東北の山遊び

アクセスカウンタ

zoom RSS 福島第一原発災害と阿武隈山地

<<   作成日時 : 2011/05/30 11:59   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 9 / トラックバック 0 / コメント 14

東日本大震災の大津波により、福島第一原発の核燃料の冷却機能が全て失われて、核燃料がダウンしメルトダウンし、それにより福島県の浜通りを中心に、大量の放射線物質が広範囲に飛散したのは周知の通りである。
私は冬場に脊梁山脈が荒れた天気の時に、よく阿武隈山地の山を訪れていた。
『困ったときの阿武隈山地』と称して愛して止まない山域だったが、その阿武隈山地が本当に困った事になっているのである。



100%安全が大原則の原発がこれほど脆弱なものとは考えもしなかったが、1000年のスパーンで訪れる悪魔の様な大津波と地震の存在を一切無視し、全く安全でない発電施設を日本国内に54基も建設・稼働させた前与党の罪は大きいと思う。
地球50億年の年齢からすれば、たった1000年なんてほんの一瞬に過ぎない時間スケールであり、それを研究対象から一切除外した地震・災害関連の学者の想像力のなさには呆れてしまった。
国内最大級の今回の津波や地震被害を想定した原発施設を建設する場合には、建設費が莫大なものになり、費用対効果が見込まれないので、安易な安全係数を設定して原発を建設したのであろう。
津波被害以外に地震の揺れから原子炉の冷却系配管が損傷したのが判明した今、極端な話し、地震国の日本で原発の稼働は所詮無理であったと言える。
行き場をなくしている使用済み核燃料の処理方法も含めて、原発の将来は問題山積であろう。

日隠山の展望台から眺めた太平洋。右手の建物が福島第一原発
画像




【 福島第一原発の放射性物質汚染地域 】

震災後の核燃料メルトダウンにより水素爆発で建屋が損壊、それにより飛散した放射性物質の汚染は考えられないほど広範囲に及んでいる。
チェルノブイリに比較すると拡散した放射性物質の総量は多くないと言われているが、福島第一原発を中心に何十年単位で人が住めない地域が出る可能性は否定できない。

画像

2012年3月11日までの累積放射線量(単位はミリシーベルト、2011年5月17日付毎日新聞朝刊)

福島第一原発の避難地域は大きく区分すると4つに分かれている。

(一時帰宅禁止区域)
福島第一原発から半径3km地域。双葉町と大熊町。

(警戒区域:20km圏内)
この区域内の全ての住民が避難対象となっており、放射線汚染の可能性が高く、立ち入りも禁止されている。

双葉町・大熊町・富岡町の全域。南相馬市・浪江町・田村市(旧都路町の一部)・川内村・楢葉町の一部。

(計画的避難区域)
事故発生から1年の期間内に積算線量が20ミリシーベルトに達するおそれのあるため、住民等に概ね1ヶ月を目途に別の場所に計画的に避難を求める区域。
国際放射線防護委員会(ICRP)と国際原子力機関(IAEA)の緊急時被ばく状況における放射線防護の基準値(20から100ミリシーベルト)を考慮している。

飯舘村(全域)・川俣町の一部(山木屋地区)・葛尾村(20km 圏内を除く全域)・浪江町(20km 圏内を除く全域)・
南相馬市の一部(高倉のうち、字助常、字吹屋峠、字七曲、字森、字枯木森 ・馬場のうち、字五台山、字横川、字薬師岳 ・片倉のうち、字行津 ・大原のうち、字和田城 )


(緊急時避難準備区域:30km圏内)
福島第一原子力発電所の事故の状況がまだ安定していないため、今後なお、緊急時に屋内退避や避難の対応が求められる可能性が否定できない状況にある。このため、緊急時避難準備区域においては、住民に対して常に緊急的に屋内退避や自力での避難ができるようにすることが求められる。(以前屋内退避区域としていた地域。)
また「緊急時避難準備区域」においては、特に、子供、妊婦、要介護者、入院患者の方などは、この区域に入らないよう、ご協力をお願いしている。なお、この区域内にある、保育所、幼稚園や小中学校及び高校は休園、休校となっている場合が多い。

広野町全域・楢葉町(20km 圏内を除く全域)・川内村(20km 圏内を除く全域)・田村市の一部(都路町、常葉町堀田全域および山根地区、船引町横道地区)・南相馬市の一部


五十人山から眺めた太平洋。20km圏内の手倉山と十万山が見える。
画像


*地図をネットから拾ってきました。↓のリンクで見られます。
http://maps.google.co.jp/maps/ms?gl=jp&ie=UTF8&oe=UTF8&msa=0&msid=216614052816461214939.00049e41a88ce9b7c54b6


私は今回の原発災害によって汚染された阿武隈山地が大好きであった。
西高東低の冬型の気圧配置で吹雪模様の脊梁山脈から逃れるために、冬場に晴天域の広がる阿武隈山地を彷徨する事が多かった。
冬枯れの明るい雑木林を落ち葉をサクサクと踏みしめながら歩き、干し柿が吊るされた山村の風情を見る時、そこに日本の山里の原風景を見る思いを抱いていたのである。
そんな好ましい地域が放射性物質で汚染され、そこに住んでいた方々が難民の様に放浪の避難生活を強いられている。
核燃料が水素爆発の心配がない完全な冷温停止状態になり、それを炉内から取り出して、安全が完全に確保されるまでは、現在の避難状態は解消されないであろう。
それが何時の事か? 放射性物質を除染する確立された方法が見つかるのか? 
チェルノブイリは広い国土の一部を完全に立ち入り禁止区域として対処したが、狭い国土の日本ではそんな簡単な問題ではないのだ。世界の英知を集合させて、今回の問題を早期に改善して欲しいものである。


福島第一原発に一番近い登山道のある山:十万山の山頂付近。
画像




【 阿武隈山地の登山について 】

拙ブログは山ブログなので、今までブログ記事で紹介してきた山々(記事にリンク)や、登った経験のある山々が現在登山可能な状態なのかを調べてみた。(但し、南相馬市と川俣町の一部で登山可否が微妙な山がある。)


(警戒区域:20km圏内の山)
現在は立ち入りが禁止されている山。

十万山(標高448m)  原発からの距離10.7km。
日隠山(標高602m)  原発からの距離11.9km。
○大倉山(標高593m)  原発からの距離13.1km。(山頂一帯が遊歩道として整備されている山。)
○戸神山(標高430m)  原発からの距離13.5km。(十二支の像が山頂まで置かれている変わった山。)
郭公山(標高448m)  原発からの距離16.5km。
手倉山(標高631m)  原発からの距離18.2km。
○八丈石山(標高507m) 原発からの距離18.5km。(マツタケの止め山として収穫期には入山禁止となる。)

自然度が高くて気に入り、何回も登った手倉山。山頂の岩場からは鎌倉岳が見える。
画像



(計画的避難区域の山)
事故発生から1年の期間内に積算線量が20ミリシーベルトに達するおそれのある地域と言うことで、登山目的で日帰り程度では被ばくの恐れは無いであろうが、住民が避難している事を考慮すると、空き巣被害の防止の観点から、立ち入り禁止処置がなされていると思う。

●飯舘村(全域)
○小太夫山(標高722m) 原発からの距離28.1km。(送電線の巡視路を利用して登れる山)
野手上山(標高629m) 原発からの距離31.6km。
○白馬石山(標高821m) 原発からの距離32.8km。(名前に惹かれて登ったが踏み跡程度の道はある。)
高太石山(標高864m) 原発からの距離33.1km。
○羽山(標高435m)    原発からの距離39.3km。(はやま湖の北岸にある岩山。女人禁制となっている。)
花塚山(標高918m)  原発からの距離41.2km。
虎捕山(標高706m)  原発からの距離46.5km。
●川俣町の一部(山木屋地区)
○口太山(標高843m)  原発からの距離42.9km。*川俣町側からは登山可能か?(姥捨て伝説の山。)
●葛尾村(20km 圏内を除く全域)
五十人山(標高883m) 原発からの距離26.3km。
日山(標高1057m)    原発からの距離33.8km。
蟹山(標高869m)    原発からの距離30.6km。
●浪江町(20km 圏内を除く全域)
中の森山(標高803m) 原発からの距離27.3km。
●南相馬市の一部(高倉のうち、字助常、字吹屋峠、字七曲、字森、字枯木森 ・馬場のうち、字五台山、字横川、字薬師岳 ・片倉のうち、字行津 ・大原のうち、字和田城 )
○毘沙目木(標高522m) 原発からの距離20.4km。(一等三角点の山。)
○懸の森山(標高530m) 原発からの距離20.8km。(大岩に山の神が祀られた山。)
五台山(標高450m)  原発からの距離22.5km。
国見山(標高564m)  原発からの距離25.2km。 *避難区域か不明。
立石(標高475m)    原発からの距離35.9km。 *避難区域か不明。

阿武隈有数の雑木林の残された五台山。再び登れる日が待ち遠しい。
画像


(緊急時避難準備区域:30km圏内の山)
福島第一原発事故が未だに安定していないため、原子炉格納容器爆発などの緊急時に屋内退避や避難の対応が求められる可能性がある山域。但し対象地域の汚染度は福島市より低い地域もある。)
現状では登山規制している可能性は薄いが、入山する場合は地元の市町村役場に確認が望ましい。

●広野町全域
○五社山(標高686m)   原発からの距離24.8km。(山頂一帯が公園化している。太平洋が一望の山。) 
●楢葉町(20km 圏内を除く全域)
○登山対象となる山は無し。
●川内村(20km 圏内を除く全域)
○弥宣の鉾(標高655m)  原発からの距離20.6km。(山頂のテレビ塔の保守道を使って登る雑木林の山。)
○五社山(標高598m)   原発からの距離22.8km。(八幡神社が祀られた岩場のピーク。)
○糠馬喰山(標高737m)  原発からの距離24.0km。(何の変哲もない小さな里山。)
○桧山(標高992m)     原発からの距離26.5km。(牧場の中を登る展望の山。三角点が分かり難い。)
○高塚山(標高1066m)   原発からの距離29.2km。(キャンプ場も整備されたツツジが美しい山。)
○万太郎山(標高959m)  原発からの距離29.2km。 (*西側から登れば避難区域にかからない。ブナの山。)
大滝根山(標高1192m)  原発からの距離30.2km。 *西側から登れば避難区域にかからない。
●田村市の一部(都路町、常葉町堀田全域および山根地区、船引町横道地区)
鎌倉岳(標高967m)    原発からの距離30.8km。
●南相馬市の一部
○登山対象となる山は無し。



【 放射性物質の内部被ばくについて 】

現在流通している農作物や魚介類については、農林水産省において放射能汚染の厳密な検査を行っているので問題はないと思っているが、山菜採り、キノコ狩りは放射能によって汚染されている地域では個人的に汚染度の調査のしようが無いので危険だと思っている。
土壌は放射性物質に汚染されやすく、そこから生える植物・菌類は放射能の影響を受けやすい。
特にキノコは地中に菌糸を広く延ばしていて、そこから放射性物質を取り込む可能性が高い。今の季節で言えば、私は採取した事がないアミガサタケにはセシウムを特異的に濃縮する性質があるとも言われている。

また野菜でもジャガイモなどの根菜類は放射性物質を取り込み易いという調査結果もあり、山菜で言えば秋に収穫される山芋などが特に危険性が高いと思われる。
山菜採りやキノコ狩りは東北の食文化なので、放射性物質の内部被ばくを阻止するためにも、どこの山が危険で、どこの山が安全かの指針を行政側で提示して欲しいものである。
また狩猟で仕留めたイノシシなど鳥獣の肉の汚染度測定も必要であろう。


原発事故が早期に終息して、避難されている福島県人の方々が一早く普通の生活に戻れる様に願ってやまない。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 9
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた 驚いた 驚いた
ナイス ナイス

コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
こりゃまた詳細データ、おっつぅ〜です。
改めて見ると悲しさ倍増だよ。地元の山々だけにね…
いつになったら登れるのかわからないけど、必ず行きたいよ!!
タッシー
URL
2011/05/30 12:51
タッシーこんにちは。
年に何回も訪れてお世話になっている阿武隈山地なので、その登山可否が現状どうなっているのか調べてみたよ。予想外に広範囲に汚染地域が広がっていて悲しくなったのも事実。
今回の原発騒動が収束したら、また登りに行きますよぉ。
SONE
2011/05/30 16:09
3.11以来ため息の出ることばかりです。
一日も早い収束を祈るしかないです。
morino
2011/05/30 17:30
morinoさん今晩は。
震災以来、山へ行くモチベーションが少し下がってしまいましたねー。
今朝の新聞で年内の収束は難しいと東電が言っていましたが、急いで対処して欲しいものです。
SONE
2011/05/30 18:20
リストを数えてみたら1/3も登っていないよ。
昨年、日隠山から見た鎌倉岳に目がいきました。
今年の目標でしたが…残念です。
こうして見ると、画像は「マロとサクラの微妙な関係」だったね。
マロ7
2011/05/30 19:20
マロ7さん今晩は。
何れ将来的には登れる様になるのですが、何時そうなるのか全く五里霧中の状態ですよね。
阿武隈山地の山々ではほとんど全ての山開きが中止となっていますね。
鎌倉岳は立ち入り禁止区域ではありませんが、自己責任で判断すべき地域なのでしょう。
懐かしい十万山の写真、やはり最後の登山となったマロを載せてみました。
SONE
2011/05/30 19:29
僕の故郷 飯舘村も避難区域になってしまい、両親は福島市内に住むことになりました。
仕事や趣味の菜園などの生きがいも奪われ、不自由な生活を送ることを思うと心が痛いです。
 
僕は二月から東京で生活していました。離れていると余計心配したり、現実感がなくて夢のように思ったり、不安な気持ちでいます。

飯舘村は美しい自然の残る僕の大切な故郷。
福島県には大切な人、大切な場所が沢山あります。
また、みんなが笑顔で生活出来る事を願うばかりです。
B
2011/05/30 20:00
Bさん久しぶりですね。
ご両親が福島市内で避難生活を送られているとは、大変な事になってしまいましたね。
飯館村は原発や海から離れている地域なので、住民の皆さんにとって今回の避難は何で?と言う気持ちでいっぱいなんだと思います。
故郷を一時的にしても、こんな形で喪失するのは心が痛いでしょうね。
私も早くあの美しく優しい阿武隈の山々に行けることを願っていますよ。
SONE
2011/05/30 20:21
本当に参ってます。40キロくらいしか離れていない場所にいるので、原発情報に振り回されています。県内の桧原湖のワカサギも基準以上の放射性物質が検出され、もちろん市内のアユはダメです。
本日の地方紙では、安達太良連峰、吾妻連峰の雪中の放射性物質(セシウム)の数値が標高1300m付近で高い傾向とありました。(特に高かったのが箕輪山でした)
福島県内でも、山を隔てた奥会津や南会津ぐらいしか安心できない状況です。
みどぽん
2011/05/30 21:03
みどぽんさん今晩は。
報道の度に悪い情報が飛び出してくるので、福島の方々は気が気でないでしょうね。
宮城でも牧草に基準値以上の放射性物質が出たそうです。
もう少しきめ細かな汚染情報が知りたいですね。
安達太良や吾妻の中通りの山にまでセシウムが検出されたとは驚きました。
私の記載した山の登山可否は、かなり深刻な地域と考えた方が妥当なんでしょうかね。
SONE
2011/05/30 22:59
SONE さん

>私の記載した山の登山可否は、かなり深刻な地域と考えた方が妥当なんでしょうかね。

特に、浪江、飯舘から伊達方面にかけてが高いようです。
ちなみに、雪山の放射性物質の状況は、http://www.minyu-net.com/news/news/0530/news9.htmlに概要が載っています。
みどぽん
2011/05/30 23:28
みどぽんさん今晩は。
リンク記事拝見しました。3月15日に時点で安達太良や吾妻にまで放射性物質が飛散していたのですね。
浪江と飯舘はホットスポットと言われる、放射性物質が一地域に集まる現象が見られると新聞に書いてありました。
同じ新聞社の記事でタケノコとシイタケからセシウム検出と出ていましたが、会津のネマガリタケは大丈夫みたいでしたね。
http://www.minyu-net.com/news/news/0530/news3.html
SONE
2011/05/31 17:20
阿武隈山地は大好きな所、私が初めて訪れたのは竹貫鎌倉岳、そして、冬の背戸峨廊(2010/1/30)、二ツ箭山(2010/4/17)などが最後です、特に背戸峨廊は真夏か紅葉時に孫を連れ2011年には行ってみたい、しかし、検索しても安心登山の報告は無い、、、。東北大震災のニュースは毎日だが、登山関連は全くない、、旅館等のニュースはあるけど、安心キャンペーンが広範囲に行われていないように思うのですが?
吾妻の瞳(魔女の瞳)も放射能に汚染されているのでしょうか?登れないのでしょうか?
fumikai
URL
2011/11/11 11:59
fumikaiさん初めまして。拙ブログにコメントをいただき有難うございます。
竹貫鎌倉岳も登った事がありますが、趣のあるいい山ですね。
現在、いわき市役所のHPを検索すると背戸峨廊と二ツ箭山は入山禁止となっておりますね。
掲載内容は⇒「東日本大震災」や、その後の度重なる余震、大雨等の影響により、夏井川渓谷「背戸峨廊」及び「二ツ箭山」において、落石や登山道の一部損壊が生じていることから、入山ができませんので、お知らせします。なお、入山が可能となった場合は、改めてお知らせいたします。
特に阿武隈山地については放射能汚染で皆さん足が遠のいている印象ですね。
但し、吾妻連峰や安達太良山は問題なく入山可能ですよ。
SONE
2011/11/11 21:42

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
福島第一原発災害と阿武隈山地 東北の山遊び/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる