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zoom RSS 『アイガー北壁』・・・?

<<   作成日時 : 2010/02/17 21:18   >>

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タイトル見て驚いた人がいるかもしれませんが、オイラがアイガー北壁にチャレンジする訳ではありません。
実は3月20日からロードショーが始まる映画『アイガー北壁』のお話です。

写真はクライネシャイディックから見上げたアイガー北壁。
画像


オイラの愛読書の中に『北壁の死闘』、『白い蜘蛛』、『アイガー北壁』があります。
そのどれもが『アイガー北壁』を舞台にした小説と登攀記ですが、過去に読んだそれらの本によってアイガー北壁は自分の中で恐ろしくも憧れの対象になっていきました。

アイガー(3975m)はスイス・ベルナーオーバーランド三山(ユングフラウ、メンヒ、アイガー)の一山で、そして標高差1800mのアイガー北壁は、グランドジョラスのウォーカー側稜(ウォーカーバットレス・北壁)、マッターホルン北壁とともに登攀が非常に困難な三大北壁と呼ばれています。

初登頂は古く、1858年にチャールズ・バリントンが成し遂げますが、日本人にとっては1921年夏の槇有恒氏の隊によって初登攀された北東稜が馴染みの深い記録です。これは当時は画期的な登攀と評価されました。

アイガー北壁は1938年7月24日 アンデレル・ヘックマイヤー、ルートヴィヒ・フェルク(ドイツ人隊) ハインリッヒ・ハラー 、フリッツ・カスパレク(オーストリア人隊)が初登頂を果たしました。
このときの壮絶な登攀記は名著『白い蜘蛛』の中で明らかにされています。
ハインリッヒ・ハラーはその後にブラット・ピット主演で映画化された『チベットの七年』の原作者です。

日本人のアイガー北壁初登頂は1965年8月16日 高田光政です。でもその記録は登頂まであと300mと言うところでザイルパートナーの渡部恒明が墜落・負傷したため救助を求める際に山頂を経由した際に達成されました。
しかし渡部はその間に謎の墜死を遂げるのです。骨折の痛みに耐え切れず自らザイルを外したらしいですが、当時の山岳関係者の中には高田氏の行動に対して批判的な意見もありました。
これをもとに新田次郎は『アイガー北壁』という小説を書いています。
本当に栄光の影に、悲惨な結末に終わった日本人の初登攀記録でした。

さて今回の映画化はアイガー北壁初登攀の2年前の、パーティ全員が遭難死した悲劇のお話です。
1936年、ドイツのアンドレアス・ヒンターシュトイサーとトニー・クルツ、オーストリアのエディー・ライナーとヴィリー・アンゲラーが国の威光を賭けて北壁に挑み、死のビバークの先の難しいトラバース(ヒンターシュトイサー・トラバース)に成功しますが、ザイルを回収しながら登攀したことが仇となり、仲間の負傷と悪天候の際に退却できず、この時点から必死の脱出劇が始まります。
この際にクルツを除く3人が墜落などで相次いで死亡し、クルツもトンネル出口で待つ救助隊の元にザイルで下りる際にカラビナにザイルの結び目が引っかかってしまい、疲労の極限状態と、凍傷の指では結び目を外すことが出来ずザイルにぶら下がったまま、「もうダメだ」の一言を残してわずか数m上で力尽きました。
これはアルプス登攀至上、最大の悲劇と呼ばれています。


映画『アイガー北壁』予告編はコチラ。



当事者が全員死亡してしまう結末のこの話は、『北壁の死闘(ボブ・ラングレー著)』の中、主人公の回想シーンで遭難事故の状況が史実に沿った形で語られています。
この主人公はヒンターシュトイサー達が遭難した登山行に参加する予定でしたが、恐怖心から直前になって参加を諦めた経歴の持ち主であると言う設定なのです。

その他に現在の映画監督の中でも巨匠と位置づけられる、クリント・イーストウッド監督の初期の監督&主演作品で、『アイガー・サンクション(トレヴェニアン) 』が真っ向からアイガー北壁登攀を描いた作品でした。
しかしサスペンス仕立てのスパイ映画だったため、山岳映画としては余り評価が高い作品とは言えません。

という事で、いろいろアイガー北壁関連の書籍や映画に親しんできたオイラですが、今回の映画『アイガー北壁』はかなり苦労して撮影された作品らしく、期待度は極限まで高まってしまいましたよ。

しかーし、大手配給じゃないドイツ映画の常、完全に単館上映に近い状態なのですねぇ〜。
仙台ではどこの映画館でもやらないぞぉ〜。
(こんな時は同じ様なハリウッド映画と邦画主体のシネコンのあり方が問題だと思う。)

本国ドイツで公開されるとロングランヒットを記録したと言うし、かつてドイツがリードした<山岳映画>の伝統を継承しつつ、山でのロケーションでは、先に機材とスタッフをザイルで縛って登山して準備。その後、スタントらが登ってシーンの撮影に移り、リアリティを追求するために数時間待つことなどはざらで、その日のうちに、求めている空模様にならなければ撮影は翌日に延期。登るだけでも半日以上かかるというロケを何度も繰り返して、ようやくリアルな屋外シーンを撮ることができたと言われる作品。そして自然の脅威と極限に置かれた男たちの壮絶な闘いを克明に描き出す作品と聞くと観たい観たい・・・(トホホ)。

これって昨年公開された『剣岳、点の記』以上のど迫力の映画になっている筈なんですがねぇ(泣き)
映画館のスクリーンで観たいけど、しょうがないからDVD発売まで待つしかないですね。


映画『アイガー北壁』のオフィシャルHPは↓コチラ。
http://www.hokuheki.com/

尚、当記事に関してはWikipediaの「アイガー」を参考にさせて頂きました。

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コメント(16件)

内 容 ニックネーム/日時
「アイガー北壁」見たいですね〜
登山用品店にこの映画のポスターが貼ってありました。
でも上映館がホント少ないですね。
一番近いところで東京のようで。
要するに「売れない」映画ということなんでしょうか?
オイラもDVDに期待です。
トラ山
2010/02/18 04:45
CGが花盛りな昨今、やはり本物は違うのでしょうね。 
見たいな〜 
DVDと言えば、『剣岳、点の記』の発売はまだでしょうかね?
夢邪鬼
2010/02/18 08:12
トラ山さんこんにちは。
この作品、山好きなら絶対に観たくなりますよねぇ。
でも大手配給しないので、大都市でしか上映しない。
観た人の口コミで人気が出れば地方のシネコンで上映する可能性は僅かにありますが、
おそらく無理でしょうね。こう言う作品はDVDの調達も難しいんですよね。
SONE
2010/02/18 12:39
夢邪鬼さんこんにちは。
最近では『クリフハンガー』や『バーティカル・リミット』なんて言うアクション物の山岳映画が上映されましたけれども、CGを多用していて余り満足できる作品ではありませんでしたね。
『剣岳 点の記』のDVD、アマゾンでも販売していましたよ。
SONE
2010/02/18 12:47
SONEさん、こんばんは。
貴ブログで「アイガー北壁」を知り自分なりに調べました。
上映は限られてるようですね。
でも映画館の画面で見たくて3月は無理。
あとは5月の札幌か。
心元ないので息子に学校休んで一緒にと聞いたらOKですがどうなるやら。
実家経由で飛行機か格安プランは新日本海フェリー日帰りありです。
何とかならないかしら…と考えてます。
あね
URL
2010/02/20 21:06
あねさん今晩は。
やっぱりあねさんも映画館で観たいですよねぇ〜。
ほぼ単館上映に近い感じで、これ全国ロードショーは無いっていう感じです。
札幌まで映画を観に行くバイタリティは凄いですね。
新日本海フェリーで格安で行けるとは、北海道への山行をする場合に使えるかもしれませんね。
兎に角、映画だけでなく、買い物やグルメなどのプラスαがないと観に行くのも難しいですね。
SONE
2010/02/21 17:48
これは見逃せないですね、でも、何処で見るかが問題・・・何処かシネコンでやって欲しー・・・やはり、DVD出るまで待つしかないのでしょうか
HAMA
URL
2010/02/22 07:18
HAMAさんお久しぶりです。
関東では東京と横浜の3映画館でしか上映しませんね。
少しでも人気があれば、後々シネコンでやる可能性もありますが、全く期待できない状態ですよ。
DVDも発売させるかが心配です。生産枚数は限られてくるでしょうね。
SONE
2010/02/22 18:11
始めまして。
この映画のキャンペーンHPに下記の文章が記載されておりました。
「ベルリン・オリンピック開幕直前の1936年夏。ナチス政府は国家の優位性を世界に誇示するため、アルプスの名峰アイガー北壁のドイツ人初登頂を強く望み、成功者にはオリンピック金メダルの授与を約束していた。」


これは史実に基づいたものでしょうか?

私達が岩を始めた頃の40年前には、日本人三大北壁ブームが有りました。
当時読んだ、沢山の北壁本、アルプス登攀史には、どの本にもこの記述は見当たらなかった様に記憶しておりましたが、いかがでしょう。
これから数年後、1938年7月24日の、ドイツ・チームのアンデレル・ヘックマイヤーAnderl Heckmairとルードウィヒ・フェルクLudwig Vorg、オーストリア・チームのハインリッヒ・ハラーHeinrich Harrerとフリッツ・カスパレクFritz Kasperekの4人による初登攀がなされました。


金メダル説がもし事実だとすると、ハーラーやヘックマイヤーは、初登攀の後に金メダルを貰ったという事実は有ったのでしょうか?
ハーラーの「チベットの7年」や、ヘックマイヤーの「アイガー北壁の初登攀」にはこれらは書かれていなかったように記憶しております。
覚えておられますか?

お忙しい中を申し訳有りませんが、もし確かな情報をご存じでしたら教えて頂ければ有り難いです。
1クライーマー
2010/04/04 17:39
1クライーマーさん初めまして。拙ブログにご訪問&コメントを頂きありがとうございます。
私もアルプス三大北壁ものの書籍が好きで、結構読んでいるほうなのですが、ご指摘の金メダル授与の件については全く記述がないですね。
確かに国威を誇示するために、国の威信をかけて今回映画化された彼らがアイガー北壁に挑んだのは知っていますが、金メダルが絡んでいた史実は見たことがありません。
恐らく映画化に当たり、よりドラマ性を高めるために脚色されたのでは、と私は思っています。
これ以上の情報を持ち合わせていませんので、お役に立てなくて申し訳ないです。
SONE
2010/04/04 19:33
この映画はかなりすごいです。
登山には全く興味がありませんが、何度も見たい映画です。
大きなスクリーンでみると迫力がありますが、残念ながら小さな劇場でしか公開していません。ミニシアターは大好きなのできになりませんでしたが。
早くDVDが出てほしいです。
lil lu
2010/04/12 01:12
lil luさん初めまして。映画観られたのですか!!! 羨ましいー。
映画好き+山好きのオイラにとっては一番観たい映画だったのですが、やはり近隣では何処でも上映しなかったですよ(トホホ・・・)
ミニシアターでも大きなスクリーンなので迫力ある映像が観られたでしょうね。
本当にDVDでも良いから観たいものです。
SONE
2010/04/12 11:40
いつも楽しく読ませていただいてます。

私もこの映画を見たいと思っていましたが、5月22日から仙台駅東口にある
チネラヴィータhttp://www.forum-movie.net/sendai/で上映されますよ!!
Rachel
2010/05/07 09:31
仙台での上映はフォーラム仙台で5月22日から6月4日。
山形での上映はフォーラム山形で6月12日から6月18日らしいねー。
マス
2010/05/07 10:26
Rachelさん初めまして。       
仙台での上映が決まったのは嬉しいです。是非観に行きたいと思います。
情報を頂きありがとうございました。
SONE
2010/05/07 15:47
マスさん今晩は。
詳しい上映期日ありがとう。これは絶対観ないとね。
SONE
2010/05/07 18:49

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