東北の山遊び

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zoom RSS 2010.7.11 早池峰山から鶏頭山(岩手・北上山地)

<<   作成日時 : 2010/07/13 18:17   >>

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言わずと知れた日本百名山の中でも、特に花の名山と褒め称えられている早池峰山は7月に花のピークを迎える。
しかし昨今の登山者の急増は高山植物の踏み荒らしや、トイレの処理などオーバーユースの問題が顕在化している。だがそれも小田越と河原坊の一般周回コースに言えることで、鶏頭山までの縦走コースは昔ながらの早池峰山の良さが今でも残されたルートになっている。

【 7╱11 早池峰山(1917m)から鶏頭山(1445m) 岩手・北上山地 】
岳(シャトルバス)=小田越〜お金蔵〜御田植場〜早池峰山〜中岳〜鶏頭山〜ニセ鶏頭〜避難小屋〜岳

実はこの日も登る山を決めないで東北道を北上した。前日まで北秋田で集中豪雨に見舞われ、どうせ曇りで展望が期待できないなら秋田駒ケ岳で花見登山でもしようか、と気軽に出かけたのである。
しかし北上ICを越えると路面が一部濡れていて、夜半まで雨が降っていた様だ。西側の山々は厚い雲に覆われていて登る気がしない。そんな訳で花巻JCTから急遽東和方面にハンドルを切り、早池峰山に転進したのである。

岳の大駐車場に着くと、曇りベースの天候にもかかわらず多くの登山者が登山準備をしていた、
朝8時のシャトルバスに乗るとき、片道の運賃のみ支払ったら、岩手交通の方が走ってきて帰りのバスの時刻表を手渡していった。どうもこの遅い時間から縦走するとは狂気の沙汰と思ったらしい(苦笑)

満車のシャトルバスでは具合が悪くなった人もいた。
大半の登山客が小田越で下車する。同乗してきた方々の後ろから出発すると抜き去るのが大変なため、同行したマスさんをせかして慌てて歩きだす。

オオシラビソやダケカンバの混生林をもくもく登ると、標高1300m地点で森林限界に達する。
ここは一合目:御門口と呼ばれ、ここから蛇紋岩の岩礫にハイマツが点在する展望抜群の山旅が始まる。
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五合目のお金蔵付近はチシマフウロが沢山咲いている。花の水彩画を描いている方がいた。
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三合目あたりから咲き始めていたハヤチネウスユキソウも、標高を上げるに従って更に花が増えてくる。
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南側の登路を振り返ると、登り始めには雲がかかっていた薬師岳が完全に姿を見せてくれた。
この山がお隣になければ、早池峰山の展望は味気ないものになっていた気がする。
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早池峰山のミヤマアズマギクは色が濃くて見栄えがする。本当に沢山咲いている。
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どんどん先行者を抜いて登っていく途中で、右手の岩場にカモシカが姿を現した。
高山帯で出遭うカモシカは威風堂々として迫力が違う。
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竜ヶ馬場まで登ると正面に早池峰山の山頂が見えてくる。コメガモリ沢コースを登る登山者が蟻んこの様に繋がって見えていた。
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上部の梯子場手前から山頂を見上げる。沢山の登山者が確認できた。
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この梯子場は渋滞する事が多いが、この日はスムーズに登る事ができた。
傾斜が緩いので見た目ほど怖くはない。
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主稜線に飛び出すと三叉路になっている。右が剣ヶ峰に至る道。左が山頂への道だ。
ミヤマカラマツの花が多く咲いていた。
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山頂を目指すと直ぐに木道に入る。湿性の高山植物が多い御田植場と呼ばれる場所だ。
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今年はヨツバシオガマの当たり年らしくて、木道の横には凄い数のヨツバシオガマガ群生していた。
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チングルマやコイワカガミ、そして珍しいウコンウツギの花々を鑑賞しながらゆっくり歩く。
岩のドーム状の山頂を登り、振り返ると剣ヶ峰が顔を出していた。
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この時期には花はほとんど終わるミヤマシオガマだが、一カ所だけ咲き残っていた花があった。
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そして早池峰山山頂に着く。避難小屋の近くはトイレ臭くて休憩する気が起きないし、風を避けられる場所には沢山の登山者が休憩していた。煩い山頂はご免なので写真を撮っただけで鶏頭山への縦走コースに入る。
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ここから喧騒の一般コースを外れ、静寂の縦走コースが始まる。

この時点で午前10時。コースタイムが凡そ6時間の縦走コースは人気がなく、歩く人は極端に少ないが、静かな山を愛する小生とマスさんにとっては魅惑の縦走路である。
このコースの良さは静寂だけでなく、早池峰山に初めて登った30年前の豊富な高山植物群落を思い出させるお花畑が続く事である。そして多くの岩場を通過するトリッキーな点も面白い。

山頂から少し下ると高山植物の巡視員の方が休憩していた。人目に付きにくい縦走ルートは花盗人にとっても恰好のエリアなのであろう。早池峰山の固有種ナンブトラノオも群生している。
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咲き始めのタカネヤハズハハコ。淡いピンクが清楚な感じを醸し出す。
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途中の大きな岩場の上で第一回目の休憩を取る。中岳から鶏頭山へ続く縦走路が良く見える場所だ。
今日はマスさん手作りのパンの数々がどんどんザックの中から出てくる。
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少し腹に入れて落ち着いたところで縦走の再スタート。
この時間から縦走コースに入る人は皆無で、本当に静かな静かな山歩きになりそうである。

写真のミヤマオダマキやハヤチネウスユキソウが、足の踏み場を考えるほど咲いている。
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北西の彼方には岩手山が雲海の上に浮かんでいた。
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岩礫の上を延々歩くので足元に注意が必要だが、反面足元に咲いている花も見つけやすい。
これは珍しい! リンネソウが咲いていた。
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岩礫地帯が終わる手前から岩のドーム状の山頂を振り返る。
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ときどき咲いていたキンロバイ。
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中岳の鞍部付近は背の低いオオシラビソの林となっている。
その樹林帯を抜けてひと登りすると中岳の一番東側の岩峰に着く。ここは早池峰山の展望台になっている。
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ここから先は樹林帯→岩場→樹林帯→岩場と飽きさせない工程だ。樹林の中ではコバイケイソウが満開だった。
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中岳は登山道から少し東側に登った岩塔で、三角点標石が乗っかっている。
この山頂で本格的な昼食を取る。パンにスープ、スイカを食べて落ち着く。
午後から天候が悪くなると予想していたが、ガスが去来しては飛び去る状態が続いている。
しかし樹林帯から飛び出して見える早池峰山頂は、この時を最後に雲の中に顔を隠してしまった。
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鶏頭山への縦走路は上級向けコースと言われている。中岳や鶏頭山への大きな登り返しがある訳でもないのに何故? と思う方も多いであろう。
しかし実際歩いてみると地形図にはない露石や岩峰を幾度となく越していく工程は決して単純ではない。
数多くの岩場にはロープや鎖などの補助も一切無いため、慣れない方には通過に時間がかかるであろうし、危険な場所も多い。一部ではルートファインディングが必要な個所もある。
写真の場所も数mの本格的な岩場の下りである。
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岩場の湿った場所にムシトリスミレが沢山咲いている場所があった。
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中岳の岩峰群を越えると、前方に鶏頭山と毛無森が並んで見える展望地があった。
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数年前にこの縦走路を歩いた時は、三陸地方に多大な被害をもたらした爆弾低気圧の影響で、倒木地帯の通過に大変苦労した覚えがある。
しかし今回は当時登山道を寸断していた倒木も、歩くのに支障がない様に片づけられていた。
一部で泥濘の場所があった他はスムーズに工程が消化出来ていく。

水場の標識を過ぎて、少し登ると1468mの岩場のピークに着く。
南西から強風が吹きつけてきて寒い。
ここまで来ると目標の鶏頭山も本当に近くなった。
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1415m峰の前後は左側が一気に切れ落ちているので注意が必要だ。
岩場にイブキジャコウソウの花が咲いていた。
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そして草原状の斜面を登りきると鶏頭山山頂に着く。ここで三回目の休憩。
お隣の毛無森はガスに隠れて見えなくなった。早池峰山や薬師岳も山頂は雲に隠れた。

鶏頭山は早池峰山の中では一番好きな山頂である。
展望・花・静寂と山を評価する上でのポイントは高い。マスさんも気にいった様子だ。
山頂で和菓子を食べて、コーヒーを飲んで休憩する。あとは岳集落まで標高差900m強の下りが待っている。

ニセ鶏頭に向かう稜線。ここも左側が切れ落ちている。
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お地蔵さんが鎮座するニセ鶏頭の前後も、岩場の間をぬう変化に富んだ道となっている。
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ハクサンシャジンが咲き始めている岩場を過ぎて、一気に急坂を下ると樹林帯に入る。
ブナ林の下りは前日の雨の影響で足場が滑りやすい。
避難小屋を過ぎてがんがん下ると雑木林に入り、その付近から傾斜が緩くなって歩き易くなる。
タマガワホトトギスが沢山咲いていて単調な下りに花を添えてくれた。
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大分下まで下ってくるとキイチゴが実をつけていたので、二人でキイチゴを摘んで食べながら下る。
甘酸っぱく美味しいので立ち止まって食べている時間が長くなってしまった(笑)

やがて車道に出て、左折して民家の横を下っていくと岳集落に出る。
そこから駐車場までは僅かな距離であった。この時点で午後4時30分。
大駐車場にちょうど最終のシャトルバスが到着して二組の登山者が下車してきた。
残っている車両はSONE車を含めて3台しかなかった。小雨が降り出してきてナイスタイミングで下山できた。
思ったより天候に恵まれ、花も沢山見れて満足できた山であった。

一緒に登ったマスさんのブログは → コチラ


少し長めの動画です。





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コメント(16件)

内 容 ニックネーム/日時
変な写真、もっと使えばよかったのに。
写真のせいで、文章が説得力ゼロになってるのが 面白いね。
マス
2010/07/13 21:24
マスさんお疲れさま。
真面目な文章と、やっている事のギャップが極端なのが面白いんだよ。
変な写真ばかりだと人格を疑われるかな(笑)
SONE
2010/07/13 21:42
オッ、魅惑の鶏頭山へ行ってきましたね。
ミルクをかけて食べたいようなウスユキソウでございます。
6時間の縦走コースいいですなぁ〜。
マロ7
2010/07/14 06:50
マロ7さんおはようございます。
鶏頭山への縦走コースは本当にお勧めです。
朝一番のシャトルバスで小田越まで上がれば、マロ7さんなら十分日帰り可能ですよ。
シャトルバスがあるために逆に車一台で縦走できるメリットはあります。
8月初旬には高山植物の構成が違って、特に鶏頭山が凄いお花畑になります。
SONE
2010/07/14 09:04
はじめまして^^
まもると読みます^^

カモシカかっこいいですね〜〜〜!!!!

2010/07/14 14:51
葵さん今晩は。
あのカモシカ、我々から15m程度の近い距離に悠々としていたんですよ。
SONE
2010/07/14 18:47
SONEさん、こんばんは。
数年前に早池峰は規制時間を避け小田越でキャンプして結局薬師岳から望んできました。
というか野天で気持よく飲んでしまって起きたら凄い登山者でそちらへ変更。
二日酔いでしたが「おさばぐさ」に励まされながら登って山頂でゆっくりしました。
その前日に兜明神岳で息子の乳歯が抜けたのが印象的です。
鳥海山系に同じような葉を見るのですが何故か花はないですね。
高所恐怖症なので梯子段は苦手ですが行きたいです。
マスさんもタフですね。

あね
URL
2010/07/14 19:33
あねさん今晩は。
小田越で寝ていて大勢の登山者に起こされたらびっくりするでしょうね(笑)
結局早池峰登らないで薬師に登られたのですか。
でも早池峰と違って静かな山旅ができたのは良かったですね。
兜明神岳は秋に一回登りましたが、のんびりとした雰囲気の良い山ですね。
写真の梯子は傾斜がきつくないので怖くないですよ。摩耶山の方が怖いです(笑)
マスさんは大朝日を日帰りできる体力を持っていますので、一緒に歩き甲斐があります。
SONE
2010/07/14 20:56
おおっと、私が歩いたのは逆周りでしたが懐かしい縦走コースをありがとうございます!でも、ガスで景色がサッパリ見えなかったのであまり良い印象はありませんでしたね(苦笑)。
そうそう、早池峰山のトイレ問題は結構深刻ですよね、以前お盆に登った時はボランティアの方々が排泄物を汲み上げ&背負って降ろされていました。登山口でも携帯トイレを配布(販売?)していたので、これが慣例となって山頂小屋付近の悪臭が改善されて欲しいものです。
superdioaf27
2010/07/14 23:01
superdioaf27さん今晩は。
この逆周りは単調な登りが多いので精神的にキツイですよね。
その上展望が利かないと尚更めげますよ。
早池峰山のトイレ問題は全ての人が携帯トイレを持参して、自分のし尿を持ちかえれば解決しますね。くみ取り式のトイレを無くしてしまう荒療治が必要かも。
SONE
2010/07/14 23:16
SONEさん、遅いコメントで失礼します。今回は薬師岳のプラスαはなかったですね^^リンネのリンネソウですか!見てみたいですね。岩稜歩き、なかなかスリルがありますね(というか写真を見ると楽しそう^^)山のトイレ問題、先日の読売でももう国が補助をつけない(事業仕分けの一環)という記事がありました。これからどうなるのか、とっても心配です。時代の流れと逆行しますが、最悪の場合に備えて携帯トイレでなく携帯シャベル買おうかというのはダメですか?(笑)
3連休ですね。しかも梅雨明けっぽい天気。なかなか山に行けないので、SONEさんのブログに期待してます^^
k4
2010/07/16 20:43
k4さん今晩は。
岳を出発したのが朝8時だったので、薬師岳は時間的に絶対無理でした。
リンネソウは歩いていて見逃す方が多い小ささです。特にハイマツ帯に僅かに咲いていますよ。
中岳周辺は岩稜というより巨岩帯を縫って進む感じです。通過は飽きないですね(笑)
山のトイレ問題は事業仕訳で予算を付けなくなりそうな事は聞いていました。
でもオーバーユースの百名山がある故に地元や関係者が潤っているメリットもあるでしょうから、それを国で補助せよ、と泣きつくのもどうかと思います。
バイオトイレなどを設置した場合には、月山みたいに入山料を取っても仕方ないかもしれませんね。
今度の連休は何処の山も混雑しそうで、それを回避しようと今検討中です。
SONE
2010/07/16 21:31
今日早池峰へ行ってきました。でもオーソドックスな河原坊−小田越ですが花も楽しめました。
鶏頭山の縦走は昔から行きたいんですけどねー…。
しかし立派なカモシカですね。今日はいませんでしたよ(笑)
morino
2010/07/17 21:00
morinoさん今晩は。コメントの返信遅れてすいませんでした。
早池峰山に行かれましたか。今の時期は百花繚乱なので素晴らしい山でしたでしょうね。
鶏頭山の縦走は朝一番のバスで上がらないと難しいかもしれませんが、期待を裏切らないコースですよ。来年には是非チャレンジしてみてください。
あのカモシカは本当にでかい奴でした。堂々とした風格がありましたよ。
SONE
2010/07/20 20:18
こんにちわ。いつも愛読させていただいてますが、初投稿です。カモシカのりりしい姿に感動です。以前、烏帽子に登ったとき、下山途中の小阿寺沢付近で急に目の前にカモシカが現れたとき、しばらくみつめあって、なにもできずに、写真もとれずに、固まってしまったことを思い出しました。soneさんとマスさんの山便り、毎週、楽しみにしてます。
ペカ
2010/07/23 09:45
ベガさん初めまして。コメント有難うございます。
目の前にカモシカが出現すると、慣れていても驚いてしまうものですね。
私の場合、半田山で10分以上もカモシカに話しかけていたら、全く逃げないでずっと見つめあっていた事がありました。
今後も拙ブログを御愛顧のほど宜しくお願いします。
SONE
2010/07/23 19:58

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2010.7.11 早池峰山から鶏頭山(岩手・北上山地) 東北の山遊び/BIGLOBEウェブリブログ
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