東北の山遊び

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zoom RSS 2013.4.27 山王森からツクシ森(宮城・鬼首)

<<   作成日時 : 2013/04/28 19:40   >>

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鬼首カルデラの中央火口丘で一般的に登山者に認知されているのは荒雄岳であるが、その最高峰がツクシ森であることは知られていない。
夏道が存在しないこの山には積雪期しかアプローチが難しく、近寄りがたい山となっている。

【 4/27 山王森(938m)からツクシ森(989m) 宮城・鬼首 】
高剥向〜山王森ツクシ森〜918m峰〜ジャンクションピーク〜荒雄岳分岐〜856m峰〜八ッ森〜観光道路

荒雄岳を中央火口丘を一周するように荒雄岳が取り巻いている。
河川浸食によりその山体は複雑な様相を示し、しかも非常に規模が大きいので、山懐に入ると深山に入ったかのような感じがする。

現在、登山の対象となっているのは、荒雄岳を中心とした南半分の地域であるが、この方面は大伐採で荒廃してしまった。
以前は北西部の高剥向から荒雄岳に向かう営林署の巡視歩道が存在したが、近年は下刈りが一切されずに廃道となってしまった。
今回は残雪を利用して、その廃道を辿って山王森から荒雄岳へ縦走するつもりである。


このマニアックな山行に同行するのはmorinoさんマロ7さんebiyanさん、そしてマスさんの4人。
先達がいないと歩けない山なので、今回の企画にすぐ乗ってきた面々である(笑)

車一台を八ッ森コースの登山口付近にデポして、もう一台の車で高剥向に向かう。
車の駐車スペースは1台分しかないので注意。
民家の敷地内を抜けていくので、一言かけて通らせていただいた。

ここは正規の登山道ではないので、標識など存在せず、私も10数年前に初めて歩いたときには道迷いの連続であった。地図が読めても破線ルートと実際の道あとがほとんど一致しないので、山勘に頼るしかないのだ。

小沢に沿った道あとは現在は消失してしまって、適当にときどき出てくる踏み跡を辿るしかない。
沢沿いにコゴミが生えていて少し採取できた。
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太いカツラの木が現れたりして楽しい。
この頃から降っていた雨も止んでくる。
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やがて正面に山王森が見えてくる。
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この沢筋から西尾根に出るルートが非常に分かりにくい。
以前あったブル道は大分藪化が進み、途中から強引に斜面を登ってブナの森が広がる西尾根に達した。
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最初は踏み跡のはっきりしたヤセ尾根を登る。
南側が上芦沢まですっぱりと切れ落ちていて注意が必要。
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南側の対岸に見える670mピークは険しい雪崩地を見せている。
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ヤセ尾根から急斜面のジグザグ登りに転じると、そこはイワウチワの花が群生した素晴らしい道となる。
残雪が深くて花は咲いていないだろうと思っていたが、イワウチワロードの出現で急登も楽しい行程となった。
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更に登っていくと踏み跡も薄くなってくる。
後数年したら踏み跡を辿るのも不可能になりそうな感じだ。

再び尾根に出たところでは西側の展望がところどころで開ける。
眼前にせまる須金岳は雲がかかって見えないが、片倉森はその急峻な山容を見せていた。
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北側の展望が開ける場所では清水倉森の姿がぼんやり見えていた。
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登りの急峻さとは裏腹に、山王森の山頂部は東西に長い頂稜を持っている。
その一番西側のこんもりとした盛り上がり部分に石碑が建っていて、これが信仰上の山頂とされる。
石碑は上部が欠けていて、『王神』だけが確認される状態だ。
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少し下った雪堤のところで風を避けて昼食をとる。
ここでこの日の行程の半分来たと思えば間違いない。

一番懸念したのは稜線上に雪が消えていることであったが、笹薮が深い山王森の頂稜に潤沢な雪堤が続いていて安心できた。
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最高点に三等三角点を確認。
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しばらくは快適な雪堤の上を歩いて行ける。
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しかし頂稜を越えてツクシ森との鞍部に至る行程では、藪っぽい踏み跡を歩く羽目になった。
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やがて前方に三角形の整った山容をしたツクシ森が見えてくる。
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鞍部付近は完全に藪漕ぎ。
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最高峰のツクシ森へ至る道は以前から存在しない。
急斜面になる手前から昔の巡視歩道は、西側をトラバースして918m峰に至る広い尾根に出ている。
故にツクシ森山頂までは、ここから獣道を辿って、木に掴まりながらの藪漕ぎとなる。

登っていく途中で振り返ると、山王森が意外に険しい山容で見えていて驚いた。
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最後は雪堤をひろって山頂に至る。
以前登ったときは四方を木々に囲まれた展望のない山頂であったが、積雪期の今は北東方向の展望が少し見えた。
ツクシ森山頂で皆で記念写真。
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山頂から南に雪をひろって降りていく。
かなり急なところで、マスさんが滑落! 下で止めたので怪我なく済んだ。(ピッケルを持参しなくて失敗。)
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下りきった鞍部は本行程の一番の景勝地であった。
ブナの原生林が広がる。この風景を見た登山者は少ないであろう。
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この頃から雪混じりの風雨が強くなってくる。デジカメのレンズに雨滴が付いてしまう。
南東側に見えていた荒雄岳は、この後すぐに雲に隠れてしまった。
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平坦なブナの森を歩いているとmorinoさんがテンだ!と叫んだ。
指さす方向を見ると、金色の毛皮が美しいテンが白い雪面を逃げていった。

その付近から登ってきたツクシ森を振り返る。
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918m峰の南側のピークは草木沢方面に下る仕事道と、荒雄岳に向かう歩道のジャンクションピークとなっている。
ここからは下刈りが施された道となり、一気に歩きやすくなった。

天気が芳しくないので、今回は主峰の荒雄岳は割愛して八ッ森登山口に降りることにした。
正規の分岐より手前のところで南西側に藪を漕いで登山道に降り立つ。
整備された登山道の何と歩きやすいこと・・・

856m峰まで降りると荒雄岳が眼前に迫って見えていた。
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ここで私の好奇心が頭をもたげて、未登の八ッ森へ立ち寄ることを提案した。
皆は行けるかどうか半信半疑であったが、強引に雪堤を下っていく私についてくる。
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途中で八ッ森が見えてきたが、そこに向かう尾根とは外れた南東尾根を下っていた。
斜め右に見える雪堤まで斜降気味に軌道修正する。
笹薮が深い行程であったが、5分ほどで目指す雪堤に乗れた。

鞍部から見上げる八ッ森は意外に急峻な山。
雪を使えるだけ使って、最後は藪漕ぎで山頂に至る読みである。
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たどり着いた八ッ森山頂は凄い強風が吹き抜けていた。
三角点を探す。
保護標石を見つけて、その中心を掘り出すと四等三角点が顔をだした。
何年ぶりにお日様の下に顔をだしたのであろうか?
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八ッ森からの下りはいろいろなルートが考えられるが、正規の登山道に一番近い西斜面を直降するルートを選んだ。これは正解!
あまり藪が深くなく、低木をつかんで降りられるので、安全に短時間に下れた。

下りきったところは伐採地になっていて、少し西側に歩くと登山道に合流できた。
車止めまで下ると登山の案内板がある。
そこには我々が歩いたルートに『このルートへは行かないように』と記載されていて、皆で笑ってしまった。
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今回は森と名前がつく三山を歩いたが、どの山も森とは思えない急峻な山の連続であった。
思惑通り残雪をフル活用して効率よく歩けた。
あと10日もしたら残雪がずたずに切れて歩けなくなっていただろう。
天気はいまいちであったが、実に痛快な山行であった。

注)このルートは道がほとんど消失してエキスパート向けの山になっています。
本ブログ記事を見て、同ルートを歩き、事故や遭難が起きた場合、当方では一切責任を負えません。


GPS軌跡です。 クリックで拡大。

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動画です。
今回は藪山のために三脚を使用しませんでした。





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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
お世話様でした。
超マニアックコース(^^)をご案内いただいてありがとうございました。
このコースは最初のルーファイから初めての人には厳しいですね。
しかし、本当に山深いおもしろいコースでした。少しでも山菜付というのがまた嬉しかったですよ。(笑)
またよろしくお願いします。
morino
2013/04/29 16:15
ようやく行けた、みやぎの超マニアックコース、良かったです(^^)
ツクシ森から荒雄岳へのルートは難しいコースですね。
今年はじめての山菜は激ウマでした。(笑)
次を御期待いたします。
マロ7
2013/04/29 19:18
morinoさんお疲れ様でした。
難易度では赤見堂より上の感じがしました。
結局累積標高差で1200mを越えていたのは驚きましたね。
荒雄岳は初心者向けですが、ちょっと外れるとエキスパート向けの山になるのは面白いですね。
SONE
2013/04/29 20:48
マロ7さんお疲れ様でした。
前から歩いてみたいと言われていたのは知っておりました。
ルートファインディングの面白さが凝縮されているルートなので、歩く醍醐味を満喫しましたよ。
山菜は当日の夜の食卓を賑わせてくれました。美味しいですね。
SONE
2013/04/29 20:52
山王森〜ツクシ森は藪が濃くて歩けないと聞いていたのであきらめていましたが
なるほど、残雪を利用して歩く手があったのですね。
エキスパートな道行案内人さんのおかげで、安心して、多少の藪もなんのそので
とっても楽しく歩くことができました。
ありがとうございました。
動画は三脚を使ったかのように安定して撮れてますね。楽しませてもらいました。
今年の初山菜、私もとってもおいしくいただきましたよ。
ebiyan
2013/04/30 09:55
超マニアックシリーズ更新ですね。そして雨風のおまけつき。
片倉森は夏道はあるのでしょうか。トンガリと北斜面の雪崩の状況を見て登れるのかなって思っていました。
yuji
2013/04/30 14:48
ebiyanさんお疲れ様でした。
GWまでは雪を使えると思いルートを考えましたが、山王森に登った時点で上手く歩ける確信が持てました。
今回は雪山プラス藪漕ぎのルーファィが必要でしたので、難易度はかなり高かったですね。
動画は三脚を使えなかったので、常に画面を動かしている撮影方法になりました。
山菜までプラスされると、山の楽しみが倍加しますね。
SONE
2013/04/30 22:17
yujiさん今晩は。
以前、確かな道が存在したときにはツアーも行われていらルートでした。
でも現状は藪山マニア限定のコースになってしまいましたね。
片倉森は私も未登で狙っています。夏道は存在しないでしょうね。
東側からはナイフリッジで無理なので、アタックするとしたら南側からのアプローチになりそうです。
SONE
2013/04/30 22:21
しかし凄い所歩かれていますね〜
SONEさんは歩いていない山は無いんじゃないかと思うのですがいかがでしょうか?
感動してしまいました。
トシヒコ
2013/05/07 06:04
トシヒコさんおはようございます。
何かマニアックなところばかり選んで歩いているこの頃です(笑)
宮城県内の山でも一生かかっても登り切れない数がありますので、まだまだ経験不足だと自分では思っておりますよ。マスさんの登山スキルが上がってきたので、かなり難しい山にも連れていけるようになりました。
SONE
2013/05/07 06:37

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