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zoom RSS 2010.9.9 鳥海山:祓川コース(秋田・鳥海山)

<<   作成日時 : 2010/09/11 21:01   >>

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高松岳から鳥海山を見たら登りたくなってしまったので、泥湯温泉から大移動して祓川に向かった。
考えてみると祓川はGWと夏の花のシーズンに各々2回ずつしか訪れたにすぎない。
GWはバックカントリーで大盛況だし、花の咲く頃も下の駐車場まで一杯になる人気コースだが、9月のウィークディは登る人も僅かで閑散としていた。

【 9╱9 鳥海山(2236m):祓川コース (秋田・鳥海山) 】
祓川登山口〜竜ヶ原湿原〜祓川神社〜タッチラ坂〜賽の河原〜御田〜七ツ釜〜康新道分岐〜大雪路〜氷の薬師〜舎利坂〜七高山〜虫穴〜新山〜虫穴〜七高山〜康新道経由〜康新道分岐〜七ツ釜〜御田〜賽の河原〜タッチラ坂〜祓川神社〜竜ヶ原湿原〜祓川登山口

朝の祓川は気温10度強。数日前までの猛暑が嘘の様で、長袖を着ないと肌寒さまで感じる。
祓川ヒュッテは窓が広く、夜明け前の薄明かりの状況で目が覚めてしまった。
そろそろ日の出が近いと思い、北側の部屋に移動してみると、真っ赤に染まった朝焼けが窓の外に展開していた。
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北東に目を移すと、岩手山と秋田駒ヶ岳が朝焼けの中にシルエットで見えた。
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観天望気のセオリーとして真っ赤な朝焼けは荒天になる、と言われているが、これは台風が残した雲によるものであろう。
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日の出が近そうなので、再び南側の部屋に戻り鳥海山を見上げる。
ちょうど朝日が登って山頂付近がモルゲンロートに輝いていた。
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またまた北側の部屋に移動して日の出を見る。雲がかかって丸い太陽は見えなかったが、日の出を拝むと真摯な気持ちになってくるから不思議。祓川ヒュッテは肌寒い屋外に出なくても朝日が見られる点では素晴らしい小屋だ。
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完全にお日様が登ると、赤く燃えていた鳥海山も何時もの色合いに戻る。
我々も車に戻って登山準備を始めようと、快適な一夜を提供してくれた祓川ヒュッテを離れた。


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7月下旬から8月上旬の花の最盛期には夜明けとともに駐車場が満杯になってしまうが、この日はSONE車を含めて3台のみ。実に閑散としている。
歩きだしは朝の6時半ごろ。この時点で気温12度で、山シャツを着ないと寒さを感じるほどだ。
それもそのはずで登山口の標高は既に1200mを越えている。

竜ヶ原湿原はエゾオヤマリンドウとウメバチソウが花盛りであった。
ここから七高山までは非常に近く見えるが、目の錯覚で標高差約1000m、距離約5kmある。

湿原を抜けると祓川神社を右手に見る。奥から湧き出している水は年中水温3度の凄烈に冷たい湧水だ。
タッチラ坂は石畳が多く、暑い時期には汗を流すところであるが、今日の涼しさは快適の一語。
どんどん登ると岩がゴロゴロした賽の河原に出る。周辺には背の高いシラネセンキュウが咲いていた。
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賽の河原上部の急坂を登っていく途中でオコジョが顔を出してくれた。
ちょこまか動いて上手く写真に収まらない。ちょうどマスさんが見える位置で立ち止まってくれたので、マスさんが撮影に成功。でもトリミングしてみるとピントが甘かったのが残念だった。
でもオコジョは何回見ても愛らしさに顔がほころんでしまう生き物である。
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急坂が終わると小さな湿原のある御田に着く。
今はシラネニンジンが花盛り。雪と水が豊富な鳥海山では9月に入っても花が多い印象だ。
イワイチョウもまだまだ健在であった。
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御田から急坂を登ると七ツ釜に出る。避難小屋は左手に下った位置にある。
七ツ釜は名前の通り火山岩質の渓谷に七つの釜が掘られた地形で、登山道からも一部の景観が垣間見える。

この付近から東側の展望が開けてくる。栗駒山、高松岳、虎毛山、神室山などの山々が雲海の上に浮かんでいた。山形の最上地方から南、そして奥羽山脈を越えた太平洋側は曇っているみたいだ。
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相変わらず白い色の花が道中延々と咲いている。モミジカラマツも多い。
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草原に出るとチョウカイアザミが咲いていた。
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焼石連峰を遠望する。登るに従い展望が開けてきて、見える山々が増えてくるのが楽しい。
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シロバナトウウチソウは御田より上部で沢山咲いていた。
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ベニバナイチゴをマスさんと食べてみる。やはり少し苦い。見た目とは逆に美味しくない木の実だ。
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右手に康新道を分けて、雪が消えた石ゴロの草原を登っていく。
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オクキタアザミは大雪路手前から見かけた。氷ノ薬師付近の群生が素晴らしかった。
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雪のない大雪路は味気ない。斜度のない雪渓の上を直線的に歩くのは楽しいが、ガレた斜面を歩くのは少し大変であった。
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大雪路上部から北側を振り返ると、太平山地の上に端正な三角形の山容をした岩木山が遠望できた。
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小さなゴルジュである氷ノ薬師の入口。ガスってたら何処を歩くのか分からない様なガレ場だ。
ここから見上げる七高山まで、まだ標高差で400mも残っている。やはり鳥海山はでかい!
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氷ノ薬師を通過して、方向を左手の尾根に変えて石畳の道を登って行く。
周辺は灌木帯から風衝草原に変わり、北側から東側にかけての展望が一気に広がる。
空気が澄んでいるので見える見える・・・男鹿半島、太平山、岩木山、森吉山、焼山、八幡平、大深岳、秋田駒ヶ岳、岩手山、和賀岳、真昼岳、女神山、早池峰山、薬師岳、焼石連峰、栗駒山、高松岳、虎毛山、神室連峰etc・・・何度も立ち止まって見渡す限りの遠望を楽しんだ。
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舎利坂に近づくとイワギキョウが未だに多く咲いている。シラタマノキも白い可愛い実を沢山付けている。
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火山礫で登り難い舎利坂は慌てずゆっくり登るに限る。大概の登山者は七高山が目の前に見えていながら、なかなか捗らない工程に顎を出すのだ。

そして左斜上気味に登ると七高山の北の肩に出て、岩石が累々と積み重なった新山ドームの異様が目に飛び込んでくる。
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一等三角点のある七高山(2230m)は外輪山の最高点で、西側は絶壁となっている。
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南東側には行者岳から伏拝岳にかけての外輪山が連なる。
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月山が雲海の上に顔を出していた。庄内地方は晴天域に入っていて、酒田市が眼下に見えていた。
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外輪山にある巨岩:虫穴の手前から右手にガレ場を下る。
下りきったところは新山と外輪山の鞍部だが、ここに毎年越年する雪渓がある。
今年は大分小さくなってしまって、現在も凄い勢いで溶けている状態であった。
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鳥海山大物忌神社でマスさんがお守りを購入。入口にチョウカイフスマの残り花があった。
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大物忌神社の前で。付近はトタンや資材が乱雑に置かれていて、あまり良い雰囲気ではない。
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千蛇谷を見下ろしていると20名くらいのパーティが登ってきた。
新山の登り降りで渋滞するのを嫌って、神社では休憩せずに新山に登って行く。
マスさんは鳥海山3回目で初めて新山に登るそうだ。過去に訪れたときは天候が悪かったらしい。

累々と岩が積み重なった中をペンキマークに導かれて登ると新山山頂だ。
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狭い新山山頂は好きになれないので、ひとつ西側の岩塔に向かう。
ここはお気に入りの場所で、鳥越川と赤川まで壮絶に落ち込む北壁の迫力と、稲倉岳の最高の展望台となっている。
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北側には康新道が伸びる火口壁が見下ろせる。ポコポコ浮かんだ積雲が夏の名残りを感じさせる。
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7月に登った笙ヶ岳と鳥海湖を見下ろす。あの時の残雪の多さが嘘の様で、完全に雪は消えていた。
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山頂からの大観を暫く眺めてから新山を後にする。下り始める地点に胎内くぐりがあり、中の祠は安産の神様だそうだ。
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再びガレた火口壁を登り七高山の山頂で昼食とする。この頃から雲が湧きあがってきた。
気温は暑くもなく寒くもない快適な温度で、風も微風で実に穏やかな休憩時間であった。

七高山から少し下ると左に康新道が分岐する。
康新道は展望と花の道で、今はホソバイワベンケイが赤く色づいていて綺麗だった。
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しかし康新道はガレ場が延々続くため、スタスタ降りられる道ではない。
ときどき崖っぷちを歩くところがあり、しかも草刈りが不十分なところも多かった。
でも8月上旬に歩いた時には、鳥海山でも有数の花の道であった記憶が今でも残っている。
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途中にダイモンジソウが咲いている場所があった。賽の河原でも多く見たが・・・
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康新道から新山を見上げる。外輪山はボロボロの崩壊岩で形成されていて、強固なドームの新山と対照的な双耳峰に見えた。
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途中から大きく右手の斜面をトラバースして矢島ルートに戻る。
後は往路を下るだけ。
石の上を歩く局面が多い鳥海山は足裏に負担がかかり易い。足裏にだるさを感じた頃に竜ヶ原湿原に戻った。
朝方に気がつかなかったがミズギクの残り花が咲いていた。
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結局この日は七高山から新山の区間以外は、誰にも会わない静かな鳥海山を楽しめた。
期待していなかった花も意外に多く咲いていて、今年最後の高山の花を堪能できた。
同行したマスさんも大満足の登山だったらしい。

帰路、登山の汗を流しに猿倉温泉:鳥海荘で入浴した。350円のリーズナブルな価格が良い。
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同行したマスさんのブログ記事は → コチラ


今回はちょっと長い動画です。




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コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
新田次郎風にいえば 血の色をしたモルゲンロートだね。
変な風に日焼けした以外は、何も不幸が起こらなくて良かったよ。
マス
2010/09/11 23:30
マスさん今晩は。
新田次郎の作品では、朝焼け+モルゲンロート=悪天候で遭難の方程式だからね。
でも今回の赤く染まった雲は台風の名残りの雲なので、最初から大丈夫だと思っていたよ。
SONE
2010/09/12 00:05
康新道を辿りたいと思っておりましたが、なるほど崖っぷちコースですね。
ルート開拓した佐藤康さんは地元は矢島の方で、戦地で負傷していたような。
そんな体のなか、鳥海山を守り続けていたようですね。
娘さんと同級の方がおりましてそんな話を聞きました。
いい、お山でございました。
マロ7
2010/09/12 07:22
マロ7さんおはようございます。
康新道は崩壊個所があり、一部で登山道が付け替えられていましたよ。
ガレ場で滑落すると赤川まで数百mも落ちる場所もあります。
佐藤康さんは祓川ヒュッテの管理人を37年間も務めた方で、その日記を『ひとりぼっちの鳥海山(無明舎出版)』に編まれています。また本棚から引っ張り出してきて今読んでいるところですよ(笑)
SONE
2010/09/12 08:00
 天候が安定して人は少ないという良い季節になりましたね。
オコジョが可愛いです。写真に撮るのは難しそうですが。

 「ひとりぼっちの鳥海山」を買ってこようかと思いましたが、
待てよ…、と本棚を見たらありました。あるということは
読んだはずですが、完璧に忘れています。
ナハ…、また読まなくては…。(^^;;
ファーマー佐藤
URL
2010/09/12 08:49
ファーマー佐藤さんおはようございます。
紅葉が始まる前の山は静かで良いですね。
オコジョの写真は私の位置からは葉っぱに隠れて上手く撮れませんでした。
動きが素早いので撮影は至難の業ですね。
『ひとりぼっちの鳥海山』は鳥海山の登山史を知るうえでも重要な本と思います。
昨晩から再読して止まらなくなっています(笑)
SONE
2010/09/12 09:51
朝焼けだけでも満足♪でしたが、
その後のコントラストバリバリ青空の景色、
水墨画のような山なみと、惚れ惚れします。
「山行きたい病」が発病しました(^_^)
ナカシィ
2010/09/12 14:53
素晴らしい朝焼けと景色。
鳥海はいいですねー。
オコジョには私も心字雪渓で遭いましたよ。チョロチョロと纏いつく様に一緒に下山したことを覚えています。
動画にもですね。
morino
2010/09/12 15:07
ナカシィさんと出会ったのは鳥海山の御浜の近くでしたね。
あの時はガスで何にも見えませんでしたが、今回は太陽と雲の素晴らしい競演を見せていただきましたよ。もう次の山は秋山が満喫できますね。
SONE
2010/09/12 15:56
morinoさんこんにちは。
独立峰の鳥海山は山の高さを感じて、しかも重畳と連なる山並みが魅力ですね。
心字雪渓は何回も登っていますが。オコジョに会えたことはないです。
石ゴロの所には結構いるもんなんですね。動画は少し尺が長過ぎましたよ(笑)
SONE
2010/09/12 16:00
朝日の色がすごいですね。
夏休みの喧騒が過ぎるとまるで別の山のように静かになりますね。
平日なら尚更だったでしょう。
私は康新道から稲倉岳の眺めが好きです。
康さんには会ったことがあるんですよ、学生の頃に。
結構お酒の好きな人だったような。
後から思ったのですが国定公園に道を拓くのは個人で出来るのかななんて。
人が歩けば道がつくんでしょうね。

あね
2010/09/12 17:14
あねさん今晩は。
また急遽お近くの山に登ってしまいました(笑)
雪山シーズンを除いて、山頂付近以外誰にも会わない鳥海山は初めての経験でした。
お陰様で鳥海山を徹底的に満喫できましたよ。
康さんに会ったことがありますか。温厚な方と評判の様でしたね。
ヒュッテに宿泊する登山者と飲みかわすのが唯一の楽しみだったとか・・・
康新道は恐らく町役場から康さんに依頼して道を拓いたのでしょうね。
大らかな時代であったとしても、国定公園法を順守せざるを得ないでしょうから?7
SONE
2010/09/12 18:30
連ちゃんお疲れ様でした。
これだけ天気が良くて空いてるのは珍しいですね。暴風雨で貸し切りと言うのは何度かありましたが。(^^;;;
山岳部の仲間が康さんについてちょいと綴っていたのを思い出しました。
http://www.geocities.jp/y_ataro/
みいら
2010/09/14 19:24
みいらさん今晩は。
いくら平日とはいえ、山頂界隈以外に誰にも会わないのは鳥海山では初めてでした。
山形道が無料なので、大半の人が山形側からアプローチにしている為でしょうかね。
ご友人のHP拝見しましたよ。康さんの知らない一面が綴られていて面白かったです。
SONE
2010/09/14 20:41

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2010.9.9 鳥海山:祓川コース(秋田・鳥海山) 東北の山遊び/BIGLOBEウェブリブログ
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