東北の山遊び

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zoom RSS 2012.11.11 甑山(秋田・丁山地)

<<   作成日時 : 2012/11/12 18:10   >>

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秋田と山形の県境にある甑山は、その魁偉な双耳峰の山容が登高意欲を湧きたてる山である。
この山が初めてのマスさんを誘って、縦にフル縦走するルートでチャレンジしてみた。

【 11/11 甑山(981m) 秋田・丁山地 】
登山口〜大深沢〜三差路〜ウィルソンカツラ〜名勝沼〜ウィルソンカツラ〜三差路〜県境尾根〜地蔵鞍十字路〜地蔵倉〜甑山(男甑)〜男女コル〜女甑〜甑峠〜林道〜登山口

甑山の山名は甑(蒸し器)に似た山容から来ていると言う。
男甑と女甑の二峰とも東面は大きな岩壁となっており、特に男甑の岩壁は200mもの落差を持つ大スラブを持ち、その成因は雪崩の浸蝕によるアバランチシュートである。

この山には過去3回登っているが、少しづつコースを変えて歩いてみると、歩く度にこの山の急峻さや山麓の深い原生林のとりこになってきた感がする。
特に初めて登った残雪期。女甑から眺めた鳥海山の威容は忘れられない思い出となっている。
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天気予報通り宮城県内は曇り空で、鬼首道路を越えて秋田県に入ると晴れていた。
院内を通過する時に真っ白な鳥海山の頭部が望まれ、何処か写真を撮れる場所がないか注意しながら走行したが、松の木トンネルを過ぎたほんの一瞬だけ見えただけで、写真を撮れる場所は見いだせなかった。

皿川集落を抜け、ダートの林道を3.5km走行すると登山口に着く。
前日の雨で滑りやすい状態の登山道を歩いていくと大深沢の支流を2回渡る。
途中に目立つ滝が落ちていた。
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沢筋から一段登ると平坦な台地に出る。ここは過去にブナ林の伐採が行われた場所であるが、ブナ林の再生を目指して針葉樹の植林は成されていない。

三差路を左折して先ず名勝沼に立ち寄る。
正面に女甑の険しい西面が見えてきた。
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名勝沼の近くに落雷で燃えてしまって幹根だけが残った巨大なカツラの木がある。
幹周16.5mでウィルソンカツラを呼ばれている。
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名残の紅葉が映える名勝沼。静かな時間が流れている。
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一般の登山者はここから男女コルに登るが、今回は二峰の完全縦走が目的なので先ほどの三差路に戻る。
そこから県境尾根に出て、少しの間だけ県境尾根を登る。
次の三差路を右に降りていくと、男甑の西麓をトラバースする道になる。
しばらくキノコを観察しながらこの道を辿る。
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やがて地蔵鞍と呼ばれる変則十字路に着く。
最初は東に下って日本最大級の地蔵鞍の大カツラを見る予定であったが、道が踏み跡程度で定かでないので止めにした。
この鞍部から男甑までは一般登山道をは思えない超急斜面の登りが続く。
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以前は無かったトラロープが設置されているが、木の根や岩角にしがみついて攀じ登る場所が連続し、かなり慎重な行動が要求される。
特に足場の悪いトラバースと、斜度70度以上ありそうな10mほどの岩場の登攀部分が悪い。
初心者を連れていく場合には確保が必要な場所と思って間違いない。
(この悪場はマスさんに指示を与えていたので写真を撮る余裕なし。)

岩場を登りきると地蔵倉の岩塔が下に見え、背後には加無山の双耳峰が望めた。
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この先もブナ林の急登が続くが危険な個所はない。
やがて顕著な尾根に出ると傾斜が落ち、そこから山頂までは僅かな距離となる。

たどり着いた男甑山頂。肌寒い東風が吹き抜けて、写真を撮っただけで退散した。
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眼前には烏帽子岩の特異な岩塔が突っ立っている。
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東南面は足元からスッパリと切れ落ちていて、余り近づけない。かなりな高度感がある。
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風の当たらない場所を探して縦走路を北上する。
下り始めの場所では北側の峰と、女甑の尖った姿が見えている。
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小さな鞍部の道の脇に腰を下して、軽くおにぎりを腹に入れた。
東側の景色が見えているが、残念ながら神室連峰は雲の中。

出発して少し登り、県境コースの分岐付近から男甑が眺められる。
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急坂にかかる手前で遮るものなく女甑の鋭峰が見える場所がある。
左下には名勝沼。標高では測れない迫力ある風景が眼前に広がる。
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女甑の険しい山容とは対象的な名勝沼の静的な光景。カラマツ林の黄葉が美しい。
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男女のコルまで下り、再び急坂を登って女甑を目指す
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頂稜まで登りきると男甑の全貌が望める。
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東面の足元に広がるブナの森と前森山
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女甑山頂でゆっくり休む。誰もいない静かな山頂で、ほぼ360度の展望が得られる山頂だ。
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残念ながら鳥海山の雄姿は見えなかったが、丁岳、庄屋森、大森山などの丁山地の山々が見えていた。
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北側には峰続きの大仙山、姥井戸山が見えている。
秋田県側は薄く男鹿半島や太平山地、そして森吉山が霞んで遠望できた。
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山頂ではマスさんお手製の『いちじくのタルト』をいただく。
まるで固めのプリンを食べているようなお味で、大人のケーキといった感じ。
前回のアップルケーキと双璧の旨さであった。
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北側の甑峠への下りも超急斜面で、木の根とフィックスロープを頼らないと下れない。
クライムダウンの連続で、足元が見え難く、しかも前日の雨で滑り易くなっているので苦労する。
ところどころ上から見るとほぼ垂直の下りも多い。
この難所も下からマスさんに手掛かりと足場を支持しながら下る。故に写真を撮る余裕がなかった。

一段下ったところから女甑を振り返る
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二段目の急斜面の下り。
ここはスッパリ切れ落ちた部分が少ないので心理的に怖くない。
でもトラロープが古く、あまり当てにできないので、道の両サイドの木々を掴んで下る場合が多かった。

かなり下ると傾斜が緩くなってきて、キノコを探す余裕もでてくる。
薮の中にナメコを見つけた。こんなキノコの姿を見ると嬉しくなってくる。
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ブナの巨木が出てきて、坂の傾斜が緩んできてやっと甑峠に降り立つ。
これで甑山の完全縦走を達成。
東北にある登山道の中でも有数の難易度の高いコースであろう。

少し峠の秋田側に下ると、降りてきた女甑の姿が木々の間から眺められた。
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安全地帯に入ったし、峠道の倒木にナメコの幼菌を見つけたので、周りの森に少し踏み込んでキノコを探す。
するとムキタケが生えていた。
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甑峠の道は藩政時代には矢島、本荘、亀田藩が参勤交代の折に往来していた歴史のある古道で、現在は殿様街道とも表示されている。
黄葉が美しいカラマツ林の中を下ると、カラマツの細い落葉が雪のようにサラサラと落ちてきた。
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最後は林道を辿って車に戻る。
振り返ると甑山の姿が見えていた。
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山中で4組5名の登山者と出会ったが、皆さん早めにお帰りになったらしく、私の車だけが駐車場に残っていた。
また今回もいい思い出を残してくれた山であった。


GPS軌跡です。

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動画です。




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コメント(10件)

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美味そうなナメコとムキタケですねぇ〜。
このお山は再訪したいリストに登録です。
今度は外回りでね。^^;
マロ7
2012/11/12 19:16
マロ7さん今晩は。
あちこちでキノコを探して採っていたので、最終的には結構な量になってしまいましたよ。
今度は是非縦走ルートにチャレンジしてみて下さいよ。
SONE
2012/11/12 20:02
今週は甑山も行きたかったのですが、先週の大境山が良かったので新潟の山に行ってしまいました。磐越道1本で行けるので、便利なもので…
完全周回コースはきつそうですね。来シーズンにノーマル(笑)コースで行ってみたいと思っています。
みどぽん
2012/11/12 20:05
みどぽんさん今晩は。
低気圧の接近により思ったより早く天候が悪化してしまいましたので、新潟に行って正解だったと思いますよ。
甑は御地からだと遠い山ですよね。
完全縦走は岩登りの経験がないと危険なところが多いです。
男女のコル経由で登るのが安全ですね。
SONE
2012/11/12 20:35
私は紅葉時期に(10/20)に名勝沼→男女コル→女甑→コル→男甑→県境尾根→ウィルソンカツラ→名勝沼で周回しました。虎毛、高松や神室連峰は見えてましたが鳥海は見えませんでした。この甑フル周回は変化に富んでよさそうですねえ。
ちなみに松の木トンネルと西久米トンネルの間で鳥海山が見えるのはほぼピンポイントです。私的には笹子峠からの鳥海山も捨てがたいです。
tom
2012/11/12 23:39
tomさん今晩は。お久しぶりです。
秋の紅葉時期に今回で3回登っていますが、鳥海山が見えたことは無いんですよ。
10月20日なら完璧な紅葉が見られたでしょうね。
今回の縦走は気合を入れて挑戦する感じのコースでしたよ。
ちょっと摩耶山の倉沢コースの難易度と比べてしまいました。
そうなんです。鳥海山は松の木トンネルと西久米トンネルの間で一瞬見えただけでした。
遠回りして松の木峠に行くことも考えましたが、秋は日暮れが早いので止めました
SONE
2012/11/12 23:49
ウワー、こりゃ厳しい。
でも、ウィルソンカツラや名勝沼を楽しめて、その上素晴らしい展望を得られる魅力的な山ですね。
青空の時に行ってみたいものです。当然ノーマルルートですけど。
morino
2012/11/13 07:34
morinoさんおはようございます。
この山は前回歩いた名勝沼〜甑峠〜女甑の大カツラ〜男女のコルのルートがお勧めですよ。
天気が良い場合は西側の展望が開けた女甑は外せません。
是非、青空の鳥海山が見える時を狙って登ってみてくださいね。
SONE
2012/11/13 07:45
おはようございます。
鳥海山は真っ白ですかー。
女甑ではマスさんのの服装(帽子も)がしっかり防寒に変わってますね(^_^)
山スィーツも季節感があって素晴らしいです〜。
ナカシィ
2012/11/14 08:43
ナカシィさんおはようございます。
今日は午後から仕事でゆっくりしておりました。
流石に鳥海山は真っ白で写真に撮れなくて残念でした。紅葉と雪山の写真になったのですが・・・
標高1000mクラスの山だとある程度の防寒装備が必要になっていますね。
毎回美味しいケーキを食べて、いい山に登って最高ですよ。
SONE
2012/11/14 08:50

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