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zoom RSS 2011.10.1 沖武尊から前武尊(群馬・武尊山)

<<   作成日時 : 2011/10/05 10:08   >>

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群馬遠征二日目はまたまた深田百名山の一座:武尊山に登る。
本質的にミーハーではないが、以前尾瀬の至仏山に登った時に、長い稜線に幾つかの峰々を連ねる武尊山を眺めて、何れ登ってみたいと思っていたのだ。

【 10/1 沖武尊(2158m)から前武尊(2040m) 群馬・武尊山 】
武尊牧場スキー場〜東股分岐〜武尊田代分岐〜武尊避難小屋〜ゼビオス岳〜中ノ岳南肩〜沖武尊〜中ノ岳南肩〜家の串〜トサカ岩〜前武尊〜御沢〜オグナほたかスキー場

前日の夕方に低気圧が通過したため、この日は冬型の気圧配置となり強い北西風が吹いていた。
山の上は雲に覆われ余り快適な登山日和とは言えない。
しかし時間の経過とともに少しずつ山上のガスは切れると判断して、予定通り武尊山に登ることに決定した。

武尊山は古来より信仰の対象として尊崇されてきた山である。
「武尊」と書いて「ホタカ」と読ませる由来を調べてみたら、北アルプスの穂高と密接な関係があることが分かった。
何でも、この地に初めて土着したのは信州の安曇野にいた人々だったと言う。
移住地に近い岩峰を故郷の山と同じホタカと呼んで信仰の対象とし、その主神は本来は穂高見命であった。
最初は保宝高とされていた山名でホウタカと呼ばれていたが、真田家の医者:鈴木法橋が日本武尊の武徳に感じ入り、山名を武尊と記したのが武尊山の由来とされている。
別な観点からは、日本武尊が東征の折に、この山に住む悪鬼を退治したという伝説から来ているとの説もある。
前武尊の山頂には日本武尊を祀った石碑と、日本武尊の石像がある。
また山岳修験道の登拝道は寛政年間(1789〜1801年)に江戸八丁掘の行者たちが開いたと言われている。


登山家の中では北アルプスの穂高と区別するため、上州武尊とも呼ばれている武尊山だが、近年は深田百名山ブームと、山深くまで開発された多くのスキー場の存在で、一躍名が知られ、多くの方が訪れる山に変貌したみたいだ。

片品村の鎌田に宿泊したので武尊山へのアプローチは楽々。しかも車二台なので、Saka車をオグナほたかスキー場の駐車場にデポして、SONE車で武尊牧場スキー場の登山口に向かう。
一番楽に登れる東股登山口は、途中の車道が崩壊したため現在は車の進入ができない状態であった。
武尊牧場スキー場には沢山の登山者が入山準備をしていた。
登山リフトの始発時間はまだまだ後なので、スキー場の管理道路を歩いて登る。

車道からは昨日登った赤城山の黒檜山(左)と地蔵岳が見えていた。
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上部のゲレンデは斜度が緩く、正に牧場そのもの。牛や羊、山羊がいる観光地だ。
南東には昨日は雲がかかって見えなかった皇海山がはっきり見える。
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白樺林の武尊牧場キャンプ場を抜けると登山口に着く。
最初はダケカンバの森だったが、直ぐにブナの深い原生林に入る。
立ち枯れのブナにはブナハリタケが沢山生えていた。
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武尊田代の分岐付近に数人のキノコ狩りを楽しむ方がいた。道理で道脇の採れる範囲にキノコがなかった訳だ。
しかし少し急な坂を登ると、シラビソやコメツガの森に入ってしまい、キノコの姿は見えなくなる。
泥濘の多い道を歩くと、武尊避難小屋に着く。近くに水場はない避難小屋らしい。
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登り始めは晴れていたが、標高1700mを越えると完全にガスの中に入ってしまった。
しかし100m程度の視界はある。

小さな傾斜湿原が現れると、そこがゼビオス岳と呼ばれて展望地となっているらしい。でも何も見えなかった。
せめてもの救いは始まったばかりの紅葉を拝めたことか。
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黒木の森を抜けて上空が明るくなったと思ったらクマザサが茂る尾根に出た。
ここは中ノ岳の急登の始まる地点。左手の西股沢源頭の岩場が紅葉して美しかった。
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標高差100m足らずの急登なので一気に登る。上部にある岩峰がどんどん近づいてくる。
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岩峰は右手から越える。二箇所の鎖場があるが、小規模な岩場で全く問題なく越えられた。
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急登を登りきると東斜面を巻きながら主稜線を目指す。
南側には家の串がガスをはらって姿を現した。
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主稜線に着くと、そこは三差路となっており、山頂の沖武尊へは右に700mの距離。
目の前に中ノ岳の岩峰が見える。ここからは中ノ岳の南斜面を巻く。
(動画では東斜面を巻くと間違った表示をしていました。)
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中ノ岳の巻き道はクマザサの根が滑って非常に歩きにくかった。
夏場にはお花畑になりそうなところか?
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その後は涸れた水場の横を通り、二重山稜っぽい窪地の三ツ池に出る。
文字通り三つの池を通り過ぎるのだが、山頂直下なのに面白いコース採りだと感じた。
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池から短い急登を登ると、岩峰の基部に出る。
そこにも日本武尊の像が祀られていた。ガスっているので何か鬼気迫るものに見える。
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岩峰から沖武尊までは指呼の距離。遥々歩いてきた感がある距離の長い道程であった。
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剣ヶ峰山への道を左に見送り、そこから10m歩くと沖武尊山頂に着く。
一等三角点のある山頂は展望抜群と評判が高いが、この日はガスで視界はほとんど無い。
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山頂で昼食を食べたが、冷たい風が吹き抜け快適ではなかった。
身体が冷え切る前にザックを背負い、前武尊からオグナほたかスキー場に至るルートを目指す。
中ノ岳南肩の分岐までは、武尊牧場スキー場から登ってきた多くの登山者とスライドした。
流石にハードな山なので山ガールは見掛けず、男性登山者が中心だった。

分岐から家の串までは痩せた岩尾根を辿る道となる。しかし難しい個所はない。
ミネカエデやサラサドウダンの紅葉が始まっていて、暗いガスの中でも紅葉の場所だけ明るく感じた。
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小さなアップダウンを繰り返して家の串に着く。
このピークから一気にガスが晴れて視界が広がる。これにはSakaさんと二人歓声を挙げてしまった。
目の前のは尖った剣ヶ峰の岩峰がにょきっと尾根から突き出している。
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東側には奥日光の山々が一望できる。この時点では日光白根山や錫ヶ岳は雲の中。
左手にひと際尖った山容の山が見えるが、山名が不明? 登ってみたくなってしまった。
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南には紅葉越しに榛名山がシルエットで見えていた。
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左手前方には皇海山。群馬側からは楽々登れるらしいが、何れ栃木側から登ってみたい山だ。
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右手に浅間山を眺めながら急坂を下っていく。
剣ヶ峰の岩峰がどんどん近づいてくるが、三つの岩峰が連なっているのが確認できた。
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剣ヶ峰の登りから振り返ると紅葉の家の串が見える。串とは家の棟を現しているそうで、立て皺の岩場から連想した山名なのであろう。
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前を歩くSakaさんが左手の岩峰に取りついていた。右手に巻き道はあるが、面白そうなのでチャレンジしてみる。
帰宅後に資料を見ると、この岩峰はトサカ岩と言われ、登山道が崩壊した剣ヶ峰の三つの岩峰の中で唯一登れる岩峰らしい。
しかしヤセた岩稜には鎖などの補助道具は一切なく慎重な行動が要求される。
写真を撮りながら登っていると、早くもSakaさんはトサカ岩の山頂に着いていた。
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その時、爆裂火口の対岸にある剣ヶ峰山にかかっていた雲が飛んで、壮絶な岩山の姿を現した。
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岩稜は風が強く、身体が煽られそうで怖い。三点確保で慎重にトサカ岩の上に立った。
山頂には石祠が祀られており、剣ヶ峰の二峰が天を突く姿で眼前に現れた。
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振り返って辿ってきた沖武尊からの稜線を眺める。家の串(右)の奥に中ノ岳まで何とか見えるが、沖武尊は結局姿を見せてくれなかった。
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トサカ岩から二峰鞍部に下る鎖場が悪い。最初の岩稜は鎖がないクライムダウン。
その先はほぼ垂直なクラックを鎖を頼りに降りるが、足場がほとんど無いため、靴をクラックに挟んで降りねばならない。腕力の無い女性には厳しい岩場だと思った。写真を撮る余裕なし…

鞍部に降り立つと二峰の登りはロープで立ち入り禁止になっていた。
ここから左手に剣ヶ峰の巻き道に入る。笹の根で滑りやすく歩きにくい。


巻き道が終わって登りに入った地点の紅葉は見事だった。
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剣ヶ峰の最高峰を振り返る。
1991年だから、今から20年前に頂稜が登山道を含めて一気に崩壊したらしい。
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前武尊までは低木帯の道を歩くと直ぐに着いた。
山頂は南東方面の展望が開けていて赤城山の展望台とも言えた。
日本武尊の石像が鎮座しているが、その上を覆っている鉄製の屋根が雰囲気をぶち壊しにしている。
右手には不動岩を経て川場キャンプ場に下る道が分岐しているが、剣ヶ峰よりも迫力があると言われる不動岩に興味を引かれながらも、車を置いたオグナほたかスキー場への道を下った。

下りの途中からやっと山頂まで姿を現した日光白根山が見える。
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急坂を下っていくと御沢の分岐。左折するとスキー場のゲレンデに出る。
ドライフラワーになったヤマハハコの花に囲まれながら飲むコーヒーは美味しかった。
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オグナほたかスキー場のゲレンデ内を2km歩き、その後は樹林帯を1km歩いてSaka車を置いた駐車場に戻った。
SONE車をとりに再び武尊牧場スキー場に戻り、その後は日帰り温泉の「花咲の湯」で汗を流す。
沼田市に出て適当な店でラーメンを食べてSakaさんと別れた。

沼田市街地から仰ぎ見る武尊山は、沼田市民の生活の一部に溶け込んだ風景なのであろう。
しかし夕方の5時近くになっても終に沖武尊だけは雲がかかって見えなかった。

GSPログです。

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動画です。
本文にも記載しましたが、中ノ岳の東斜面の巻き道は南斜面の間違いです。岩稜の通過時は手持ち撮影しました。



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コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
おっ、待望のブナハリタケでございます。
今日の雨でキノコは進んだろうね。(^o^)
日光白根山だけわかりました。(40年前に登ったもんで)
いい秋色が出てきましたね。
マロ7
2011/10/05 18:22
マロ7さん今晩は。
写真のブナハリタケは高いところにあったので採れませんでした(笑)
今まで気温が高かったので、最近の寒さで一気にキノコが出たかもしれませんね。
朝晩の気温が10度以下に下がらないと、秋キノコは発生しないそうですよ。
2000mを越えた標高でやっと紅葉が始まったばかりでしたね。
SONE
2011/10/06 00:57
遠方の友人と毎年お会いして山を登るというのはすばらしいですね。
お話が盛り上がって久しぶりに会った感じがしませんよね、きっと(^_^)
ナカシィ
2011/10/06 14:27
上和田で目のさめないSakaさんの車を揺らしてたの思い出した(笑)
カノカ、いっぱいだねえ〜。 ちょい遅かったか…
タッシー
2011/10/06 17:59
ナカシィさん今晩は。
Sakaさんが仙台にいた頃から一緒に登っていた仲なんですよ。
男どうしの話なので、震災や政治、山などいろいろ盛り上がってしまいました。
SONE
2011/10/06 18:43
タッシー今晩は。
上和田のキャンプ場でSakaさん起こすの大変だったの思いだしたよ。
カノカは地上7mくらいの所にあり、絶対採れない状況でしたよ(笑)
その他に痛んだハナイグチも見つけたよ。
SONE
2011/10/06 18:46
武尊山(ほたかやま)と詠むんですね・・
上州の山は色々な歴史があるのですね・・
由来を知って登ると又楽しい山行になりますね・
お友達と年に一回の登山・気持ちも分っているので
気兼ねない山行となりましたね。
上州のからっ風にはあわずで・紅葉も始まり
青空がきれいでしたね・・穂高見てきましたが・
こちらの山容も術らしいですね・・
やはり日本武尊の像が祀られているんですね
でも遠いですね・・車で行かれたようですが・
動画で楽しませてもらいました。
この連休もちよっと仕事で山に行けません>残念
仕事の合い間に見せて貰いました。
ク〜
2011/10/09 11:24
クーさん今晩は。
天気の良い連休なのにお仕事とは大変ですね。
武尊山を「ほたかやま」と呼べる人は地元の方と百名山好き以外には少ないかもしれません。
日本武尊の像は人間を神格化しているので珍しいですね。
年に一度中間点の山を登る仲ですが、以前は東北の山々を一緒に登った友人です。
武尊山の山容は元祖穂高岳には全く敵いませんが、岩が露出した山の共通点はあると思います。
しかし関東の山ははり遠かったですね。
SONE
2011/10/09 20:31
SONEさん今晩は!アドバイス通り三週続けて登山?いいえトレッキングに行って来ました。毎週15km、2~3の山を歩いてますが気付いた事が一つ、千葉の山は岩山でみんな太白山みたいにとんがってます。尾根を歩くとやせ尾根で展望台からの眺めはひたすら山、山、山。崖から足をぶらぶらさせ、その景色にうっとりしてます。低い山ばかりですがはまってきました。でも私の体力にはピッタリです。何時かあの朝日連峰に行ってみたい、大それた事まで考えている自分です。
翔パパ
2011/10/09 22:52
翔パパさん今晩は。
トレッキング頑張っておられますね。毎週15kmずつ歩くと直ぐに高山に登れる体力が付きますよ。
千葉の山は一部の山の情報しか存じませんが、岩山が多いのなら歩いていて飽きないでしょうね。
標高が低くても高度感があるので、登り甲斐もあると思います。
千葉の山から徐々に埼玉辺りまで行動範囲を広げると、朝日連峰も夢ではなくなりますよ。
SONE
2011/10/10 19:42
SONEさんこんばんは。
船形山頂手前で声をかけた○○隊の者です。あの日は山頂から蛇ヶ岳経由で旗坂に戻りました。これまでに山の記録を見て参考にさせていただいていました。県内の山、ほとんど歩いていますが情報は大事です。最近、山の記録とバラの写真のブログを始めました。県外の山に行きたいところですが、突発に備えています。これからよろしくお願いします。
yuji
2011/10/10 22:20
yujiさん今晩は。
まさか○○隊の方にまで面が知られているとは思いませんでしたよ(笑)
プライベート山行でもかなりなハイペースで登られていて驚きました。
私の記録は大したことないですが、参考にしていただいて恐縮です。
突発のことがあるとなかなか県外の山には行けないでしょうね。
これからもよろしくお願い申し上げます。
SONE
2011/10/11 19:50
天気の良い前日の赤城山に続いて、ガスと強風の武尊。でも変化があっていい山ですね。
日光連山などを目の前にするとモチベーションも高まりそう。
離れたところにお住まいの山友さんと行くとなると、必然的に普段とは違う山になるのが良いところですね。
来年は私も少し遠くの山へ足を延ばしたいものです。
morino
2011/10/11 21:29
morinoさん今晩は。
武尊山は機会があればもう一度登ってみたくなる山でした。
谷川岳が近距離で見られるそうですよ。
たまに東北以外の山に登ると、風景が全く違うのが楽しみですね。
群馬は少し遠いですが栃木までなら充分日帰り圏内と言えますね。
SONE
2011/10/11 22:43

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2011.10.1 沖武尊から前武尊(群馬・武尊山) 東北の山遊び/BIGLOBEウェブリブログ
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