東北の山遊び

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zoom RSS 2011.8.22 袴腰岳(青森・津軽)

<<   作成日時 : 2011/08/25 16:28   >>

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青森県の山旅2日目は津軽半島の北東端に位置する袴腰岳に登る。
津軽半島には袴腰岳が二山あるが、今回は外ヶ浜町と今別町の境界にある平館山地の袴腰岳を指す。

【 8/22 袴腰岳(707m) 青森・津軽半島 】
旧平館村営スキー場登山口〜オドシ山〜赤松峠〜尾上〜丸見〜竹ノ子平〜猿ヶ森〜丸山林道分岐〜峠分岐〜南峰〜袴腰岳(往復)

袴腰岳の名前は台形の袴腰板の形から付けられたと言われている。
別名は長屋形山と呼ばれ、南隣の丸い山容の津軽半島最高峰:丸屋形山と対をなす形をしている。

この山は『東北百名山』の初版と新版に選定されている山であったが、最近出版された『東北百名山地図帳』からは何故か選から漏れてしまった。
役場に登山道の現状を照会してみると、最短距離で登れる丸山林道が通行禁止となり、登るルートが曖昧な点が理由とも思われた。
因みに丸山林道は営林署管轄で、外ヶ浜町では整備の管轄外と言う。林道入口のゲートから登山口までは7.9kmあり、そこを歩いて登るのは現実的ではないのだ。

役場への問い合わせでは「下から歩かないと登れない。」と言われたので、ネットや過去のガイドブックを調べてみた。すると旧平館村営スキー場から登るルートが唯一の登路と思われたが、詳細は現地に行って考えることにした。


金木町の芦野公園オートキャンプ場から登山口までは42kmの距離があった。
この間にコンビニは一軒もなく、前日に行動食を仕入れてきて正解であったと気がつく。

この日の天候は早朝から曇り。特に東風が強いと見えて、津軽半島中央の山々には厚い雲が纏わりついていた。
登山を始める前にこの日キャンプを張る第一候補の「おだいばオートビレッジ」を見に行く。
有料の綺麗なキャンプ場であったが、豪華なバンガローが人気な半面、テントスペースは狭く貧乏くさい感じがしてしまった(苦笑) それ以上に食材を買う店が12km南の外ヶ浜町中心街にしかないのが難点であった。

旧平館村営スキー場の登山口前には駐車スペースはない。親水公園の路肩に駐車して登山準備をする。
登山口と言っても『東北自然歩道』とやじるしで『オドシ山』を示す道標があるだけ。
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スキー場の登りは刈払いされて懸念した薮はなかった。
しかしスキー場の斜面には低木やススキが繁茂して、合併により閉鎖されたスキー場っぽい雰囲気がある。
途中で振り返ると陸奥湾と下北半島が望めた。この山はほぼ海抜0mから登る山なのだ。
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スキー場を登り切り、杉の植林地の登りのなると薮っぽくなってくる。
山居山(オドシ山)までは嫌になってくるほど長い階段登りが続く。そして展望皆無のオドシ山(244m)に到着。
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そこからフキ薮の道を下って登り返すとアカマツの大木がある赤松峠(268m)に出る。左手から細い寺の沢コースが合流する。
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峠からまた下り、登りにかかったところでブナ林となる。
木の根が張った急登は朝日連峰を思わせるものがあるが、背後には樹間から平館海峡の海原が望めて不思議な感じがする。
急登が終わって平坦な場所に「尾上」の道標があった。太いブナが散見され落ち着く場所だ。

急に低木林になったと思ったら大きく視界が開けて伐採地跡に出た。ここが丸見である。
立ち枯れのブナが痛々しい伐採地は、低木がかなり伸び始めていて、展望所という感じではなくなってきていた。
それでも前方に目指す袴腰岳の台形の姿が見えてきた。朝方のぶ厚い雲はなくなっていた。
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袴腰岳は標高700m台とは思えないほど立派な山容に見えた。
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湯ノ沢川の対岸には円形の重厚感ある山容の丸屋形山が見えたが、この時点では山頂は雲の中。
途中歩いているときには樹間から時折山頂が見えていたのだが…
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この先で杉の植林地に入り原生林歩きは一旦断ち切られる。
赤松峠の道標に書いてあった「竹ノ子平 1.9km」には何時着くのかと思っていたら、ブナ林の平坦地のところで突然「竹ノ子平」の道標がでてきた。周辺のネマガリタケの薮は薄く、何故ここが竹ノ子平なのかは不明。
ここは源四郎沢コースの分岐となっているが、実際には「東北自然歩道」の「サイ沼(4.2km)」への道が左に派生していた。

ブナの原生林の緩登が続く。道の脇には極太のネマガリダケが繁茂し林床を覆い尽くしている。
タケノコシーズンには極上のタケノコが採れる場所であろう。
逆にキノコ狩には最悪のルートで、ネマガリタケの蜜薮を漕いでのキノコ捜しはほとんど無理な状態であった。

少し薮っぽい急坂を登りきると平坦なブナの台地に出る。ここが猿ヶ森で袴腰岳の基部に当たる。
見上げる袴腰岳の東面は急峻な草付斜面となっていた。
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ジャコウソウが咲く森の中を左手に回り込みながら進むと、丸山林道から登ってきた道と合流する。
こちらの道は我々が辿ってきた登山道より遥かに薮っぽくなっていた。

右折して少し九十九折れの道を登ると、道は一気に直登の急坂となる。
左手から峠から登ってきた道が合流する頃、道には薮がかかり、夜露で濡れた草で膝下はだら濡れになってしまう。

山頂部に乗り上げると道にはササが被って、登山道がほとんど目視できない歩きとなる。
最高点708mの南峰は休むスペースが一切なく、双耳峰の北峰に向かって東側が切れ落ちた頂稜を辿っていく。
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頂稜の歩きは強い東風を受けて寒い。しかもガスが絶え間なく上がってきて視界を閉ざしていた。
途中で三厩湾や竜飛崎方面が梢越しに望まれたが、コンデジではピントが手前の木に合ってしまい写真に撮れなかった。

片道6.5km歩いてようやく山頂(707m)に到着。標高の割には実に登りごたえのある山だった。
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風を避けて食事をしているとガスが切れて東側の展望が広がった。
登ってきたルートが一望できる。その奥には陸奥湾(平館海峡)が鈍色の海原を見せていた。
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越えてきた南峰。神室の杢蔵山あたりを思わせる山容をしている。
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北東側の展望。海峡を隔てて下北半島の仏ヶ浦が見えていたが写真では分からない。
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ゆっくり休んで山頂を後にした。
晴れていれば丸屋形山にも往復する予定だったが、山頂が雲に隠れたままなので止めにして往路を下った。
オドシ山手前のフキ薮のところでフキの傘で遊ぶ。
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スキー場まで下ると、下北半島がはっきりと見えていた。
よく目をこらすと昨年登った縫道石山の岩塔が確認できた。(右手の平坦な山の中腹に白っぽく見える場所。)
左の白い海岸線が仏ヶ浦。
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そこそこ展望もあり静かな山旅気分を味わえた山であったが、ときどき薮っぽい個所がでてくるなど玄人向けの山の印象を強く持った。しかし海原を眺めながらの登山の気持ちよさはなかなか味わえないものがある。


GPSログです。 *クリックで拡大。
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午後1時には下山できたので、平館港で釣りをしようと釣り道具一式を持参していたが、この港町に釣り道具屋が一軒もなく餌が買えない。買うためには南に12km離れた外ヶ浜町の中心蟹田地区に行かねばならず、阿呆らしくなって釣りはあきらめた。

そこで北海道を見るために北上する。平館海峡をはさんで下北半島が一望できるドライブロードは最高だった。
今別町に入ると岬の突端に高野崎灯台があり、そこから北海道が一望できた。
この灯台前は高野崎キャンプ場となっているが、キャンプ場を管理していると思われる「眺望いさりび」は閉まっていた。テント一張り500円らしい。
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左手には三厩湾をはさんで竜飛岬が見える。
竜飛岬まではこの高野崎から片道27kmあるので行かなかった。
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北海道までの直線距離は約30km。ここまで来ると最果ての地にいる感じがする。
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高野崎突端の遊歩道を下っていくと、岩場を結ぶ「潮騒橋」と「渚橋」がある。
竜飛岬、下北半島、遠くは北海道の三方の眺望が広がる素晴らしいロケーションだった。
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再び平館地区に戻って不老不死温泉に入る。この温泉は300年の歴史を持っていて、透明な土類アルカリ泉のさっぱりした温泉であった。
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温泉から上がると外は雨が降っていた。やはり釣りをやらなくて正解だった様である。
この後は外ヶ浜町蟹田地区のスーパーまえだでお弁当や食料を買い込み、ガソリンを入れてから、観瀾山公園キャンプ場に行く。
キャンプ場は無料だが、利用に当たっては隣接する「トップマスト」に申し込まねばならないらしい。
店の方に申し込んだら、8月21日で管理は終わり、その後は自己責任でキャンプして下さい、との事。
駐車場近くはゴミが散乱していたので、少し離れた海水浴場前にテントを張った。
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動画です。






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その翌日23日は……

東風で海が荒れて、海鳴りがうるさい状態でのキャンプとなってしまった。
翌日は午前中に曇りの天気予報だったので、近場の低山に登ることも考えていたが、午前3時ごろから雨が降り出してきた。秋雨前線は早く北上してきたものと思われた。
早朝、雨の中でテントを畳んで、登山は中止にして、この日は青森観光に切り替える。

浅虫温泉で朝風呂に入り、雨でも楽しめる浅虫水族館でイルカショーを堪能した。
その後は青森市内に入って、郷土料理とホタテや塩ウニ、ホヤなどの買い物を楽しんで帰路に着いた。


おまけの動画 (浅虫水族館編で山動画ではありません。)




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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
今晩は・・東北百名山地図帳から消えてました。
展望が余りよくないのでしょうか・奥深い山なんですね・
縫道石山・・確か去年でしたか・あの岩山に立ってましたね・マスさん
高所恐怖症の私には無理だなあと覚えてました。
下北半島は本当に車で走っても人の姿観られませんね・
食料調達が困難の事分ります・
竜飛岬、下北半島懐かしいなあ・・
不死温泉入ったような・記憶が定かでないですが・
やはり秋雨前線が北上しましたね・・

のんびり疲れを癒すのに観光も良いですね・
おいしそうな魚・・ぅふふ・
楽しい青森の山行・旅・キャンプお疲れ様でした。
動画観て楽しませてもらいました・・\(~o~)/
ク〜
2011/08/25 19:14
ク〜さん今晩は。
派手さが微塵もない山なので東北百名山地図帳では選から漏れてしまったのでしょうか。
袴腰岳も下北の大尽山ほどではありませんが、整備度がイマイチの感じがしました。
遠くだけは良く見える目をしているので、下北の縫道石山は完全に同定できましたよ。
本当に高度感抜群の山でしたねー。
今回津軽半島をドライブしてみて、下北半島と同じで食料品の調達は難しいですね。
キャンプをする場合にも買い出しの可能な店を調べて行く必要があるみたいです。
不老不死温泉は日本海の岩崎村(白神岳の近く)にも同名の温泉がありますが、兄弟で経営しているそうです。平館の不老不死温泉は建物のつくりは古いですが、料理は海の幸満載でリーズナブルと聞いていました。

完全に雨降りで低い山まで雲がかかって見えないと登山はやる気がしないですね。
贅沢に朝風呂入ってのんびりできました。陸奥湾のホタテは絶品でしたよ。
SONE
2011/08/25 19:34
「津軽路」いいですなぁ。
娘が弘前にいたときに、ここを起点に下北、津軽と分けて走りました。
マロは、竜飛の階段国道を歩きましたよ。
不老不死温泉は混浴の時代と2回入りました。
マロはのぞき見に来たけど。(^o^)
マロ7
2011/08/25 19:36
マロ7さん今晩は。
初めて津軽半島に足を踏み入れましたが、下北半島より開けた感じで、陸奥湾に立ち並ぶ民家にも旅情を感じてしまいましたよ。
マロちゃんもこの界隈を歩いていたのですか。不老不死温泉は以前は混浴だったのですね。知りませんでした。
思い出がたくさんある津軽路だったのですね。
SONE
2011/08/25 20:36
こちらの方の山は馴染みがありませんが標高の割りには深山の雰囲気が漂っていますね。
歩く人が少ないのか登山道も藪に覆われていますね。
この辺りは下山してからも旨いものあり温泉ありでいい所のようです。
ミニミニ放送局
2011/08/25 21:11
ミニミニ放送局さん今晩は。
私も初めての山域でしたが、冬の季節風が半端じゃない山みたいで、深いブナと頂稜部の高山的景観には驚きました。
岩木山や八甲田など人気の山と比較すると、青森県内の別の山々は登山道の整備が行き届いていない印象があります。草刈りする人出も予算もないのでしょうかね。
但し、おっしゃる通り海の幸は豊富で、海辺にも温泉が点在しているのは嬉しいですね。
SONE
2011/08/25 22:05
緑濃い山と青々とした海を楽しめて素晴らしいですね。
温泉も不老不死とはありがたいやら怖いやら。(笑)
なかなか行けない青森の山楽しめましたよ。
morino
2011/08/26 12:44
morinoさん今晩は。
旅情溢れる思い出に残る山でしたよ。
不老不死温泉は日本海のほうが夕日が見える露天風呂で有名ですが、こちらは平館集落の西側にある静かな宿でした。
青森の山は遠いの一言です。往復900km以上車で走りました(笑)
SONE
2011/08/26 18:51
青森ですかー。
袴腰岳、私だったら登山口で戻りそうです(^_^;)
SONEさんのレポートは貴重ですね。

来年あたりは「東北の山遊び〜北海道編〜」が期待できそう?!
ナカシィ
2011/08/28 18:43
ナカシィさん今晩は。
東京へ行くより遠い山なので、登山口に行くだけでも大変ですね。
おまけに馬鹿長い登山道でしたしね(笑)
来年も北の山編が続きそうな感じですが、北海道までは行かないかも?
南にも登りたい山が沢山あるのですよぉ。
SONE
2011/08/28 21:07
東北百名山を目指している者です。残り少ない山にこの袴腰岳があり、今年中に登りたいと思い貴殿のHPを参考にさせて頂きました。それにしてもHPの作成が上手いですね。しっかりと見させて頂きました。袴腰岳登山の動画に使われた音楽は何という曲ですか。ゆったりとしたムードある音楽ですね。アルバム名などを教えて頂ければ有難いです。
千葉県柏市 高橋
ゼンさん
2013/04/14 11:22
ゼンさんこんにちは。コメントをいただきありがとうございます。
袴腰岳はあまり登る方が少ないようですね。
最近は記事の書き方が雑になっていますが、この時の記録は思い出に残るものでしたので、かなり詳細に記載しておりました。
動画の音楽ですが、使ったCDがちょっと見つかりませんでした。
Tom Costerというジャズフージョン系のミュージシャンの作品です。
しかし現在は廃版になっているCDのはずです。
SONE
2013/04/15 08:35

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2011.8.22 袴腰岳(青森・津軽) 東北の山遊び/BIGLOBEウェブリブログ
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