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zoom RSS この本は面白い! 『神室』

<<   作成日時 : 2010/02/08 00:22   >>

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昨年10月に発行された最上山岳会の会報『神室』を、山形の某登山ショップから購入しました。(定価2800円)
最上山岳会会長の坂本俊亮氏が過去に出版した書籍や自費出版本は何冊か蔵書していますが、今回の『神室』は最上山岳会設立25周年を記念した総集編の会報だそうです。

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この山岳会の特徴はハードな山形県境や最上郡境などの実践や、滑降記録が一切ない未知の山々へのバックカントリーの記録にあると思います。
現在の百名山ブームのトレンドに埋もれた、辺境かつ白地の山々を自在に闊歩し続ける彼らの登山観は、学ぶ的ことが非常に多いと言えるでしょう。


坂本氏を中心に会員諸氏が編まれた、『神室』の402ページに渡る山行記録は素晴らしいの一語。
下記の全十章からなる記録の数々は山滑りメインの岳人はもとより、沢登りを志す方、山形県北部の山々に興味がある方にとっては読み応えあるものでしょう。


各章ごとの簡単な内容を説明しますと・・・

【 第一章 鳥海山 】
坂本氏が自費出版した『月山無限の山スキー』、『神室無限の山スキー』の三部作として『鳥海無限の山スキー』の一部が収録されています。全21コースの紹介は岳人誌以上に価値があります。

【 第二章 丁山地 】
丁岳や甑山など一部の山以外に夏道が存在しない、現代でも秘境の感が濃厚な丁山地の謎を解き明かしています。
鳥海山北東の水無大森から繋がる郡境縦走記録は、未知の山域を知る上で貴重です。

【 第三章 弁慶山地 】
鳥海山と最上川に挟まれた弁慶山地は人口に膾炙されない、登山界には無名の山地です。
昨年、私も山形の岳友とこの山域の素晴らしさを実感し、今年も難峰にチャレンジする予定ですが、謎のベールに包まれた弁慶山地の主稜部分は、この本が明らかにしてくれました。

【 第四章 神室連峰 】
最上山岳会のホームグランド神室連峰、その積雪期の山滑り記録が満載されています。『神室無限の山スキー』に収録されていなかった記録も多く、神室を知り尽くした彼らだからこそできるルート取りが流石です。

【 第五章 月山・葉山・立谷沢の山 】
この章は『月山無限の山スキー』とバッティングする記録が多い印象です。但し本道寺や月の沢発電所など新規の滑降記録は新機軸となっています。

【 第六章 朝日・飯豊・吾妻連峰 】
朝日連峰は以東岳北方稜線の化穴山方面や高安山方面へのGW縦走記録がメイン記事です。
飯豊・吾妻は最上地方からは遠距離なので記録としては寂しい限りでした。

【 第七章 軍沢岳・栗駒山・禿岳・みみずく山 】
翁山から熊ノ返山方面へのスキー縦走は参考になりました。その他の山域は私も既登の山が多く、懐かしく拝見させて頂きました。

【 第八章 奥羽山脈 】
坂本氏の編んだ『山形百山』に詳しい山域ですが、別な会員の寄稿文が多く、紹介内容も異なっています。

【 第九章 沢あそび 】
神室連峰・丁山地・弁慶山地・摩耶山の沢登り記録を紹介しています。沢登りは最近から始めた山岳会らしく、どちらかと言うと登攀要素の少ない沢がメインですが、ネットや山岳誌で取り上げられていない遡行記録が多く、沢をやらない私でも山の内部構造を知る上で興味を惹かれました。

【 第十章 全国の山 】
序文で坂本氏が指摘している様に、名山や低山を志向する会員も多いために有名山の登山記録も掲載されています。しかし何故か前の章に重複する山域の山記録もあり、一見すると『山の本』的な編集のされ方です。

最後に坂本氏は編集後記でこう述べています。
「会報の舞台は、ほぼ人の不在なるエリアであり、そこにおけるさ迷い、探検の点綴記なのだから、記録の一部でも留めておかないと、さらに永遠に何もわからなくなる。(中略)かかる最上学、山形学があってもよかろうし、探検とは、現場に向かうことであり、その行為は学の基礎になるもののはずである。」

この冬最強の冬将軍が襲来して山に登らなかった週末、晴耕雨読じゃないけど、のんびりと読書で最上地方の山に浸った一日でした。山に登る行為だけが山の楽しみじゃないですね。

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コメント(16件)

内 容 ニックネーム/日時
お久しぶりでございます。
刺激されますねえ。
買いたいなあー読んでみたいなあーと思って止めたんですよね。
鯛金
2010/02/08 16:38
鯛金さん、ご無沙汰しております。
この会報は買って損のない素晴らしい出来ですよ。
ネットや山岳雑誌などで全く紹介されていない弁慶山地の記録は、我々にも価値があると思います。
池田さんが雪庇を踏みぬいた場所が、夏場はキレット状になっている事も分かりましたよ。
SONE
2010/02/08 18:34
SONEさん、こんばんは。
最上地方の山は全くわかりません。
山スキーと言ってもメジャーな所はゲレンデ状態のようですね。
滑りが好きな人にはたまらない魅力があるのでしょう。
大荒れの週末でしたが下から見ても雪は少ないです。
晴耕雨読の真似をして「恵みの山」を読んだのですが、
秋田生まれの私には山形よりの内容で巻末の参考文献が気になってます。

あね
URL
2010/02/08 19:24
以前新庄の書店に問い合わせした時、送料とか振込み料金とか4000円超えるんでしたっけ。女の人からの問い合わせは初めてだとか、会報をまとめたものでご期待に添えるような内容かどうか云々と言われてねえ。笑
山の友人に新庄に山岳仲間がいるんでその人に頼みました。
うまくいけば手に入るかも。
弁慶山系のことは出来るだけ情報が欲しい。好きだねえ私も。笑
鯛金
2010/02/08 19:29
おっ、ついに求めましたね。
神室の山が凝縮、そして弁慶さんもね。
まだ、神室は2回目ですが読んでるだけでもいいっすね。
いつも枕元ですが、数ページ読んでダウンです。
マロ7
2010/02/08 20:09
あねさん今晩は。
最上の山々は標高の割りにハードな山が多くて面白いですよ。
山滑りは月山や鳥海など滑り中心の特定の山域に人気が集中しています。
スキーを登山の道具として考えているオイラは少数派の感がありますね。
庄内地方は暴風雪警報がでていましたが、大量の積雪はなかったですか。
「恵みの山」読まれましたか。確かに鳥海山でも山形県の表記が多い印象ですね。
SONE
2010/02/08 20:23
鯛金さんも好きですねぇ〜(笑)
弁慶山地の情報はかなり詳しいので、手に入れたら狂喜乱舞すること請け合いですよ。
それにしても4000円になっちゃうのは高い!
新庄の山仲間に頼んでも手に入らない場合はメール下さいね。調達方法を連絡しますから。
SONE
2010/02/08 20:27
マロ7さん、終に調達できましたよぉ(笑)
予想以上に凄い情報満載でびっくりしました。
その山域を知らない人にとっても、読んでいるだけで行った気になる本ですね。
昨日はしゃかりきに読みましたが、何回再読するか見当も付きませんよ(笑)
SONE
2010/02/08 20:31
表紙を見ただけで神室の凄さに圧倒されます。
読んでみたいけど、神室はハードだからなー・・・。(^^;)
morino
2010/02/08 22:11
morinoさん、表紙は大尺山から眺めた火打岳ですが、流石に神室連峰一の鋭鋒と頷けますね。
この会報は神室連峰だけじゃなく、山形県北の山々の山行記録が満載ですので、読まれればきっと新しい発見があると思います。
SONE
2010/02/08 23:43
ご無沙汰です。
25周年記念総集編ですか。ほんと最上山岳会の山行記録はマニアックですので聞いただけで涎が出てきます。早速読んでみなければ。
情報ありがとうございました。
みいら
2010/02/09 08:00
みいらさんご無沙汰しております。
この会報はみいらさんに一番読んで欲しかったですよ(笑)
マニアックな記録満載ですので、行きたい山がどんどん増えていくこと請け合いですよ。
山形の某登山ショップと言えばお分かりですよね(笑)
SONE
2010/02/09 12:03
こちらでこの会報の件を知り早速注文して届いたところです。
届いた会報の厚さにビックリ、なんと402ページもあるとは!
会報ということでもっと薄いのを想定していただけに2800円は少々高いなと思っていましたが納得です。
読むのが楽しみです。
トラ山
2010/02/20 00:07
トラ山さんこんにちは。
おおっ、トラ山さんも買われましたか。予想以上の厚さですよね。
内容は手作り感抜群の会報ですが、じっくり読んでいると山への憧れが広がってきますね。
SONE
2010/02/20 12:42
昨日、「新庄のモツラーメン食べたくな〜い?」とかなんとか言って夫を誘惑し、駅前の八文字屋さんに立ち寄り購入してまいりました。笑
なんという厚さでしょうか、期待というより全て読めるのか心配になっています。

今日は庄内地方もいい天気ですよー。
融けた雪がだんだん締まっていってくれだろうなあ。
鯛金
2010/02/22 11:28
鯛金さん今晩は。
もつラーメンを食べに行けて、おまけに会報まで調達できたとは一石二鳥でしたね(笑)
私も最初に手にしたときに、402頁の厚さには驚きましたよ。
まだまだ寒い日が続きますので、ゆっくり読書も良いかもしれませんね。
でも3月の堅雪踏んで、ガンガン登るのも楽しいものです。
SONE
2010/02/22 18:16

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