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zoom RSS 2011.10.28 円子山(宮城・二口山塊)

<<   作成日時 : 2011/10/29 17:27   >>

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次の週からの仕事の準備が午前中に終わったため、キノコ狩りに近場の二口山塊へ出かけてみた。
大笠山の練田峠(ねったとうげ)周辺を狙ってみたが、キノコが全然見当たらないため、登山に切り替えて未登の円子山へ登った。

【 10/28 円子山(850m) 宮城・二口山塊 】
ふるさと緑の道入口〜樋口沢出合〜大滝〜駒新道合流〜尾根乗越地点〜腕越〜円子山〜腕越〜尾根乗越地点〜八森山分岐〜ブル道〜林道〜ふるさと緑の道入口

円子山(丸子山)は二口山塊の前衛峰に当たり、笠を伏せた様な山容の大笠山(だいがさやま)とは鞍部:腕越で繋がっていて衛星峰的な存在だ。
実際、新川方面から眺めてみると、大きな平頂の大笠山の右手に寄り添う様に、円い山容の円子山が並んで見える。

写真は八森山(左)と円い山容の円子山(右)。
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ふるさと緑の道の林道はかなりな悪路で、RV車じゃないと車を痛めてしまうほどであった。
途中で猿の群れに出合う。小さな子猿を背中にしがみ付かせた母猿の姿が微笑ましい。

林道の終点に駐車し、樋口沢に沿ったハイキングコースを登る。
この時点で午前11時半を過ぎているので、日の入りが早い今の時期では、そんなに行動時間を長くとれない。

木橋で樋口沢を渡り、急登のかかる手前で、練田峠に行く予定を変更して、そのまま樋口沢を遡行する事にした。
沢沿いなら倒木に生えるキノコをゲットできる確率が高くなる。

落差2mの滝は左側の岩場を登って越える。
沢床は滑が露出して、小沢ながら美しい景観を見せている。
前方に落差6m余りの登れない滝がでてきた。
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左岸を大きく高巻いて滝上に降り立つ。
そこから先の滑床が続くが、沢の両岸が急峻なため、上部に倒木を見つけてもキノコ捜しに近づくことができない。
やがて正面に立ちふさがる岩壁が見えてきた。
その突き当たりには、黒いハングした岩場から二条で落水する落差20m以上の見事な滝があった。
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周囲を観察すると、右岸のルンゼから流れてくる滝が本流なのであろう。
こちらもスパイク長靴での登攀は無理。
これ以上、沢の遡行は無理なので、左岸から尾根に逃げることにした。
最初は樋状の狭い窪を直登したが、浮石が多くて危険なので途中から引き返す。
沢の50mくらい下流まで戻って、そこから木を掴みながら一気に尾根を目指した。
岩場周辺はシロヤシオの群生地となっていて、オレンジ色の紅葉が見事だった。
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尾根まで登り上部を目指すと、傾斜が緩い雑木林の斜面となる。
右往左往しながらキノコを探すが、毒や食せない類のキノコの姿も全くない。

歩いているうちに駒新道に合流できた。
キノコ狩りは諦めて、駒新道の奥にある未登の円子山(丸子山とも書く)に登ることにした。
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八森山〜大笠山を結ぶ尾根を乗越して北側斜面に出ると、ブナが卓越した植生となる。
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思えば、駒新道のこの部分を歩くのは実に40年ぶりとなる。
当時、このルートは「奥新川ライン」と呼ばれるハイキングコースとなっていて、奥新川の三の沢の分岐より扇沢を経て駒新道に出合い、駒新道を東に向かって八森スキー場跡に至るものであった。
生まれて初めてブナハリタケ(ブナカノカ)を採った思い出が今でも残っている。

ここで駒新道について少し記したい。(宮城町史、秋保町史から抜粋)

【駒新道の由来】

記述にでてくる駒新道
●山寺千手院より中の沢を隔たり、面白山の山腹を縫って荒沢を下り新川村に至、云云
(明治三十三年八月十日東村山郡大森村 安孫子助左エ門の子で山寺村に寄留中の安孫子菊治から新川村戸●長中野森右エ門に宛てて出された諸荷物運輪請所建設敷地借用願) (秋保町史より)
猪野沢村・新川村を結ぶ新道への諸荷物や旅人の便宜をはかるため山小屋を設けんとして岳山の内 小字青獅子坂及び小字新川の借地と立木伐採云々
(明治十三年六月十三日猪野沢村小山田為吉と同理兵衛からの願書)
(秋保町史より)

●伝承によると藩政時代は通行を禁じられていた間道(抜道)であったが明治十二年頃に至り高瀬の安孫子駒吉が自費を投じて改修し、それで因んで駒新道と呼ばれるようになった。 (秋保町史より)
●山寺千手院より新川に至る約二十キロメートルの山路で、途中につばくろ口・中継小屋と言う所があり、昔小右エ門と呼ばれていた。時代は不祥だが、千手院の後藤長右エ門の先祖がはじめて開鑿したと伝えられている。
昔は裏道即ち間道又は抜け道で通ることはまかりならぬ道であった。文治の昔、義経一行が北陸からここを通って平泉に逃れていったと言い伝えられている。
明治十二年頃後藤小右エ門の子孫長右エ門が改修し物資の交流が出来るようになったので、高瀬村大森の漢方医安孫子駒吉が自費を投じ、迂回多かった小右エ門道を直線道に直したり、橋を架替えたりして改良した。それに因んで「駒新道」と呼ばれるようになった。 (宮城町史より)

駒新道は山寺から新川を結ぶ尾根道であり、古道らしい緩登緩降の馬や物資の通行に適した作りとなっている。但し正規の街道であった関山越えや二口越えの中間にあるこの道は、その昔抜け道(間道)であったといわれる。
40年前に奥新川ラインを歩き、その後、奥新川から県境の奥新川峠まで抜けた経験があるが、当時は完璧に道形が残る歩きやすい道だった。
しかし現在は道の崩落個所や、薮が生い茂った個所があり、歩く場合は山の熟達者の先導が望ましい。
また県境の奥新川峠から先の山形側の道筋はほぼ自然に帰したと言われている。


駒新道は山の稜線下部を水平にからんで行くルートなので、眺望が開ける場所が無きに等しい。
梢越しに目指す円子山が見えてきた。
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一か所だけ船形山が見える地点があった。
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やがて笹薮を漕いで大笠山と円子山との鞍部、標高790mの「腕越」に着く。
そこには半分腐って読み取り不可能な標識が落ちていた。
 
腕越から円子山までは登山道はなく、薄い薮を漕いで登ることとなる。比高60mの登りで国土調査の杭と、その時にブナの木に付けられたと思われる赤ペンキがある。

円子山の山頂近くになると笹薮が濃くなるが、薮漕ぎの距離は短い。山頂には何らか?の標石があった。
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山頂はブナの木や雑木林に囲まれ展望はほとんど無い。
しかし東側に少し進むとその方向だけ展望が開けていた。
八森山、戸神山、蕃山が重なって見え、その背後に仙台市が遠望できる。
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南側には木々の奥に大笠山が見えていた。
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円子山の山頂は薮で休憩する場所がないので、腕越まで下って簡単な昼食をとった。
その後、手ブラで駒新道を西側の高倉平方面へ少し下ってみる。
西日を受けて黄色く染まる黄葉が美しい。
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大東岳を眺められるポイントを捜したが、5分ほど下っても見つからなかった。
結局、梢越しに高倉山(手前)と大東岳(奥)が少し見えただけ…
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腕越まで戻り、往路を返す。
駒新道の道形が消失した沢の源頭斜面はこんな感じ。
コンターラインに沿って歩くと、接続する道が見つかる。
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上の写真の周辺でキノコを捜すと、少量ながらムキタケとブナハリタケが見つかった。
帰宅後に一回分のお汁にして食べたが、ナメコより数段美味しかった。

尾根を乗り越えて南斜面を歩いていく。
沢から登って来て合流した個所を通過し、そのまま駒新道を林道まで下って行った。
真っ赤なドウダンの紅葉が見事だ。
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リンドウも一輪だけ咲き残っていた。
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八森山に登っていく作業道を左に分けて直進すると杉林に入る。
その後は九十九折れの道を下って、最後は林業作業用のブル道に出た。
この付近は古道とは言えない強引な道形となっている。恐らく古い道は無くなってしまったのであろう。
最後は写真の様な位置で林道に下った。(駒新道の標識は一切ない。)
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今回はキノコ狩りが登山に変わってしまった変則登山になったが、キノコの収穫が余り無かった分、山歩きで楽しめたひと時出合った。
しかし展望がほとんど無く、道標も無く、薮で埋もれた個所もあるので、山慣れた方にしかお勧めできない山とも言える。駒新道と呼ばれた古道を辿ることにロマンを感じる方のみ良さが分かる山であろう。

GPSログです。 (クリックで少し拡大します。)
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動画です。






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コメント(16件)

内 容 ニックネーム/日時
キノコ残念でした。
動画楽しく拝見させていただきました。
結構、行って戻ってされたんでないかと思いますが、
人物が映っていると楽しいので、またお願いします。
87ワ
2011/10/29 17:44
87ワさん今晩は。
実は急斜面の沢の下に何者か分からないキノコが倒木に沢山生えていたのですよぉ。
でも標高差で50mほど下だし、遠くて何のキノコか見当つかないので降りませんでした。
動画の自分撮りは実は大変なんですよ。行って戻って時間がかかるんです(笑)
膝にまだ不安が残っているので、早いペースで動けないので余計に時間がかかりました。
SONE
2011/10/29 17:51
ナメあり滝ありでなかなかのいいコースですね。
以前行きましたの八ツ森の西側でしたか。
いよいよ紅葉は里山に降りてきましたか。(^o^)
マロ7
2011/10/29 18:51
紅葉は里山ですね。
今日は仙人沢から仙台神室に出て笹谷に下りました。SONEさんのブログを参照しました。沢から尾根に上がり、やせた尾根でロープにすがるところからの雁戸山は逆光でしたがすばらしかったです。穏やかな気候で登山者が多かったです。
yuji
2011/10/29 20:42
マロ7さん今晩は。
樋口沢は滑あり滝ありで楽しませてくれましたが、一般登山者には危険過ぎるルート採りでしょうね。
八森山から辿った尾根とクロスする様に駒新道は通過していましたよ。
紅葉は標高500mが一番盛りでしたね。
SONE
2011/10/29 21:49
yujiさん今晩は。
これからは里山の紅葉がメインですので、私の登山も標高が低いほうにシフトしていきますね。
今の時期の仙人沢は岩壁に映える紅葉が最高ですね。周辺にはナメコなどを狙える所もあるんですよ。
今日は穏やかな天気で最高の登山日和だったでしょうね。
私は膝の調子を見ながらですので連投は控えておりました(苦笑)
SONE
2011/10/29 21:54
キノコ狩りから登山へ変更できるとはいいいですね。
黄葉もきれいです。
キノコは不作だったようで、先週は運が良かったようですね。
みどぽん
2011/10/30 21:24
近くになかなか良いコースがあるのですね。
近いけれど、難しそう。八森山というのは、昔々スキー場があった山でしょうか。
きのこは残念でしたね。
大鳥小屋付近は、ナメコが大豊作で、きのこの知識が皆無の私でも、きのこ採りの楽しさを味わいました。夕食は、なめこ三昧。といっても、大根のおろしあえと味噌汁です。新鮮で、肉厚の天然物は最高でした。
東大鳥川付近の紅葉は終盤でしたが、それはそれで風情があり、私の拙い写真では表現しきれませんでした。
2日目の以東岳登山は曇り空でしたが、この季節にしては穏やかな中、直登コースをピストンしました。山頂からは朝日の縦走路が雲海の上に望まれ、月山も遥かにかすんで見えました。
さすがに、風は冷たく、あられが少し頬に当たりました。
写真の整理もしないうちに、明後日からまた出掛けます。
大山、剣、石鎚と観光がてら、誘われた時がチャンスとばかりに、のんびりと行って来ます。
momo
2011/10/31 16:06
みどぽんさん今晩は。
以前シロシメジを採った場所に行くつもりが、沢に寄り道して結果的に登山となってしまいました(笑)
今年の里山の紅葉は赤い色が少ない印象で、黄色が綺麗ですね。
深いブナの山に行くとかなりな確立でナメコが採れているみたいですよ。
でも里山にはほとんどキノコの姿が無いです。
SONE
2011/10/31 19:13
momoさん今晩は。
駒新道は登山の好事家とも言える方のみお勧めできるルートで、道標が一切ないので一般向けとは言えませんね。
八森山はスキー場があったところです。開業していた当時は仙山線の列車が停車したらしいですね。
キノコは里山では毒キノコもない状況でした。
大鳥小屋一帯でナメコ採れて良かったですね。天然ものは美味しさが違いますね。
以東岳も今は冬の装いなのでしょうね。天気が良くて何よりでした。
しかし中国・四国の山に遠征されるとは大したものですね。穏やかな登山日和をお祈りいたします。
SONE
2011/10/31 19:19
低山と言えども滝あり藪こぎありで経験者向きのコースのようですね。
いつもよく調べてUPしています。
動画も見やすくマメに丁寧に撮って雰囲気や山の様子がよく分かります。
ミニミニ放送局
2011/10/31 21:08
里山とはいえ樋口沢は落差が大きくて大変。
駒新道のように歴史と人の息遣いを感じられるところは、そこにいるだけで感慨深いものがあります。
以前ご一緒した雪の大笠山はおもしろかったですね。
大笠山から円子山−初ノ小屋までの周回は残雪期でも難しいのでしょうか。
morino
2011/11/01 12:22
ミニミニ放送局さん今晩は。
今回は道のない沢筋から登っていきましたから、ミニ沢登りになってしまいました。
駒新道は登山界から忘れさられた古道ですが、途中までは草刈りされていて歩きやすかったです。
余り景色の見えない樹林帯の山歩きを動画作品にするのは難しいですね。
三脚が低くて使えない場面が多いので、どうしても静止画が必要になってしまいます。
SONE
2011/11/01 17:09
morinoさん今晩は。
樋口沢は侮れない沢でしたよ。オボコンベ周辺の沢より滝が多かったです。
昔の駒新道は無意識に足が出せるほど歩きやすい道でしたが、薮や崩落で道形が危ういところが多くなっていましたね。
尾根の乗越地点で雪の大笠山を思い出しました。雪庇が張り出していた尾根と合流しましたよ。
残雪期に駒新道は危険だと思います。急斜面の沢源頭部のトラバースが多いので、残雪トラバースは常に滑落の危険が伴いますね。
SONE
2011/11/01 19:04
5月5日に二口穴戸沢林道〜面白山林道〜高倉平を経由して大笠山へ行つて来ました。林道は落石
不法投棄防止のためかなり手前に頑丈なゲ-トができ、長い林道歩きですが、山菜がたくさんとれて楽しい山歩きでした。このル−トは駒新道としては、比較的迷わず大笠山・円子山へ行くことできるル−トです。途中熊とニアミスがありドキドキの山歩きでした。今度は新川〜腕腰(鞍部)経由で大笠山・円子山・へ行つみたいと思います。
ぴんぴんころり
2011/11/09 19:54
ぴんぴんころりさん今晩は。
ゲートが出来た林道は穴戸沢林道でしょうか。そこからだとかなり長い林道歩きを強いられますね。
GWの連休頃なら新緑と山菜が楽しめたでしょうね。
以前高倉山に登ったおりには駒新道の看板がありましたね。高倉平まで行くと大笠山は直ぐそばに見えますね。
今回は熊の糞は2個所で見つけましたが、人がほとんど歩かない山域なので熊も多いと思います。
新川側は最初に荒れたブル道を登りますが、顕著な踏み跡を辿ると駒新道に合流できますよ。
SONE
2011/11/09 23:28

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