとんど失ってしまっている。

以上の記述は→のHPから引用しました。http://www.yamagata-net.jp/usr/nishikawa1/rokujyuuri/pageu/A0004.html

先週に引き続き、歴史ある古道探索の出発点は口之宮・湯殿山神社である。
早朝、神社の下にある駐車場に乗り入れ、登山準備をして階段を登る。湯殿山神社は歴史を感じさせる重厚な造りをしていて、参拝して本日の無事を祈る。
さて社殿の右側に登山口があるはずだが・・・・・・・ない! 何らの表示もなく、草薮が生い茂った道型らしきものがあるのみ。本当にここが登山口か心配になり、神社から登るのを止める。(約10分の時間ロス。)
車に戻って東側の林道からアプローチしてみると、国道から少し入った所で鉄製の頑丈なゲートが出てきた。
仕方なく道脇に駐車してここから登り出す。(他にワゴン車一台が駐車していた。)

コンクリート舗装された林道を登る。周囲は杉の植林地で暗い雰囲気。しかし道端にはキツリフネやツリフネソウ、ヒヨドリバナなどが咲いていて目を楽しませてくれる。途中の分岐は右へ。しばらく登るとダートになり、その先の右側に登山口の標識を見つけた。ここまで2km強の林道歩きだった。

最初は杉の植林地の登りで、伐採後に放置された日当たりの良い場所に差し掛かると、夏草が繁茂して道を塞ぐ。
ストックでバシバシ草をなぎ倒しながら進む。夏以降の山歩きは夜露対策でストックを持参する事が多い。
やがて尾根に乗り上げると左側に風吹反射板の表示があった。寒河江ダムの通信用に西側の尾根上に国土交通省が設置したものであろう。
この表示を境にブナ二次林となり、しかも幅広い緩登の道となるため歩くピッチが上がる。
時々尾根の左右に展望が開けて飽きさせない。西側に位置する八ッ楯山はブナの葉枯れの被害を受けていた。
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何か先週の長井葉山と同じ道を歩いている錯覚に陥る穏やかな道が何処までも続く。
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一箇所だけ梢越しに朝日連峰が望める場所があった。大朝日岳、中岳、西朝日岳が背比べしている。
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しばらく歩いていると姥像と呼ばれる場所に着いた。33丁目、歴史の道を感じる一瞬である。
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1011m峰の西側を巻いていくと、やっとブナの原生林に入る。樹齢200年を越える巨木ばかりだ。
ひとつ顕著なピークを越えた先にやっと目指す月山の姿が見えた! 山頂はまだまだ遠い。
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途中で一面にカメバヒキオコシが咲いていた。
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郡界分岐が近いと感じたところで小沢を渡る。そこにはオニシオガマが群生していた。
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そして郡界分岐(岩根沢口分岐)に到着。ここからは既踏のコースなので気が楽になる。休まずに通過。
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岩根沢の周回コースは歩く人が多いみたいで、道は少し荒れた感じになる。
1260m峰を巻き終えたところでやっと月山の全景が目に飛び込んできた。9月中旬なのに紅葉が進んでいる(驚)
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月山のアップ。凡そ標高1500mから上部が紅葉の始まるライン。
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1250m峰を下ったところに小規模な湿原がある。以前より乾燥化が進んでいるみたいだ。
次の1237m峰を西側から巻いたあとは、ほぼ平坦な東斜面の道となる。景色がよく鼻歌交じりに歩く。
1340m三角点峰の先に小規模な傾斜湿原があった。オニシモツケとミミジカラマツが満開である。

そこを過ぎると横道上部の急な崖が一気に近づいてきた。
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そして月山本体への登りが始まる。緩登緩降の連続が終わりジワジワと急な登りになってきた。
ブナも大分矮生化してきたと思ったら道脇にナラタケとブナハリタケを発見!
う〜〜ん、ココで採るかどうか大いに悩む。帰路も同じ所を通るのだが、何の変哲もないところなので、知らずに通過してしまう可能性大。決まった、やはり採っていこう!!!

写真はナラタケとブナハリタケ。
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約15分のキノコ狩りのあと、キノコを入れたビニール袋を持ってみて唖然とする。重い! 約2kg強はある。
自分でも馬鹿だなぁ〜と思いながらも袋を手に持って歩き出す。でもココからが大変だった。
最近刈払いが行われたのはいいのだが、潅木のトンネル状の登山道の真ん中に切った木が乱雑に置かれている。
足場が悪いので、木を除けたり、足場を探すのに時間がかかる。
いい加減うんざりしながら登って行くと清川行人小屋へ向かう横道の分岐に着いた。
ここで不本意ながら初めての休憩を取る。手に持ったキノコ袋をザックにパッキングするためである。

この時点で午前9時40分。残された時間を考えると清川行人小屋へ向かって東沢コースを登れる!
キノコ採取のロス時間と合わせて合計1時間の予定時間超過だが、寄り道好きな性分には逆らえなかった(苦笑)

横道は清川行人小屋まで標高差100mの下りとなる。途中3箇所の傾斜湿原を通過する。
湿原には咲き残りのイワショウブや、シロバナトウウチソウ、そしてウメバチソウやトリカブトの花が沢山咲いていた。
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タケカンバが多い斜面を少し登ると天竺沢の開けた湿原に出る。清川行人小屋は寄らずに分岐を東沢コースに左折する。一段登ると高山草原の広がる別天地だ。イワイチョウの黄葉が美しい。
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小沢を何本か渡り、いよいよ東沢に出る。ここは石飛びで簡単に渡渉できる。昨年同期に遡行した鳥海山の檜ノ沢を思い出させる光景である。ここでオニギリを食べて一息つく。
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実はこのまま東沢と遡行して上部に出る考えもあったが、本日の足回りは登山靴なので止めた。
東沢コースはこの後は笹と潅木の茂る斜面を登る。しかしここも仮払われた笹が登山道上に積んでいるため、滑り易く一歩一歩足場を確かめながら効率の悪い登りとなってしまった。
途中から清川行人小屋と東沢の出合付近を見下ろす。遠景は地蔵森山。
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急斜面を登っていくと潅木の紅葉が始まっていた。西側には雪渓が未だに残っている。
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そしていよいよ東北随一と呼ばれる月山の高山草原に乗り上げる。この茫漠とした風景に出合いたくて東沢コースを迂回してきたのだ。
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途中では草紅葉が色づき、潅木の紅葉も花を添えている。
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このコース(本道寺コースも含めて)、はっきり言ってトラロープの誘導なしには正規のルートを辿るのは難しい。
踏み跡も定かではなく、ガスられると不安になりそうな道なのだ。でも天気の良い今日は高山草原歩きの楽しさを満喫した。
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東沢コースの登りで写真を撮り過ぎ、結構時間がかかってしまった。
本道寺コースに復帰してから再びピッチを上げて登る。一段急斜面を登ると胎内岩に着く。以前潜った経験があるので写真を撮っただけで通過。豊富にあるコケモモの実を何粒か口に放り込んで2段目の急斜面を登る。
その斜面は紅葉真っ盛り。例年より1週間早く山頂付近は見頃を迎えている。
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チングルマも負け時と真っ赤に色付いていた。
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しかし山頂台地に乗り上げると次第にガスが濃くなってくる。雄大な景色を期待したのに駄目らしい。
月山山頂小屋のご主人が屋根の上に布団を干している。
姥沢のノーマルルートからは平日にも係わらず沢山の登山者が登ってきていた。
今までの静寂の世界から現実に引き戻された様な感じがする。
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一等三角点にご挨拶に立ち寄った。東側の月見ヶ原は草紅葉に変っていて、6月にスキー滑降したのが夢の出来事のようである。
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三角点の傍で昼食とする。庄内側から盛んにガスが昇ってくる。一人でビールを飲み、カップ麺をすすり、オニギリ2個を食べて簡単な食事が終了。その時ガスが切れて鳥海山が姿を現した。
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姥ヶ岳や湯殿山も一瞬姿を現す。山頂の北斜面も紅葉が進んでいるが、冷夏だったせいか赤色が鈍い。
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風景に見とれていると再び山頂はガスに覆われた。それを合図に下山にかかる。再び長い長い行程を歩かねばならない。
岩根沢・本道寺コースに入ると、また静寂の世界に戻れた。
咲き残りのハクサンイチゲが寂しそうに風に揺れる。ミヤマリンドウは未だに健在だ。
岩が散在する歩き難い道を下って胎内岩を経て本道寺分岐に着く。そこから一段下ると南大雪城の雪田に出る。
雪田と紅葉のコントラストが絶妙だ。もう直ぐ新雪も降るので越年雪となるであろう。
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久しぶりに雪を踏む感触を味わう。表面は氷化しておらず歩き易い。雪田の周辺は大岩が累々とした異様な世界である。岩の下を雪解け水が流れている。草は一切生えずにコケなどの地衣類だけが生存を許されている。
寒帯ツンドラとはこう言うところを言うのかな?と感慨深い。
そこから少し下ると漸く草原の姿に戻る。大分前に月山でライチョウを見たと噂が立ったが、こんな風景を見たらそう思う人がいても可笑しくない(笑)
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今回の山旅で行く先々でお目にかかったエゾオヤマリンドウ。高山なので紫色が濃い。
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3段階に高度を落として続いた山頂台地も終わりを告げ、南側の急斜面を下りていく。
確かこの先に斜面に突き出た大岩があるな、と思いながら下っていくと・・・・・・・・イヌワシだ!

これにはビックリ。大岩のてっぺんで羽を休めたイヌワシの背中が見える。その距離10m程度。
慌ててウェストバックに入っているデジカメを手探りで取り出そうとしていると、イヌワシが振り返った!
その瞬間イヌワシは翼を広げてサカサ沢の上空へ悠々と飛び立っていった。
間違いない。あの濃茶に白斑、太いくちばし、尾羽は先が丸くなった扇形をしていた。正に森の王者の貫禄をしていた。しばらく飛翔していった先を見つめてドキドキしていた。
それにしても実は先週の御影森山直下でも滑空するイヌワシを見ている。2週連続見られた事に感謝である(嬉)

我に帰って再び下りだす。急斜面の下部も紅葉が進んでいた。
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そこから一気に下ると溝状になった潅木のトンネルを下る様になる。相変わらず仮払いした木々が登山道に散乱していて歩き難い。横道分岐を過ぎても暫くは同じ状態。
例のキノコポイントは下りでも判った。重いキノコを担いだことが馬鹿だったと反省する(苦笑)
カップ麺とビールの取り合わせは後から喉が渇く。無償に水が飲みたくなり1340m峰で座り込んで水をたらふく飲む。ここで約10分休憩。背後の立ち枯れにアカゲラ?が盛んにコツコツやっていた。

途中で地蔵森山がかっこよく見える場所がある。傍らにはセンジュガンピが咲いていた。
山全体がブナウエツキハムシの食害で茶色く葉枯れしている。今年のブナの黄葉は望み薄である。
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郡界分岐で下りの行程2度目の休憩。やけに喉が渇くのでここでコーヒータイムとする。
午後の日を浴びて心休まる雰囲気の場所だ。静かな山奥で飲むコーヒーにささやかな贅沢を感じる。

ここからはハイウェイ的な整備された山道である。時間も充分残っているので、あまり急がずにゆっくりしたペースを心がけて下る。往路は急ぎすぎて素晴らしい樹林の道を堪能できなかったのだ。
途中にある東側の展望が開けた場所では907m峰の先に山形盆地が広がっていた。蔵王連峰も見える。
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朝方気付かなかったが、姥像の先では風吹反射板の姿も確認できたし、大朝日岳が見えた場所では下部に寒河江ダムも見下ろせた。しかし道々キノコを探したが標高1000m以下では疎らにしか生えていなかった。
反射板分岐からは夕日の当らない暗い杉林が続く。途中の水場で身体の汗を拭くために10分休憩。
この水は湧水で結構甘露な水であった。

登山口には16時30分に到着。山頂での読み通り17時には車に戻れるだろう。
今日の山はロングルートと言われながら意外に楽な山だった。以前やった肘折コース日帰りに比べたら楽も楽。
しかし思いもかけない早めの紅葉やイヌワシとの出会いもあって、長く記憶に残る山行であったと言える。
でも単調な樹林帯歩きが嫌いな方には、お勧めできないルートではある(苦笑)

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
いつの日か一度は行って見たいと思っていた「月山」。その素晴らしい景色を見せて頂き、感激です。もう紅葉も美しいですね。それにしても花の名前をよく知っておられますね!
「咲き残りのハクサンイチゲが寂しそうに風に揺れる」とはSONE殿も詩人ですね〜。
月山&鳥海山へ何時か行って見たい!!しかし遠い!!!
緑のそよ風
2009/09/18 23:45
緑のそよ風さん今晩は。記事アップしたばかりなのに最速のコメント有難うございます。
今回の月山のルートはノーマルルートじゃないですから、一般の登山者には馴染みのない風景かもしれません。しかしもう紅葉が始まっているとは私自身も驚きました。この分だと初冠雪も早くなりそうです。
詩人なんて言われると照れますねぇ(笑) 山の花が大好きですので、花名が判らないとトコトン調べてしまう性分なのですよ。月山と鳥海山、どちらも東北有数の花の名山ですので是非お越しください。
SONE
2009/09/19 00:00
もう、紅葉真っ盛りですね
それにしてもロングルート、チングルマが赤の背景にバッチリでしたよ。
さて、連休初日、私は北を目指しますかな。
マロ7
2009/09/19 05:13
月山はずいぶん鮮やかに色着いているんですね。
チングルマは秋には葉っぱのエンジ色と綿毛の白のコントラストが絶妙で花の時期と
紅葉と2度楽しませてくれてよい植物ですね。
今回もきのこをお供の山歩きになりましたか。

ebiyan
2009/09/19 17:45
マロ7さん今晩は。
紅葉真っ盛りと言っても山頂一帯ですが、異常に早いですね(笑)
チングルマはまだ一部で赤く色づいているだけでした。でもこの赤、目立ちますねぇ〜。
北の山に行きましたか? レポ楽しみにしております。
SONE
2009/09/19 19:01
ebiyanさん今晩は。
今回は標高350m位から登ったので、山頂に近づくに連れて紅葉が進んでいく様を楽しめました。
チングルマはバラ科の木なので、花も紅葉も美しいですね。
今回のキノコ、登りで堪らず採取してしまい非常に重かったです。馬鹿ですねぇぇぇ(苦笑)
SONE
2009/09/19 19:05

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