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zoom RSS 2010.7.19 長坂道から笙ヶ岳(山形・鳥海山)

<<   作成日時 : 2010/07/21 15:20   >>

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鳥海山を代表する見通しの良い尾根コースが長坂道である。急登の連続だが一歩毎に高度を上げていく豪快な胸のすく登りは、他のコースでは味わえないものがある。そして登りついたところが百花繚乱の笙ヶ岳という点でもポイントが高い。

【 7╱19 笙ヶ岳(1635m) 山形・鳥海山 】
一ノ滝駐車場〜渡戸〜ガラ場〜天狗岩〜東竜巻〜笙ヶ岳〜二峰〜三峰〜岩峰〜鳥海湖分岐〜御田ヶ原分岐〜蛇石流沢〜千畳ヶ原〜T字分岐〜馬の背〜月山沢渡渉点〜喜助平〜森の清水〜伝喜太小屋跡〜玉粋ノ滝〜三ノ滝〜間ノ滝〜二ノ滝〜一ノ滝〜一ノ滝駐車場

このコースにマスさんを連れていく約束をしたのは春先であった。お互いに人ごみの山を嫌うため、混雑するメインルートを外した今回の周回コースは魅惑のコースなのだ。
長坂道の起点である白井新田は同時に万助道の起点でもあり、両コースを利用すれば立派な周回コースが出来あがるが、マスさんに滝巡りコースである二ノ滝道を見せたくて上記のコースを選択した。

前日の天気予報では庄内地方は晴れマーク。最高の登山日和に当たったと意気込んで出かけたが、庄内平野の彼方に鳥海山が見えると、あれれっ、外輪山に分厚い傘雲がかかっているではないの!
これは今日も雲の中で展望皆無の山歩きか、と少しがっかりした。

朝6時に一ノ滝駐車場を出発する。車道終点まで歩くとそこが登山口だ。
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ここから万助道の渡戸まではアップダウンのある樹海のトラバース道を進む。
ヒノキアスナロの原生林があったり、小沢を越えたりして退屈しない。
ツルアリドウシの花が道中ずっと咲いていてくれた。

地元の高校山岳部のキャンプ地になっている渡戸はブナ林の気持ち良いところだ。
ここで万助道と離れて檜ノ沢を石飛びに渡渉する。
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道はしばらく檜ノ沢右岸に沿って続くが、やがて尾根状の急斜面を登る様になる。
以前来たときはこの上部から猛烈な藪漕ぎになってしまい。藪が朝露に濡れていたため、晴れていながら雨具上下を着なければならなかった。
今回は懸念した朝露はなく、以前より藪は薄くなっていたが、短い距離ながら通過には苦労した。
人気の百名山である鳥海山において、こんな未整備の道が存在すること事態に驚く。
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灌木の背丈が急に低くなると、突然ガラ場と呼ばれる長坂道の途中に出る。
何故ガラ場なのか未だに不明であるが、ガラガラした石のケルンがあるからだろうか?
この地点が四合目・標高800mで、ここから標高差800m強の棒尾根の登りがスタートする。
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長坂道の登りは急登の連続のため、楽に山頂を目指す現代のトレンドには馴染まないみたいで、誰にも会わない静寂の山歩きが楽しめる。
このルートの最大の特徴は庄内平野を常に一望できる展望の良さだ。
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尾根の東側は猛烈な冬の季節風によって発達した雪庇の崩壊により、雪蝕地形が顕著で、檜ノ沢まで一気に切れ落ちた斜面となっている。
見下ろすと樹海の中に万助小屋の赤い屋根と竜ヶ滝が望めた。
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天狗岩の手前付近から凄い数のブユに纏わりつかれて閉口してしまった。
耳と目を攻撃してくるので鬱陶しくてしょうがない。ブユは比較的少ないと思っていた鳥海山の意外な一面をみた。

西竜巻付近から高山植物の種類が増えてきてハードな登りでも飽きない。
チョウカイアザミが沢山咲いている場所があった。
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東側の月山森や天主森も完全に雲に隠れてしまい、どんどん雲底が下がっていくのが分かる。
普段は余り顧みることがない弁慶山の姿を目で追ってしまった。
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登ってきた長坂道を振り返る。庄内平野から一気に立ち上がっている尾根の様子が一望できる。
圧倒的な高度感にめまいを感じるほどだ。
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ダサイ棒尾根だと思っていたマスさんも、展望抜群の長坂道を気にいった様子である(笑)
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ハクサンフウロとミヤマシシウド。
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東竜巻は尾根上にのこぎりの様に岩場が並んでいる場所である。
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オトギリソウは今が盛りであった。
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標高1400m付近からガスの中に突入。晴れていれば外輪山や新山まで見えるのに残念であった。
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最初はガスが薄くて50m程度の視界はあったが、次第に濃さを増してきて最終的には10〜20mの範囲しか見えなくなってしまった。
歩きながらボーっと視界に入ってくる花々を見ながら黙々と登るのみである。

ハクサンイチゲが結構咲いている場所もあった。
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笙ヶ岳山頂は少し西側の外れた場所に三角点がある。
周辺はトウゲブキ、ニッコウキスゲ、ハクサンイチゲ、ハクサンフウロなどが咲き乱れているが、強風が吹きすさんで寒いので、写真も撮らずに通過した。

少し下るとミヤマキンポウゲが群生している場所がある。黄色の花はガスの中でも明るい感じがする。
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笙ヶ岳から少し下ったところに雪田が残っていた。
周りは未だに芽吹きの状態で、コシジオウレンが可憐に咲いている。
ガスと強風では写真にならないが、岩の上に乗ってもらった一枚。
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三峰で休憩をとる。コーヒーを飲んで冷えた身体が温かくなる。
ここから岩峰との鞍部までは笙ヶ岳随一のハクサンイチゲとチングルマの群落があるが、視界が利かないので見える範囲が狭くイマイチであった。それにしても今年の開花は著しく遅い!
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岩峰への斜面はニッコウキスゲが盛り。御浜手前は咲き始めのものが多かった。
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岩峰を越えて吹浦口分岐を過ぎたところで、一人の女性に「SONEさんとマスさんですよね?」と声をかけられた。
ナカシィさんは私やマスさんのブログのファンだそうで、ご自身もブログを書いておられる。
仙台の山想会所属で、この日は会の事務局長さんといらしていた。
ナカシィさんのブログは → コチラ

ガスの中で御浜まで登っても意味がないので、鳥海湖分岐を右折して鳥海湖を目指す。
木道をトラバース気味に少し下ると急斜面に雪渓が出現した。
雪質は非常に硬く、斜度があるトラバースなので危険と判断して、雪渓の際を登って大きく迂回して登山道に復帰した。
そこから少し歩くと左下に残雪が見える。どうも残雪の下が鳥海湖らしいが、視界がほとんどないので分からない。

ベニバナイチゴが咲いている道を過ぎると急な階段下りになり、左手に御田ヶ原への分岐が分かれる。
この一帯にはチングルマやヒナザクラが多く咲いていた。
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階段をどんどん下っていくと道は突然残雪に断ち切られる。
右も左も下部もガスで様子がさっぱり分からない。
踵キックステップで少し下るが、雪が固くて全くキックが出来ず、仕方なく斜降気味にスプーンカットを利用して下った。しかし中盤以降は斜度が30度を超えてアイゼン+ピッケルなしでは下れない状態になってしまう。
そこで直降を諦め、左に大きくトラバースして雪田の端に出て草付き斜面を巻いて下った。
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登山道が雪解け水で川の様になっている地点を過ぎると蛇石流沢の渡渉点に出る。
そこから一段登ると池塘のある湿原で、チングルマが満開であった。

万助道の分岐に当たるカラ沢は微妙な状態のスノーブリッジが残り、万助道方面に入るのは難しそうだった。
そこから少しの登りで鳥海山随一の大草原:千畳ヶ原に出る。
T字分岐は整備が入り、河原宿方面へも木道が整備されたみたいである。
しかし鳥海山の楽園である千畳ヶ原も、この日は見るところ全くなし。
ゴウゴウと吹く強風と濃いガスの中、白っぽい木道だけを目で追って下るのみであった。

馬の背を過ぎて左に滑りやすい急坂を降りると月山沢渡渉点に出る。
雪解け水で増水しているのが心配であったが、石飛びで渡れる程度の水かさで一安心。
川の中間にある平らな岩の上で休憩して、軽い食事をとる。
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月山沢から下部は最初は二か所の滝が見えるはずであったが、ガスで音しか確認できない。
その後は森の清水まで合計16本も小沢を小さくアップダウンする根気のいる工程だ。
この小沢の石が非常に滑りやすく。渡る度に苦労するし、またまた湧いてきたブユの集団に纏わりつかれ、耳と腕を刺されて気持ちも滅入ってくる。

森の清水付近のブナ林は見事で、苔が付着していない色白の綺麗な樹肌をしている。
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その後はガクエの壺、玉粋ノ滝を眺め、多段の滝で迫力満点の三ノ滝に驚き、間ノ滝を樹間から見下ろして、二ノ滝まで下る。二条の二ノ滝は落差20mと迫力の点ではイマイチであるが、冬場の全面氷結した姿は最高らしい。
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一ノ滝駐車場から二ノ滝までは遊歩道が整備されて観光客の姿も多かった。
鳥海山の各登山道は石の上を歩く場合が多いので、二人とも足裏が非常に疲れた感じになっていて足取りは重い。駐車場に戻り、水場で汗をぬぐって着替えをするとさっぱりした。
酒田はこの日32度の真夏日になったそうであるが、山の上は寒さを感じる程の強風であった。
車で平野部まで下ると、鳥海山にかかる雲底は更に下がって、標高1000m以上は完全に雲に隠れていた。

連休の二日間は天候を見誤って展望的には最悪の山であったが、花三昧の二日間はそれなりに楽しめたと思う。

同行したマスさんのブログ記事は → コチラ


動画です。(大分遅れてのアップとなりました。)




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コメント(16件)

内 容 ニックネーム/日時
鳥海山は43年前・初めて登った山でした。
10月10日だったと思います・
滝ノ小屋に着いたのが7時でした。
誰も居ない小屋で・友3人で満天の星空の
中で酒を飲み交わし歌いましたね・・
河原宿からの大雪渓気持ちよく登った事覚えてます・
その後2度ほど登りましたが・人・人・人・・
疲れるなぁ・・です。
今は滝の小屋まで10分ですからね・
当時は湯の台から3〜4時間かかりましたよね・
今は日帰り可能ですね・入犬禁止でしょうね。
色々なコ−スあるんですね・
滝がすばらしいと云う事・ベテラン山友から
聞いてました・ほとんどのコ−スやっている方です。
一度滝のコ−スを連れて行くからと云われてましたが・
ク〜もいるし体力もなくなりましたよ・
写真見せてもらいながら・楽しませてもらいます。

ク〜
2010/07/21 17:43
その日まさおも笙ヶ岳にいったんですが。
妙な顔の大きい四角い物体いませんでしたか?
SONEさん、マスさんに会いたかったです。(残…  (残
あね
URL
2010/07/21 19:34
クーさん今晩は。
湯ノ台から滝ノ小屋まで3〜4時間とは、イイ時代に登りましたね。
当時は滅多に人に会わない山旅が味わえたのでしょうね。
そういう記憶は時が経っても薄れないものだと思います。
今は人気のコースはかなり上部まで車で登れるコースと相場が決まっていますね。
下部の樹林帯から汗を流して黙々登るのはトレンドに外れた行為かもしれません。
でも沢から登って山頂を踏み、別な沢筋を下って周回するコースは登山の醍醐味を与えてくれますし、歩き通したときの達成感が違いますね。
二ノ滝コースは小規模な岩場の段差を木を掴んで登り下りする場所が多いんです。
但し三ノ滝まででしたらクーちゃん連れでも大丈夫ですよ。
玉簾の滝や十二ノ滝など庄内の名瀑巡りもいいものだと思います。
SONE
2010/07/21 19:52
あねさん、黙ってお庭を荒らしたみたいですいません(笑)
今年は別の機会で庄内の山を狙っていますので、その時にお声掛けいたしますよ。
まさおさんには是非お会いしたかったですね。この日の笙ヶ岳では年配のご夫婦二組しかお会いしませんでした。ガスで極端に視界が悪かったから山稜で長居は出来ませんでしたよ。
SONE
2010/07/21 19:57
んんむ、渋みのコースでしたな。
鳥海は百宅コースもまだだしなぁ〜。康新道も歩きたし。
S40後半かな、噴火後の解禁で登りましたよ。まだ、きな臭かったなぁ。
姉さん、はじめまして…いつもポチッと押してますが…。
まだ見ぬ、まさおさんは何にも耐え抜く鍛えあげられた精神と肉体だべな。
マロ7
2010/07/21 20:21
マロ7さん今晩は。
最近ebiyanさんも長坂道を歩いていますが、お互い考えていた事は同じだった様です(笑)
鳥海で静寂のコースと言えば長坂道と百宅コースですね。この二つを歩かなければ鳥海を語ってはいけないと思っていますよ(苦笑)
昭和の鳥海山噴火には驚きましたね。しかし新山周辺のチョウカイフスマが噴火でも生き残っていたのは更に驚きでした。
SONE
2010/07/21 21:11
SONEさんのブログに出演させていただき光栄です。
ちなみに一緒だった男性は山想会の委員長で某登山教室の講師もされています。
事務局長さんも兼任しているかもしれません?^_^;
ナカシィ
2010/07/21 22:16
ナカシィさん今晩は。
ブログ多少拝読させていただきましたよ。今後もよろしくお願いいたします。
ご一緒の男性は委員長様でしたか。
組織化された山岳会には疎いので間違って記載してしまいましたね。
SONE
2010/07/21 22:29
このところSONEさんにしてはメジャーな山域だと思ったら、やはり達人ならではのコースですね。なるほどこのコースかと感心しながら山行計画の一つに入れています。
それに花にも恵まれてマスさんも嬉しそうですね。
なにかと忙しくて山へ行く日が限定されつつありますが、そのうちご一緒したいものです。
morino
2010/07/22 18:30
笙ヶ岳に行かれてましたか。U峰辺りからの新山の眺めがガスで見えなかったのは残念。19日は外輪は風が強くて酷かったらしいですね。
みいら
2010/07/22 18:33
morinoさん今晩は。
マスさんを連れていく場合、登っていないメジャーな山域が中心になりますが、お互いに人混みを嫌うので一寸ひねったコース取りになってしまいます。
連休中の二山は十分日帰り可能なコースですので、是非山の計画に盛り込んでくださいね。
マスさんは今まで花を意識しないで登っていたそうですが、今年から花に目覚めたみたいですよ。
私も仕事など予定が詰まっていますが、秋口にはご一緒できると思います。
SONE
2010/07/22 20:38
みいらさん今晩は。最近はお忙しくて登山をされていない様ですね。
笙ヶ岳からの展望を期待して天気予報も確認して行ったのですが、生憎の天気で花だけが慰めになってしまいました。
更に標高が高い外輪山では暴風に近かったと思います。
SONE
2010/07/22 20:42
 おお!、長坂道を登ったんですか〜。
私が、「ビール荷背負い逃げ事件」を起こした尾根です。(^^;

 山岳会の20周年記念で万助小屋に集った際に、私だけ道を
間違えて渡戸から長坂道を登ってしまったのですが、間違えた
のに気付いてからも、ひたすらの登り道が大好きな私は、あまりに
気持ちよかったのでそのまま登ってしまったのでした。(^^;;

 しかし、私のザックには乾杯するためのビールが2ケースも入って
いたので、さあ大変。万助小屋では捜索隊が編成されたそうです。
私が来ないことには全く反応しなかった隊長も、ビールが無いことが
分かると一変。すぐさま捜索隊を出したそうです。(オイオイ…)

 私としても、その様子を容易に想像できたので仕方なく戻って万助小屋
に遅れて入りましたが、随分と大袈裟な事態になっていたことには苦笑い。
まあ、良い想い出ですが。

 あそこは、いつかスキーで滑ろうと思っていますが、未だ実行していません。
SONEさんなら滑ったことがあるのでは?、と思いますが。
ファーマー佐藤
URL
2010/07/22 22:06
ファーマー佐藤さん今晩は。
>私が、「ビール荷背負い逃げ事件」を起こした尾根です。(^^;
の顛末を拝見して笑ってしまいましたよ(爆)
ビール2ケースも背負ってあの尾根を登るのも凄いですが、
人よりビールの捜索隊が出たのが傑作ですね(笑)
しかし、ひたすらの登りが好きな点はお互い似ていますね。

鳥海山は未だに滑っていないルート満載で、長坂道は滑っていませんよ。
灌木帯のシュカブラで滑れない、と言う話を聞いたことがあります???
スキールートとしては檜ノ沢〜万助道の方が面白いそうですよ。
SONE
2010/07/22 23:32
ガスで展望がないと、動画ってあんまり楽しくないもんだね。
登った本人は愉快だったけど。
きっと、動画映えしないんだね。
マス
2010/07/31 20:49
マスさん今晩は。
濃いガスの中だと、どの山でも同じにしか見えないよね。
動画も人と花しか撮影しないので変化に乏しいね。
SONE
2010/07/31 21:44

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2010.7.19 長坂道から笙ヶ岳(山形・鳥海山) 東北の山遊び/BIGLOBEウェブリブログ
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