東北の山遊び

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zoom RSS 2010.8.19 釜臥山と大尽山(青森・下北半島)

<<   作成日時 : 2010/08/24 19:24   >>

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朝から快晴の空、初めて訪れた下北半島の観光+登山の一日が始まる。
先ずは暑くなる前に下北半島一番の観光地:恐山に立ち寄った。ここを見ずして下北に行ってきたとは言えない(笑)

【 霊場恐山の由来と歴史(むつ市役所資料より) 】
慈覚大師が唐の五台山で修行中に、夢の中に一人の僧が現れ、「日本の東方に地獄のさまを呈し、しかも万病に効く温泉が湧いている霊山がある。帰国後はこの地を訪れ、地蔵尊一体を刻して、お堂を立て仏事に励むように。」
と告げて消え去った。
帰国後、東北地方の霊場を訪ねた大師は、本州最北の地に至った。
ある日道に迷っていると、一羽の鵜が魚をくわえて飛んでいくのが見えた。水を求めて奥へと進むと満々と水をたたえた宇曽利山湖を発見したのである。
周辺の荒涼とした風景はさながら地獄を見るようであり、豊かに湧く温泉は探し求めていた霊山そのものであった。
大師はお告げに従い、地蔵尊一体を刻んで、その中に持ち帰った地蔵経を納めて一宇を建立して祀り、今日の地蔵堂の基を開いたのである。(西暦862年)


恐山は約1万年前に起こった火山活動の名残をとどめている場所で、カルデラ湖の宇曽利山湖はph3.2〜3.6の強酸性湖として知られている。酸に強いウグイしか生息していないそうな。
湖岸から見る外輪山のひとつ大尽山は端正な三角形の山容で、山好きなら登らずにはいられなくなる山だ。
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入山受付所にて500円の入山料を支払う。
この時、大尽山への登路を受付の男性に伺うと、パンフレットのコピーを頂き、恐山から往復6時間強なので、南の角違から林道を辿ったほうが効率良く登れると言っていた。これで大尽山に登れる目途がつき安心して恐山観光が楽しめる。(このときは後で酷い目に遭うとは思っていなかった・・・)

総門をくぐり、次の山門をくぐると地蔵殿が奥に見えてくる。
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山門を振り返ると、恐山八峰のひとつ釜臥山や屏風山の姿が背後に見えてきた。
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本尊を安置した地蔵殿の前。霊場内には温泉施設もあり、他にはない独特の雰囲気に溢れていた。
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参拝経路に従って左回りに霊場の中を歩く。賽の河原は火山性の無立木のガレ場で、噴気があちこちに見られ、荒涼とした風景に地獄を思ったのであろう。
血の池地獄を過ぎると宇曽利山湖畔の白砂の浜に出て明るい雰囲気に変わる。
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その後も地獄巡りが続くが、個人的にはイソツツジやモウセンゴケなど高い山の植生が霊場内で見られた点が面白かった。
霊場を出てから車の中で朝食を取る。お話は前後するが、恐山街道の途中で汲んだ恐山冷水を飲みながらの朝食であった。
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次に向かうのが下北半島の最高峰:釜臥山(879m)だ。
最初は大湊の釜臥山スキー場から登る予定であったが、背中に直射日光を浴びてスキーゲレンデを登れる気温ではなく、苦労して登った山頂でサンダル履きの観光客に会いたくなく、恐山観光との接続が難しいので、今回は登山者にあるまじきヘタレの行動で、車利用で山頂直下まで楽々登った。

【 8╱19 釜臥山(879m) 青森・下北半島 】
釜臥山展望台〜釜臥山(往復)

展望台に向かう車道が午前8時半のゲート解錠なので、手前の大駐車場で20分程度待っていた。
その場所からは釜臥山が大きく見える。
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むつ市の係員がゲートをオープンして、その車の後を追う。
上部の自衛隊道路に接続するところで再びゲートが。解錠して自衛隊道路に入るとコンクリート道路となる。
そして釜臥山展望台の駐車場に到着。山頂に向かう遊歩道にも鍵がかかっていて、係の方がそれも解錠していた。
駐車場からは北海道の恵山がはっきりと見えている。
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早速遊歩道を釜臥山山頂まで登っていく。通常10分の工程と言われている。
付近にはトウゲブキやツリガネニンジンなどの残り花が咲いていた。
山頂に建設されている航空自衛隊の最新型レーダー(通称ガメラレーダー)は思った以上にでかい!
何か空中要塞に向かうみたいで、少しワクワクした気分になってくる。
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山頂直下の階段からむつ市を見下ろす。航空機から見下ろしている様な高度感があった。
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足元には陸奥湾と砂洲が伸びた芦崎の景観。遠く昨日登った吹越烏帽子が見えた。
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山頂には神社と一等三角点(まただ。)があるが、直ぐ西側にフェンスとガメラレーダーがあるため雰囲気は良くない。おまけにレーダーの工事用足場を設置中で、クレーンや作業の音がして落ち着かない。
麓から汗して登ってきたら余計にがっかりしたことであろう。

藪っぽい登山道を辿って南側の岩場の上まで行ってみた。この場所の展望は八甲田連峰も加わって素晴らしい。
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八甲田をアップにするとこんな感じ。
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改めてむつ市を俯瞰する。夜景は街並みの明かりがアゲハ蝶が羽を広げたみたいだと言う。
奥に尻屋崎が見えるが、風力発電の風車が林立する様を見て、行く気がしなくなった。
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駐車場に戻るまで二匹のマムシを見つけた。岩山ゆえにマムシが多いのかもしれない。
車に乗り、次に登る大尽山の登山口に向かった。

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大尽山は恐山で現地の方に情報を伺っていたので、楽勝で登れると思っていた山であった。
今年の春に発行された山と渓谷社の「東北百名山 地図帳」にも新規で紹介された山である。
しかしどちらの情報も安易に信じたのは大間違い。整備度最悪で藪漕ぎに精通した上級者ご用達の山であった。

【 8╱19 大尽山(828m) 青森・下北半島 】
登山口〜一体地蔵〜大尽山(往復)

今回の山旅で大尽山を登る候補に入れていたのは訳がある。
『恐山と下北 ほっつき歩記』森本守著・発行、の書籍で道のない大尽山への登山紀行が掲載されていて、山頂から望む宇曽利山湖の絶景と、山麓で採取した大量のナメコの写真を見てしまったからである。
下北に行く機会があったら絶対登ってやる、という野望を兼ねてから持っていたのだ。

南側の国道338号角違地区から登山口に至るまでは山名などの道標が一切ない。
大川目林道を山勘に頼って走行するのみだが12kmの距離は心配だ。

最近の豪雨の影響で途中から雨裂で溝や段差が出来た林道となる。この時点で最低地上高の低い乗用車の侵入は無理になる。でもRV車なら走行可能なのでドンドン突っ込んでいくと、道が鋭角に右折して急な登りになる付近から藪が被った林道になってしまった。途中で車を捨てて単身登山口までの偵察に行ってくる。約1km強の距離が残っていたが、車の走行が出来る様に、邪魔な横枝を全て手折って車に戻った。
ここから先、登山口まではSONEが経験した最悪の林道走行となった。キイキイとボディを擦る音は車が悲鳴を上げている様に聞こえる。(あとでコンパウンドで擦り傷を磨くのは大変だった。)
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やっとの思いで登山口に到着。20分で着く予定の林道が1時間10分かかった。
登山口には立派な看板が設置され、この山域を恐山山地と現地で呼んでいることが判明した。
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入口は道がしっかりしているため、登り1時間20分の楽なコースタイムの登山で、楽勝かぁ〜と思ったのは大間違い。緩登の道は直ぐに猛烈なササ藪になってしまう。
写真の場所は顔が見えているが、背丈が高いササの部分では全く前や足元が見えない藪漕ぎが延々と続いた。
だが不思議なことに足裏感覚で確実に登山道を拾えるだけの道幅は確保されている。
「ははぁ〜、これは地元のタケノコ採りの連中が通う道だな。」と直観的に感じた。
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ときどき現れる赤テープを頼りの藪道中が工程の8割は続いていて、藪に慣れた登山者じゃないと完全に道を失いかねない工程であった。現状では初心者では太刀打ちできない山道になっている。
余り藪漕ぎをしたことないマスさんも驚くと同時に、藪に対する自信をもったみたいだ(笑)

やがて広場に出ると一体地蔵があった。川内側からの道が左から合流するが、この道も藪っぽい。
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一体地蔵で少し休憩していると、森の奥から熊鈴の音が聞こえてきた。
平日に誰か登っているのであろうか?
疑問は直ぐに解決。一体地蔵から右折して直近の場所に、恐山から登ってくる道の分岐があり、その方面から3名の登山者(男性1名・女性2名)がちょうど登ってきたところであった。

ここで立ち話の情報交換。我々はここまで1時間。彼らは恐山から2時間半かかったらしい。
藪に関しては我々のルートの方が酷いみたいだ。
男性は以前、我々のルートにチャレンジして極悪林道で車のマフラーを壊した経験を持っている。
そのため恐山ルートでリベンジを図っている様だ。

彼らから先行して深いブナの森を登って行く。急に藪の繁茂が少なくなり歩き易い。
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下北特有のヒバ林に入り、傾斜が増す道をドンドン登っていくと、最終局面でまた猛烈なササ藪に出くわす。
直登と緩登を繰り返して、ニセピークに騙されながら登ると、やっと待望の大尽山山頂だ。
標高800mクラスの低山なのに、車でのアプローチを含めて、高い山に登ったときの様な達成感があった。
三等三角点だけがある山頂で、北側の大岩の上が眺めが良い。
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山頂からの最大の見どころは宇曽利山湖の展望だ。強酸性湖のため水の色が吾妻の五色沼みたいにコバルトブルーをしている。
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東にはさっき登った? 釜臥山の姿が見える。ガメラレーダーの存在で何処からでも同定できる山である。
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北側は恐山の外輪山のひとつ朝比奈岳。全山深いブナの森に覆われ。熊の宝庫と言われている。
背後には北海道が望めた。
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西側には下北半島の見知らぬ辺境の山並みが続いていて、奥に津軽半島が霞んでいる。
南には陸奥湾の彼方に八甲田の山々が同定できた。
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我々から15分遅れて3名のパーティが到着。
皆、凄い山だった、と感想を述べていた。彼らが恐山に帰りつくには午後4時までかかるであろう。

この日は登山は大尽山で終わりなので、長い時間山頂で休憩した。
そして気が重くなる藪藪工程の下山が待っている。一体地蔵でコーヒー休憩の後、例の密藪を漕いで下っていると、藪の奥から大型獣が藪を漕ぐ音が聞こえてきた。大声を出したり、手を叩いたりすると、大型獣は慌てて遠ざかっていったが熊だったのであろうか?

車に戻り、更にうんざりする極悪の林道走行を考えると憂鬱な気分になってしまう。
実際、12kmの林道走行が終わると、精神的に疲れた自分を感じた。
山以上に車の走行で緊張して疲れたのは初めてである。

そう言えば青森の有名な登山家:根深誠氏が著書で言っていた言葉を思い出した。
「総じて、青森県の山は整備が行き届いていない。より身近に自然に親しむためにも、山地を有する市町村なら、まじめに手入れされた里山が一カ所は欲しいところだ。」

そしてあえて苦言を呈すれば、これ程整備度が悪い山を東北百名山としたのは問題であろう。
まあ一般的には登山口まで辿りつかないから、遭難などの問題はないが、車は確実に痛めてしまうね。
結論:大尽山に登りたければ、現状では恐山コースが懸命です。

その後、川内のスーパーで食料を買い求め、ふれあい温泉に入浴して、野平高原キャンプ場で快適な一夜を明かした。夜は寒いくらいの気温であった。
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マスさんのブログ記事 釜臥山編は → コチラ 大尽山編は → コチラ

動画です。




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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
マムシと熊っぽいのよりも、車がこすれる音の方が精神衛生上よくなかった。
宇曽利湖の外輪山は、こんな感じの山ばっかりなんだろうね。
マス
2010/08/24 20:11
マスさんも車の悪路走行の方が嫌だったみたいだね。
自分でもよく登山口まで辿りついたと思っているよ。
恐山を取り巻く山は奥深く、どの林道も同じ状況かもしれないね。
SONE
2010/08/24 20:38
マムちゃんの画像は…。
恐山の寺は曹洞宗なはずだ。
住職は脱サラして出家したみたいだが、会社を辞める理由がなかったのでひらめいたのが坊さんになるからと言って…引くに引けなくなり坊さんになったそうだが。
ここ、いつかは訪れてみたいのだが、おっ家内がなぜか引っ込みである。
マロ7
2010/08/25 06:10
マロ7さんおはようございます。
恐山は元々天台宗の修験場でしたが、下北の覇権をめぐる戦乱に巻き込まれて(室町時代)堂寺の全てが破壊され、その後今のむつ市にある曹洞宗・円通寺の管理となって再興されたそうですよ。
名前やイメージはオドロオドロしいのですが、山の火山地形を見慣れていると、自分のテリトリーに戻った感じがする場所でした。縫道石山と掛け持ちでいかがでしょうか。
SONE
2010/08/25 08:40
宇曽利山湖の正面の山が大尽山なんですね・
記憶にありません・湖が綺麗だったような・
風車が沢山あって・気持ちが悪かったなぁ・
背中に何か取り付いたらとか考えて周回し・
食堂でアイス食べました・・
1杯飲めば10年、2杯飲めば20年
3杯飲めば死ぬまで若返ると言われる
水飲みましたね・私は飲まなかったなぁ・
まぁ凄い藪こき・・ダニ襲来ク〜は登れませんね・
でも景色は最高・・最後は・・笑顔で・わっははは・・

地元の美味しいもの買ってのキャンプ・・
楽しいですね・・私もシェフ歴長いですよ・
なんてね・・酒のつまみね・・
ク〜
2010/08/25 16:18
ク〜さん今晩は。
大尽山が存在しないと、恐山の風景も平板なものになってしまうと思います。
今の下北は風車だらけで、尻屋崎の車道の脇は風車が並び、立ち入り禁止になっているそうです。
恐山はカラッと晴れていたので、霊的なものは一切感じませんでしたよ。
冷泉は美味しかったです。とにかく冷たい。生き返る思いがしました。
大尽山の藪漕ぎは予想外でした。お互いにダニチェックは丹念にしました。
でも山頂からの景色は登った者にしか分からない素晴らしいものでした。
キャンプでのビールは美味しかったです。今後はもう少し食材を考えねば・・・
SONE
2010/08/25 18:20

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2010.8.19 釜臥山と大尽山(青森・下北半島) 東北の山遊び/BIGLOBEウェブリブログ
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