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zoom RSS 2011.2.11 綱取山(宮城・船形連峰)

<<   作成日時 : 2011/02/12 15:05   >>

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船形連峰の寒風山の南から、支脈が東方に分岐し幾つかの目立った峰を連ねている。広瀬川と大倉川に挟まれたそれらの山々は、一般登山家には一切顧みられず不遇の山塊となっている。
今回は林道を利用して比較的アプローチし易い網取山(961.8m)を目指した。

【 2╱11 網取山(962m) 宮城・船形連峰 】
熊沢林道入口〜熊沢林道最高点〜濁又林道出合い〜綱取山東尾根〜綱取山(往復)

広義では船形連峰に入る今回の山域は、ずっと気になっていた存在であった。
宮城県名勝地誌 川本金太郎 昭和6年の記述には次のようにある。「寒風山の支脈が東方に分岐し走る即ち高倉山脈なり。海抜三千三百尺、中に蕎麦倉山、横倉山、賢倉山等の連峰あり、時人称して大倉の五岳と云う。」
これでは山名と位置の同定は不可能。そこで旧宮城町誌を確認すると、概略の地図が掲載されており、異なった山名が同定できた。高倉山(901m)、綱取山(962m)、大富山(1024m)、深沢山(825m)、間倉山(975m)などである。
そして今回登った綱取山は三角点名を大綱取と言う。深沢山の三角点名は小綱取であった。
他に横倉山は十里平の南側にある三角点名であることが分かった。
広瀬川水系には大綱鳥沢と小綱鳥沢が存在し、各山々の名称を確定させるにはもう一調べが必要な気がする。


これらの山々には基本的に登山道は一切ない。しかも山頂近くまで林道が作られ、泉ヶ岳などから遠望してみてもかなり大伐採&造林が進んでいる山域と考えられた。
また作並から十里平に抜ける熊沢林道が極悪林道で、以前たった一回だけ走行して二度と通りたくないと思ったほど状態が悪い林道である。
それ故にこの山域を登山対象と考える人はほとんどいない模様で、ネット上では沢の遡行記録が若干見いだせるだけであった。でも混雑する山が嫌いなオイラには、逆に静かな山旅を味わえる魅惑の山域となっているのである(笑)

綱取山へのアプローチは定義如来を越えて、大倉最奥の集落である十里平に向かうことで始まる。
定義如来の手前・横川林道入口付近から目指す綱取山(左)が望める。
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十里平の手前から左折して車道の除雪最終地点まで車を乗り入れる。
ここから長い長い林道歩きが始まる。国道48号線に抜けるまで6.7kmの表示があった。
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最初はスノーモービルのトラック跡を登って行くが、それも僅かの距離で終わり、黙々と一人でラッセルをしていく。
しかし最近の暖かさで雪の底が締まっていて、くるぶし程度までしかスキーは潜らなかった。

北東側の展望が開けて北泉ヶ岳(左)と泉ヶ岳が一望できた。
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途中に数カ所、雪が降った直後なら雪崩の危険性が高い急斜面を横切るところがあった。
3月以降は上部からのブロック雪崩が発生し易いと感じた。

熊沢林道の最高点に着く。ここは広瀬川水系と大倉川水系の分水峠となっている。
左手に松沢山林道が別れ、右手には濁又林道の表示が???
帰宅後に調べてみると、峠の直ぐ西側から右に分岐する林道が濁又林道と分かった。
地形図上で記載されている南沢は別名;濁又沢と呼ばれたらしい。
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綱取山を目指すには濁又林道に入る。入口付近から急峻な綱取山の姿が見えた。未だ結構距離がある。
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林道のカーブミラーにて・・・
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林道が東尾根に一番近づいたところから林道を離れて尾根に取りつく。
(後で分かったが林道から離れるポイントはこの箇所以外に無かった。他の場所は法面が急で取りつけない。)

ブナ林の尾根を登っていくと、南側に松沢山(左奥)が見えた。ちょうど2年前に登った懐かしい山である。
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梢越しに蔵王連峰方面を望むが、雲がかかって天気は良くない。
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東尾根を忠実に登る予定が、中腹で地図上に記載のない林道が出現する。
法面をザックリ切られているので、直線的に登って行くのは不可能であった。
仕方なく林道を北に辿って、北側の尾根から取りつく。その付近から高倉山が眺められた。
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ここから山頂までがブナの原生林となり、一気に満足度が高くなってくる。
しかしクラストした旧雪に15cm程度の腐った新雪が乗って弱層が形成されているため、少し急斜面になると新雪面が大きくずれ落ちてシール登高に苦労する。
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立ち枯れに乾燥ムキタケを見つけた。傷んでいるので採るのは無理。
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山頂手前の峰まで乗り上げると、北側の展望が開けてくる。
大倉川の対岸に位置する後白髪山が大迫力で見えている。
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少し下って最後の登り。雪質はモナカになってきた。
今まで見えていなかった大倉五岳の最高峰:大富山が梢越しに眺められた。
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東西に長い頂稜を持つ綱取山の山頂の位置は迷わずに分かった。
航空測量のために少しだけ周囲のブナが伐採されている。
先週登った六方山の様に展望がないピークと思っていたが、それは良い方向に期待を裏切られた。
山頂は特に北側の船形連峰が一望できる素晴らしいところであったのだ。
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船形山の山頂避難小屋も同定できる。
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仙台カゴと楠峰の鋭鋒がバッチリ見えた。
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北西側には寒風山と奥寒風山が並んで見える。
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北側の展望の良さの半面、南側の展望はほとんどない。
ツボ足で歩きまわって、少しだけ展望が開けたところから撮った大東岳の写真。
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雪質が良かったら北側にある最高峰の大富山を往復することも考えていたが、鞍部から高差180mの登り返しもあるので今回は諦めた。別な機会に別ルートからアプローチしることにしよう。
山頂で腰をおろして船形連峰を眺めながら昼食をとる。晴れていた空も完全に曇ってしまった。
しかし風も穏やかな登山日和の一日であった。

山頂でシールを剥がして滑降となるが、モナカ→腐れ雪の連続なので全く期待していない。
安全第一。スピードを抑えて大きなターンでのんびり滑った。
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一つ目の林道から下の林道にショートカットしたのは誤算であった。
林道へ降りる法面の切れ目は超急斜面の窪状で、安易に雪面を横切ったら小規模な雪崩を誘発させてしまう。
雪崩の流れに乗って転ばない様に斜め下のブナの木の根元に逃げ込んだ。
スラフと言うより厚さ20cm程度の表層が一気に雪崩た感じで、林道まで小さなデブリが落ちていた。
これ以上スキーで雪面を切るのは危険と判断して、スキーを担いで直線的にツボ足で林道に降り立つ。

林道滑降は途中で歩きや推進滑降の個所があるものの快適の一語。勝手に直滑降で滑っていく。
一歩一歩歩くカンジキやスノーシューとは大違いで、長い林道歩きを嫌って山スキーにしたのは正解であった。
峠付近の崖崩れ個所だけツボ足となったが、他は滑りっぱなしで短時間で車に戻れた。

帰路、十里平の方に偵察に立ち寄る。正面に白髪山が見えていた。
綱取山は意外に掘り出し物の山であったと思う。(笑)
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トラックログ。(この地図は国土地理院の二万五千分の一地形図を利用しています。)
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動画です。(今回は少し長い動画です。)


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コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
30年くらい前に軽ワゴンで熊沢林道を通りました。
もう、荒れているんでしょうね。
十里平まで入ると、お山の展望がひと味違いますね。
自作出演も素晴らしい。(~o~)
マロ7
2011/02/12 18:34
またまた知らない山です。
いい景色が見られる山ですね。
林道滑降は手持ち?どこかに固定?臨場感ありますね。
morino
2011/02/12 20:44
名前を知っている山も知らない山も綺麗に見えますね。
やっぱりスキーの行動力は早かったですか。
私も滑りが楽しめない場合には展望が良いと満足感を感じます。
みどぽん
2011/02/12 21:08
マロ7さん今晩は。
関山街道が大渋滞の時に暗くなってから熊沢林道を越えましたが、よく事故を起こさなかったと思うほどの極悪路でしたね。サイドボディが傷だらけになってしまいましたよ。
十里平までの車道はほとんどアイスバーンで車の走行に注意が必要でした。
山スキーだと素早い動きが出来ないので、どうしても自分撮りの動画は難しいですね。
SONE
2011/02/12 21:36
morinoさん今晩は。
ネットで検索しても全く名前もヒットしない山ですので、知っている方はほとんどないと思います。景色の良さには驚いた山でした。予想を遥かに超えた絶景が見られましたよ。
林道滑降は片手にまとめてストックを持ち、右手でデジカメを手持ちで撮影しました。
スピード感がでましたね。
SONE
2011/02/12 21:39
みどぽんさん今晩は。
普段見れない新鮮なアングルから知っている山を眺めると、それだけで満足感を感じますね。
今回は悪雪でほとんど満足な滑りは出来ませんでしたが、林道の直滑降ではスキーの機動力を再確認できました。歩きでしたら嫌になる距離だったです。
SONE
2011/02/12 21:43
こんばんは
下りはスキーは早いですからねえ。歩いたら確かに嫌になる距離です。私の足でスノーシューだと登り4時間はかかるので無理ですね。でもここから県境付近の山にはなにか癒されるものがあります。
tom
URL
2011/02/12 23:52
tomさん今晩は。
林道の下りは本当に早かったですよ。
モナカ雪でしたのでスノーシューだと帰路に苦労したかもしれません。
スノーシューなら登りも4時間みなければならないでしょうね。
何れ県境に抜けるつもりなんですが何時になることやら???
SONE
2011/02/13 19:45
こんばんは
地図を見ていると歩いてみたくなる山域ですね。
soneさんのブログで山名を知ることができ、すっきりしました。
十里平から手軽(うちからは泉ヶ岳よりも近いので)に山スキーに適し
たブナの斜面がないかと高倉山から大富山周辺で探しています。
先日は藪に負け敗退しましたが、今日は別ルートで高倉山に登れました。
展望は今ひとつ、頂上周辺を除くとブナ林も今ひとつでした。
素直に北泉で滑った方がいいのかなとも思いました。
綱取山の周辺も、伐採されてしまいブナはあまりないのでしょうか?
大富山は、林道周辺は見たかぎりでは、何十年前になるか知りませんが
大規模な伐採があった感じです。
tobusan
2011/02/14 00:22
モナカ&クサレ…
雪質もっと良いと思ったのにね、残念でした。
ココは誰か滑ってる?初滑降?(笑)
タッシー
URL
2011/02/14 12:00
モナカ・・・いやな単語ですね。
しかも、先週は寒暖の差が激しかったせいでしょうか、雪の安定性もよくないですね。

この山、よくは存じ上げませんが、地形図を見る限りウロコ板に向いているような地形ですね。
アルペンのウロコ板を自作して登っている人を見かけたことがあります。
1台制作されてはいかがでしょう?(春は楽しいと思いますよ。)
Mt.Racco
2011/02/14 12:17
tobusan今晩は。
一般登山の空白地域なので以前から興味を持っていた山です。
今回も高倉山や大富山方面の観察を行いましたが、意外に急峻な尾根筋を持っていて山スキー向きの斜面は少ない感じでしたね。
滑り中心なら北泉の方が快適なことは間違いありませんね。
綱取山周辺も山頂から高度差200mまでブナ原生林が残っていましたが、それより下は大規模な伐採が過去に入っていて、ほとんど密林状態で山滑りは出来ない様でしたよ。
SONE
2011/02/14 20:47
タッシー今晩は。
温かい日が続いて雪質は最悪と思って入山したので悪雪でもがっかりしなかったよ。
この山はマーキングが一切ないし、登った記録を見たこともないので初滑降かも?
でもオイラみたいな物好きが絶対前に滑っていると思うよ(笑)
SONE
2011/02/14 20:51
Mt.Raccoさん今晩は。
予想通りのモナカ&悪雪でしたが、15〜20cmの表層の雪の安定性が悪いのには閉口しました。
この山は林道歩きの部分はウロコ向きですが、最後に斜度35度近い急登があるので、その部分はウロコは太刀打ちできないかもしれません。
私的にはウロコはテレマークでのみ生きると思っていまして、ウロコ板を持ちたくなったら絶対にテレの世界に足を踏み入れてしまいそうです(笑)
SONE
2011/02/14 20:57

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