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zoom RSS 2010.11.27 鹿増山(宮城・二口山塊)

<<   作成日時 : 2010/11/29 00:55   >>

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宮城の岳人でも名前を知っている人がほとんどいない山で、もちろん地形図に山名は載っていない。
山形自動車道を西進して笹谷トンネルに入る手前の北側に、送電線が中腹を通過する目立たない山がある。
それが三等三角点峰:鹿増山で、仙台神室から南東に派生した尾根の山の鼻に当たる。

【 11╱27 鹿増山(1048m) 宮城・二口山塊) 】
国道286号・冬期通行止めゲート〜有耶無耶の関入口の看板〜山形自動車道を潜るトンネル〜朝日幹線363番巡視路看板〜北川渡渉点〜363番と364番鉄塔の巡視路分岐〜363番鉄塔〜鹿増山〜364番鉄塔〜363番と364番鉄塔の巡視路分岐〜北川渡渉点〜朝日幹線363番巡視路看板〜山形自動車道を潜るトンネル〜有耶無耶の関入口の看板〜国道286号・冬期通行止めゲート

23日に交通事故を起こした父親の状態が芳しくない。
完全に自爆の事故で、衝突して物を壊してしまい多大なご迷惑をおかけしてしまった。
しかし第三者を死傷させる人身事故でなかった点が唯一の救いである。
父親の怪我事態は若い人なら2週間で完治する程度のものらしいが、老化によるものか、事故後に強度の精神的ストレスに襲われ、現在は意思の疎通は何とか出来るが、身体の動きが極端に悪くなる後遺症がでてしまった。
医師には治る期待は持たない方が良いと言われ、必然的に今後の介護が避けて通れない事となった。
事故処理や保険手続き、入院中の母親への精神的なカバー、そして今後の生活の不安などで、私自身が精神的に疲れきって夜にほとんど眠れないでいる。

天気予報では曇りのち雨であったが、27日は朝から天気が良く、自宅の窓から泉ヶ岳がくっきりと見えた。
山を歩いて汗をかけば、自分の精神状態も少しは安定して、良い考えも浮かび、眠れる様になるとの願いから、病院から電話が入っても余り時間がかからずに駆けつけられる県内の工程の短い山=鹿増山を選んだ。
(14日の母親が体調を崩したとの電話→翌日入院、23日の父親の交通事故の電話など、最近山に行くとトンデモナイ悪魔の連絡が携帯に入るのだ。)

鹿増山への登路については山仲間ebiyanさんの山仲間であるマルゴさんのHPが参考になった。
道のない藪山については最初に何処から取り付くのかが一番の問題となる。
特に今回は東北電力の送電線巡視路を使わせて頂くが、鉄塔への最短の道筋が不明で、国道286号〜ムジナ森沢渡渉〜鹿増山南東尾根上の鉄塔という大迂回ルートしか思い浮かばなかったので、かなり手前から鹿増山南東尾根上の鉄塔に行けるルートが分かっただけでも大きい。

鹿増山への登山ルートは藪漕ぎがメインとなるので落葉後が望ましい。
自由に登路を選べる残雪期も考えたが、雪解け水で増水する北川の渡渉の問題があるので選択肢から外した。

先ず11月4日から冬期通行止めになっている国道286号線の笹谷ゲート前に車を止め、ゲートの横を通過して全く車が通らない国道を西進する。右手に山形自動車道があり通過車両のゴーゴーという騒音が凄い。
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右手には鹿増山南東尾根上にある二基の送電線鉄塔があり、その左手に目指す鹿増山の頂稜部分が見えてきた。
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坂下沢にある旧笹谷街道の入口を左手に分けて国道を進むと、左側に有耶無耶の関入口の看板を見る。
この地点から左に分かれた車道を下って行って、山形自動車道をトンネルで潜り、やや広くなった正面に巡視路の黄色い看板があった。
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急坂を下って北川に出る。この地点から下流側に少し歩いたところに渡渉点がある。
渇水期であるが登山靴を履いて渡渉できる場所はなく、スパイク長靴が便利だ。
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渡渉後は杉林→松林となり、どんどん左斜上する道が続く。植林の弊害になる低木は枝打ちされ、林床に雑多に置かれていて雑然とした雰囲気の登りが続く。途中の林の切れ目から霧氷が付いた雁戸山の姿が見えた。
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少しジグザグを繰り返して急な山腹をトラバース気味に登る様になると、363番鉄塔と364番鉄塔の分岐に着いた。天気の良いうちにハマグリ山から山形神室に至る脊梁山脈の東面を見たいため、先ずは363番鉄塔に寄り道することにした。
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松の植林地が続き、山形自動車道の騒音が登ってくるので深山にいる感じは全くしない。
363番鉄塔に行く途中で南側の展望が開けた場所があり、北蔵王の盟主:雁戸山が見慣れない構図で眺められた。
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小尾根の急坂を下ると363番鉄塔に出る。思った通りハマグリ山、トンガリ山、山形神室が連なって見えていた。
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右手に目を移すと仙台神室がピラミッド形のスカイラインを見せていた。
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笹谷峠から吹き下ろしてくる風が冷たく長居はできない。364番鉄塔に行こうと思って、小尾根を見上げたら鹿増山に直線的に最短距離で行けることに気が付いた。迷わず小尾根の藪の突入した。
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笹や低木の密度は薄いが、急こう配の尾根なので木に掴まりながら高度を上げる。
少し斜度が緩むと低木が煩くなり、本格的な藪漕ぎとなった。
しかしラッキーなことに尾根の左手に低木の枝打ちが入っていて、藪はないが、散乱した枝を避けながら歩く工程なった。この枝打ち斜面は高差100m程度続いてかなり楽させてもらう。

やがてブナの二次林となり、腰高の笹藪を漕ぐ楽な工程となる。
斜度がキツクなってくると目立つミズナラの木があった。
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ここまで地形図を全く見ない山勘で登ってきた。直登に次ぐ直登で木に掴まって身体を持ちあげて行く。
ヒノキアスナロが出てくると、その枝が邪魔になってきたので、大きく右手に斜上して南東尾根に出る。
そこには古い青テープと赤いテープが見られた。
平成19年に航空測量のために整備された道は完全に藪に埋もれ、踏み跡さえも定かでないところが多かった。

尾根がやせてきたところからは東側の展望が得られた。
送電線:朝日幹線の伸びる先には寺ノ沢山と、仙台市街地、そして太平洋まで見えた。
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南東側には北川に沿って東進する山形自動車道と、泣面山(左)、台形のシシナゴ山が見える。
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もうすぐ頂きか?と思ってからが長かった。傾斜がなくなった尾根を辿ると、やがて右手に伐採されて森が開けた場所が確認でき、腰丈の笹藪を漕いで中心まで進むと、笹に埋もれた三等三角点があった。
三等の文字が西側を向いている珍しい三角点であった。
山頂の周囲はブナの森が取り囲み、展望はほとんどなく、晩秋の冷たい風が吹き抜けていった。
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北西側の際まで藪を漕ぐと、木々の間から三角形の三方倉山と、左手には泉ヶ岳が見えた。
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鹿増山から北西に尾根を進むと仙台神室に至るが、こっちの方向からは高差150mの仙台神室南東壁が見えるはずなので、踏み跡の一切ない笹藪を漕いで北西方面に進んでみる。
なかなかお目当ての景色が開ける場所はなく、諦めて引き返そうとしたら前方の森が開けている場所を見つけた。
辿りついたその場所は仙台神室〜風の洞山〜相ノ峰の南面が一望に見える景勝地となっていた。
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仙台神室のアップ。南東壁の基部にある大穴が肉眼でも確認できた。
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神室東稜で二つのコブを持ち目立つ存在の風ノ洞山。
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左手に目を移すと、山形神室がかろうじて見えた。
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再び藪漕ぎで鹿増山まで戻る。
そこからは往路と異なり364番鉄塔を目指して下る。頂稜からの下りは思いのほか急で、しかも笹藪の背丈が高い。登りの場合は私が採った363番鉄塔から直線的に登った方が藪は薄く、傾斜もそれ程ではないみたいだ。

南東尾根を忠実に辿ると更に藪が濃くなってきたので、鞍部から西斜面を364番鉄塔に向かってトラバース気味に下る。低木の横枝がうるさいところもあるが、最後の深い笹藪を抜けると簡単に364番鉄塔に着いた。
ここからの西側の展望も見事だ。363番鉄塔の展望よりトンガリ山から山形神室の東面がはっきり見える。
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笹谷峠に向かって伸びる朝日幹線。この位置から笹谷峠を見たのは初めてであった。
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遅い昼食の前にセルフタイマーで記念写真を撮る。西風が襲ってきてとても寒い。
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風を避けて鉄塔の東斜面に逃げ込むと、柔らかい日差しに包まれて温かくなった。
おにぎりとバナナを食べて、最後にコーヒーを飲む。
雁戸山が逆光のシルエットで山形自動車道の上に立ち上がっていた。
登山ルートを考えている時や、藪に身体からぶつかっている時には両親の事は頭から消えているが、こうして休憩していると再び暗澹たる気持ちになってくる。深く一人で考えても埒が明かないのは承知しているが、こんな気持ちは2年前の愛猫達の介護をしていた時以来で、今回はそれ以上に気持ちが重い。
事態の変化に一喜一憂しないで、流れに身を任せていくしかないであろう。

昼食を終えて、鉄塔の基部から降りてきたルートを振り返る。
こんな藪山、私の後に続いて登る人なんているのだろうか?
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後は送電線の巡視路を下るのみ。ジグザグに急な斜面を下ると簡単に363番鉄塔への分岐に着いた。
そこから午前中に登ってきた松→杉の植林地を逆に辿って北川に降り立った。

国道286号に出ると、以前から車で通過して気になっていた「阿古耶の松」を見学した。
山形市の千歳山にも伝わる阿古耶姫と古松の悲恋の伝説がここにもあった。
幹周3.7m、樹高30m、樹齢300年と言われ、初代の松は名取川下流の橋げたとして使われ、当樹は二代目とされている。しかし川崎町指定天然記念物となっているが、周囲を杉林に囲まれ、弱っており、大切にされているとは思えない巨木であった。
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10時20分から歩き始め、車に戻ったのは13時30分。藪漕ぎの山としては簡単な山であった。
(しかし、地図読みや藪漕ぎが苦手な登山者は決して立ち入らない事。)
日々、症状が変化する父親と母親の見舞に行くのはちょうど良い下山の時間であった。


動画です。









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コメント(15件)

内 容 ニックネーム/日時
魅惑の鹿増山へ行って来ましたね。
やはり寺ノ沢山からのルートは続かないのでしょうかな。
この日、西方にいたなんてドッキリ、泣面山から寺ノ沢山以西は見えませんでした。
仙台山脈(私なりの呼び方)はいい景色でしたね。
マロ7
2010/11/29 07:15
マロ7さんおはようございます。
過去に大規模な伐採が入った山でしたので、藪化が激しいと思いチャレンジする気にならない山でしたが、思いのほか簡単に登れました。
山頂付近は3年前の測量の道もほとんど消えていて、寺ノ沢山から尾根通しの道は存在していなかったです。
そう言えば泣面山からは西側の展望は見えなかったですよね。
鉄塔から見た仙台山脈は新鮮なアングルでしたよ。
SONE
2010/11/29 08:13
空がすごく青くてキレイでしたね。
私はこの日初めての藪こぎを体験したので
サングラスをかけっぱなしで空の色がわからず、もったいなかったと今思いました。
SONEさんの気持ちが軽くなりますようお祈りしております。
ナカシィ
2010/11/29 14:36
こんばんは。
↑同じく空の青が目にしみます。
いろんな山の道無き道を歩いてしまうのは驚きです。
内蔵GPSが備わってるかのように。
27日はこちらも天気が良く冠雪した山々が美しく見えました。
御両親の介護は私などにはまだ想像も出来ないのですが大変な事だと思います。
でもSONEさんを頼りにして、それを幸せと感じてるはずです。
お体に気をつけて下さいね。


あね
2010/11/29 18:24
ナカシィさん今晩は。
こんなに深く青い空を久々に見ました。
藪漕ぎでは眼を突くと戦闘不能になってしまうので、サングラスは正解ですね。
一度酷く眼を突いて、半日片目が開けられない状態になったことがありました。
ご心配をおかけしておりますが頑張ります
SONE
2010/11/29 19:05
あねさん今晩は。
結局この日は一度も地図を取り出さないで歩きました。
入山の前日に大まかな地形を把握していると、後は常に現在地を意識しながら歩けます。
27日は天気予報が完全に外れて、御地でも素晴らしい天気だった様ですね。
両親の介護は近い将来のことと安易に考えていましたが、一気に二人が介護を必要になるとは想像も出来なかったです。
私自身も精神的に参ってしまうので、時間を見つけて山歩きは続けていくつもりです。
あねさんにもご心配をかけてしまいすいませんね。
SONE
2010/11/29 19:14
私達がいた山から7〜8キロ西側の山だったんですね。
仙台神室、風の堂山の切り立った姿は初めて見ました。なかなかのものですね。
こちらに熊さんの痕跡は無かったのでしょうか?
morino
2010/11/29 22:50
morinoさん今晩は。
お互いに意外な山に登っていましたよね。
鹿増山から見た神室東稜はなかなか迫力がありました。
植林地と伐採二次林が多かったので熊の痕跡は古い爪跡しかなかったですよ。
SONE
2010/11/29 23:30
こちらも東京の長男がバイク事故で重体。
まだ予断を許さぬ状態…しばらくお出かけは難しいかなあ。
タッシー
URL
2010/11/30 14:52
タッシー、あの初めて白石スキー場で会ったときの息子さんだろ。
予断を許さない状態とは余程の怪我なんだね。心配だよ。
SONE
2010/11/30 16:03
あらら、タッシー 大丈夫だよね。
たいしたことが無いように祈ります。
マロ7
2010/11/30 20:10
soneさんの山行記録を参考に2012・11・10鹿増山へ、山仲間4人で行つてきました#364鉄塔から鞍部までトラバスして山頂へ、鞍部から山頂の急登は熊笹が背丈ほど繁茂していて難儀しました。山頂も2年前より熊笹が、繁茂していて三角点をさがすのに時間がかかりました。この山は頂よりも途中や鉄塔から笹谷峠や仙台市街を眺がめる素晴らしいコ-スです。あまり訪れる人もいない藪山でも、ないもないのもさびしいので、小さな山名板を取つけてきました。
omshiroyama2008
2012/11/11 16:28
omshiroyama2008さん今晩は。
鹿増山に登られましたか。既存の登山道を外れて薮山を目指すと、山頂に着いたときの達成感が違いますね。
私が登った時よりも笹が伸びてしまって大変でしたね。
おそらく山頂で地籍調査の折に伐採されたものが、再び自然に帰ろうとしているのでしょうね。
山名板が一つでもあると、次に登った方が三角点を探しやすいと思います。
SONE
2012/11/11 23:05
soneさん今晩は、寺ノ沢山へ今年の5月13日磨崖仏入り口から、2009年のsoneさんの記録を参考にいつてきました。#369鉄塔を目指してましたが、途中左折するところを、右折(ここの所が間違いやすい、右側の方が途中まで踏み跡があり、左側が沢ぽいので)してしまい少し藪漕ぎをして#371鉄塔付近の巡視路へでました。案内板に国道へと書いてありましたが、道が途中で崩れており、危険な個所があるので通らない方がよいと思います。#371〜寺ノ沢山〜375鉄塔(展望好)までは流石、東北電力さん定期的に刈払しているので快適な登山道(巡視路)です.帰りは、#370〜#369を経由して迷わず帰れました。すばらしい眺めのコ―スなのでもつと利用されてもよいと思います。人があまり入つていないので、山菜類が、採れました。
omoshiroyama2008
2012/11/28 00:00
omoshiroyama2008さん今晩は。
25日は本当は寺ノ沢山に登るつもりでしたが、脊稜山脈に雲がかかっていたので中止し、オボコンベに転進してしまいました。
磨崖仏入り口から一度は登ってみたいと思っていましたが、道が崩れているところがありましたか。
太郎川から入ると、深めの渡渉があるので、その点が難点ですね。
まあ東北電力さんの送電線巡視路を使わせてもらうので、あまり大きな声で宣伝できない山でもありますが、仙台神室の素晴らしい展望は捨てがたいものがありますね。
SONE
2012/11/28 19:46

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2010.11.27 鹿増山(宮城・二口山塊) 東北の山遊び/BIGLOBEウェブリブログ
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